蔵本由紀のレビュー一覧
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ネタバレSYNC: なぜ自然はシンクロしたがるのか
ストロガッツ教授の歩んできた、複雑系研究の道。
その一つの道しるべとして、同期現象を取り上げています。
振り子、蛍、細胞、シナプス、脳波、睡眠、惑星、量子、自己組織化、WWW、交通渋滞・・・・
意志を持たない物すらも、あたかも意志を持っているように同期する不思議。
端緒についたばかりの非線形な複雑系、ネットワークの研究が、様々な同期の不思議を解明していく歴史がエキサイティングです。
異端の学問だったCで始まる、Cybernetics, Catastrophe theory, Chaos theory, Complexity theoryが、研究の -
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ネタバレ文系脳の非線形科学 №1 -2007.11.01記
「非線形科学」を読みおえ、混濁した頭を抱えつつなんとか理解の歩を進めたいと悪銭苦闘しているのだが、なかなかに点と点が結ばれて線へとはならないものである。これまで科学的な知見に対し、どれほど直感的かつ好い加減に接してきたか、たんなる言語遊戯にすぎなかったのではないかと悔恨しきりである。
だが、このたびはこのままやり過ごすわけにはいかぬ。あくまでも私なりにではあるが、本書をほぼ理解する必要があると、そんな衝動が、熱が身内を貫いている。おそらく、これらの理解は、私がずっと拘ってきた身体表現のありように、方法論的な明証さを与えるものとなるはずだ -
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本屋でたまたま見かけて、おもしろそうに感じたので手に取ったのですが、結果として大正解でした。
隣り合った2つの振り子時計やメトロノームの振り子が自然に同期する不思議から始まって、ろうそくの炎、こおろぎの鳴き声、体内時計、ミレニアムブリッジ、蛍、電力ネットワーク、心拍、電気うなぎ、インシュリン分泌、パーキンソン病、動物の歩行、ミミズやアメーバーの移動、信号機のネットワークと、実に何の脈絡もなさそうな幅広い分野の現象を「同期」「リズム」の観点から共通するイメージを見事にくくりだし、これを利用した自律分散型制御系の構築可能性まで、実に壮大なビジョンを提示してくれています。
短い読みやすい本ですが、知 -
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「同期(シンクロ)」をキーコンセプトとして、さまざまな興味深い現象を見ていき、そして、その都度、その現象を起こしている「同期」について解説しながら、「同期」そのもののイメージを深めていくような本でした。
17世紀、オランダで活躍した科学者ホイヘンスのよって、並べたふたつの時計の振り子が同期する現象が報告されたのが、この分野の起源とされているそうです。ここからこの分野の話が開始されます。この時点で、「同相同期」と「逆相同期」が解説されているのですが、ならべた時計の振り子が同期して、同じように左右に振れているのが同相同期で、片一方が右に振れたときに他方が左に振れるのだけれどもリズムはいっしょとい -
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「非線形科学」という聞きなれない分野の第一人者による著書。とりあえずハヤカワノンフィクションだから買っとくかという動機もなくはなかったが、とにかく表紙が美しいのでジャケ買いしたといた方が正確か。
ホタルとコオロギ、脳波、睡眠リズム、交通渋滞からコンサートの拍手、スタジアムでのウェーブまで、とにかくシンク!そして『偶然の科学』でおなじみダンカン・ワッツも過去の共同研究者として登場するあたりが楽しい。ローレンツの「あの小さなモデルのことかね?」というのもワロタ。
線形と非線形については、たとえ話を交えながら3ページほどで説明しているのだけど、非線形どころか数学のことはよく知らない自分でも良くわか -
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何万匹ものホタルが同時に明滅する、吊り橋上を歩く集団の歩調が自然に揃って橋が大きくたわむ……これら驚くべき現象はすべて「同期(シンクロ)現象」によるものだ。
同期現象は単に奇妙な現象というだけではない。心拍や体内時計といった生命維持活動にも関与し、最新のロボット制御システムの鍵を握るなど、実は我々の生命や社会を形作る上で欠かせない物理現象なのだ。しかし従来の科学手法では解くことができず、「非線形科学」の最新研究によって明らかになったのだ。
著者は同期現象を記述する「蔵本モデル」を編み出したこの分野の第一人者。本書は我々の身近に起こる同期現象を数式を使わずに解説しつつ、世界を支配する知られざ -
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著者スティーヴン・ストロガッツは、『偶然の科学』のダンカン・ワッツの教師であると共に盟友で、おなじように複雑系科学の大御所の一人、であるらしい。
この本で提起されている「同期現象」は、たとえば、
・一斉に光る蛍。
・数百万の脳細胞が病的に同期することによる、てんかんの発作。
・レーザービームに現れるコヒーレンス。
・心臓に備わるペースメーカー細胞。
・月の自転は地球を回るのと全く同じ周期による。
・ルームメイトなどのごく親しく共に多くの時間を過ごす2人の女性がときどき示す「月経同期」。
こうした自然界に多数見られる「同期現象」という謎を、ストロガッツは生地に解説していく。
確かにこれは興味深