テリー・ヘイズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
壮大なストーリーのマンハントが終了。ラストはかなり盛り上がった。
が、3巻まで必要かと言えば微妙。
話しが枝葉にそれたり本筋に関係ない話が長々とあったり。
大きくは二つの話があるわけだけど、ウィルステロも結局最後は人質の話で簡単に片が付き過ぎ。サラセンもこれだけ壮大なプランを練っておきながら、あっさり全てを諦めるし、女殺し屋に至ってはサラセンの捜査のだしに使ったはずがこちらが次に続きそうだし。
一気に読む分にはいいが、なんとなく消化不良の感はある。
視覚的な作品なので映画化は間違いないだろうが、どんな風に終わるんだろう?
そしてこの作品の続編はいつくらいになるのかな? -
Posted by ブクログ
1巻を受けて、サラセンの行動とピルグリムの追跡行が緻密に、そして濃密に描かれる。ただその分、話の展開が異様にのろい。しかも枝葉に流れることが多い。
サラセンのウィルス培養のとこだってここまで長々描くところもスゴイし、ピルグリムがそれを受けて雇われるわけだけど、それは前巻でわかってるので話が重複していく。あまりにも話が現在と過去が入り乱れるのでどうしても同じ話が出てくる。しかも今回はトルコの富豪事件の章も長いし。さらにはウフッツィ美術館の絵画修復まで。まるでダン・ブラウンだなぁ。
結局、”サラセンがウィルスを開発し、ピルグリムが連絡員の女性をトルコに見つけた”がこの2巻。
もちろん、文章も上手い -
Posted by ブクログ
ケチをつけたい点が少なくとも二つはある。そこはかなり気に入らない。ああ、しかし。面白いんだよねえ、これが。スパイものはさほど好きではないので、なかなか手が出なかったのだけど、いやあ、2巻目からはもう一気読み。久しぶりに夜更かししてしまった。
これは良くも悪くも「ハリウッド映画」なのだと思う。実際に映画化も決まっているそうだし、作者は「マッドマックス2」の脚本家だとのこと。小難しいことは忘れて、スピード感あふれるアクションやサスペンスに身をゆだねたい気分の時には最高だろう。
しかしまあ、我ながらへそ曲がりだとは思うが、あまりにもわかりやすいのでは? テロリスト<サラセン>についてもしっかり書 -
Posted by ブクログ
ネタバレ〈サラセン〉を追う〈ピルグリム〉の旅もいよいよ終焉。これまでの話が一つ一つ終着点へと向かい結びついていく…ことを期待した。結果、たしかにそうなった。しかも先が気になる展開で、まさに一気読みだった。情景が浮かぶのも、さすが元シナリオライター。しかし、最後の詰めが甘いのではないかと思った。ここまで緻密な計画を立てた〈サラセン〉があまりに簡単に出てきすぎではないか?愛に勝る者はないという話は分かるし、非常なテロリストも息子の前ではというのも分かる。しかしなんだろう、ここまで緻密に重ねられたフィクションの割には最後はそこかと少しがっかりさせられた。いやでも裏切られるかも!と思って読んだけど〈サラセン〉
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Posted by ブクログ
アメリカのあらゆる諜報機関の諜報員を監視する<機関>と呼ばれる組織に所属していたものの、9.11事件をきっかけに若くして現役を退いた、名前のない男である「わたし」。
敬虔で厳格なイスラム教徒であり、孤高のテロリスト「サラセン」。
三部作(三分冊)の一冊目である本作では、二人の素性が交互に行きつ戻りつ語られます。
そしてサラセンが企てる恐ろしいテロの計画が少しずつ形を見せてきます。
また、わたしの方は、わずかな手がかりから自分の正体を知り居場所を突き止めたニューヨーク市警の警部、そしてその妻と知り会います。
壮大で長いプロローグといった感じで、まだ二人が直接に絡むシーンは出てきません。
どちらか -
Posted by ブクログ
孤高のエージェントと、復讐に生きるテロリストとの緊迫した鬼ごっこ。テンポよく小気味よくさくさく進むので、長いながらも飽きることはない。テロ計画が明白になった中盤からはスパイ小説全開モードで、ベタながら一気に展開する。この辺りが一番楽しかったかも。
脚本家でキャリアを積んだ作者らしく、インパクトの強い台詞が多く、またキャラ造形も抜群に巧い。ピルグリムとサラセンの過去を対比させつつ、人生を掘り下げるシーンは読み応えがあるが、遠回りになっているので、小説としての構成はほぼ破綻している。要所要所で主人公がヒーロー化する展開も”ザ・ハリウッド”なのだが、必要枠なんだと咀嚼してしまえば何てことはない。年