蔵本由紀のレビュー一覧

  • 非線形科学 同期する世界

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    同じテーマの本『Sync』を以前に読んだが,内容としては重なっているところが大きい.こちらにしかない同期現象の例も多く,特に生体内部での例が興味深い.

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    2015年07月05日
  • SYNC なぜ自然はシンクロしたがるのか

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     根性で通読。多岐に渡る内容で、難しかった。音楽関係で関連をみたく、もう少し調査を継続。類書をあたり、再度本書を読んでみたい。数理を楽しむシリーズなので、数式やら物理モデルも少し説明に入れれば、よりわかりやすくなる。

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    2015年04月23日
  • 非線形科学 同期する世界

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     蔵本由紀氏の著作は2冊目です。
     本書では、マングローブの木に群れるホタルの明滅等の生物界における「同期現象」だけではなく、振り子時計の同期やローソクの炎の同期、電力の送電ネットワークの同期等、さまざまなジャンルにおいて見られる類似現象をとりあげ、その発生原因等を平易に解説しています。
     本書における「同期」や著者の前著における「カオス」のような概念は、異分野を横断的に統合する力を持つもので、その研究の進展はとても楽しみですね。

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    2014年11月28日
  • 非線形科学 同期する世界

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    立秋が過ぎ、夜は少しだけ気温が下がる日もあるのか、昨晩リ,リ,リ,と虫の音が聞こえていました。

    不思議に思うときがあるのですが、小道を歩いて何匹もの虫の音を聞くとき、ずーっと同じリズムで聞こえてきませんか?まるで全員がそろって合唱しているような。実は鳴いているのはオスで、メスを効率よく誘うために、互いの鳴き声を”聞いて”リズムをそろえているのだそうです。

    これは生物の世界のお話しですが、様々な現象(物理であれ、化学であれ、人の行動であれ)の中に、個としてはばらつきを持つ振動が、集団のなかにあるとひとつの振動に収れんする現象が”同期”であり、本書の中心となるテーマです。

    様々な現象から抽象

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    2014年08月10日
  • SYNC なぜ自然はシンクロしたがるのか

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    この本が出たとき、表紙が素敵だったのが印象に残っている。初版からは少々時間が経ったが改めて手をとった。

    ホタルの同期現象がなぜ起るのかというところから書き起こしているが、昆虫生物学の本ではない。複雑性の理論の本だった。(ホタルがなぜ同期して光るのかは自分にはわからなかった...)

    「同期(Sync)」ということをキーワードにして、生体の同期現象だけでなく、ジョセフソン素子で有名な量子現象や6次の隔たりで有名になったスモールワールドネットワークまで射程の幅広さを誇示するかのように話題を振っている。

    はっきりいって、本書の議論は自分にはあまり刺さってこなかった。カオス理論・複雑性の理論とは相

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    2014年08月04日
  • 非線形科学 同期する世界

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    隣り合う振り子が同期する現象からはじまり、メトロノーム、ロウソク、コオロギ、カエル、ホタル、橋、電力ネットワーク、心拍など、様々なところに見られる同期現象について。その道の第一人者が数式をほとんど使わずに語る。中央集権的なコントロールではなく、それぞれのユニットの意志で動いて、全体を統率するという非線形科学の考え方は、組織のコントロールにも通じるのだと思う。

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    2014年07月31日
  • 非線形科学 同期する世界

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    あらゆる場面で表れる同期振動の数理について,数式を使わずに紹介。著者は「蔵本モデル」で知られるこの分野の第一人者。
    個々の振動子の動きが互いに引き込まれ,あるいは反発して揃っていく現象が,物理に限らず化学,生命,社会にまで見出だされることは興味深い。
    固有振動数の異なる多数のメトロノームの揺れが揃っていく様を映した人気動画があるけど,あれにおおっ!と思った人は一度読んでみる価値あり。

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    2014年07月17日
  • 非線形科学 同期する世界

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    メトロノーム、ロウソク、コオロギ、カエル、ホタル、橋、電力ネットワーク、心拍…同期している世界は身近に溢れている。

    ミクロな状態の線形和で説明出来ないマクロの世界は非常に興味深い。簡単には説明出来ないにしても、様々な同期によって安定性が成立している事実は揺るがない。

    もしかして、、もっと大規模、例えば地球科学規模での同期はないだろうろか。または、人間が社会的であるということも他者との同期を求めるメカニズムに立脚しているのではないかなどと妄想を膨らませるキッカケとなる面白い本である。

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    2014年07月02日
  • 非線形科学 同期する世界

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    非線形に由来する「シンクロ:同期現象」が、自然、生物、人工システムのいたるところに共通的に見られるという例を多数紹介する本。
    リズム(位相)という現象(概念?)が、細胞というミクロから、超マクロなシステムまで存在するのは当然。それが同期ということとどう関連するのかについては、こういった新書では数式を使えないから、「個と場のフィードバック」という表現で、うまく伝えようと苦心されている。
    数理科学に関心のある高校生にちょうど良いか。
    電力系統についての説明は、少し違和感がある。周波数については、実際にはシステムの外から同期のレファレンスを与え、積極的に制御しているという面もあるのだが、ここの記述は

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    2018年10月14日
  • 非線形科学

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    新書でこれだけの事を丁寧に書いてくれる事は
    非常に有り難い事だと感じます。
    非線形とものが、もともと、どのような出発点から始まったものなのかを簡略的に知るには適した本です。
    しかし、数式がなさ過ぎる分、わかりにくいような気が個人的にはしました。
    でも、本職でなくても読んでいて興味は尽きない本です。
    動的な要素の相互作用がどのようなかたちを生み出していくのかと、想像を掻き立てられます

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    2009年12月31日
  • 非線形科学

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    非線形な事象をどこまで捉えられるか。
    後半は文系にとっては難しい内容。

    聞いた話だが、90年代以降は
    あまり進歩していないらしい。

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    2009年10月07日
  • 非線形科学

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    この先生の授業は大学の時に受けた気がする。当時はよくわからなかった。今回、この本は楽しめた。新書だがレベルは高い。

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    2009年10月04日
  • 非線形科学

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    大学時代直接講義を受けたことのある蔵本先生の一般向け新書。数式を用いずに”平易”な文章で書かれた「非線形科学」についての入門書であるが、やはり一般の人に理解するのは若干難しいか。むしろ、非線形科学に興味を持つが専門書では敷居が高く感じている科学者にとって良い入門書となる気がする。

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    2009年10月04日
  • 新しい自然学 ──非線形科学の可能性

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    買ったのは5年前で、ずいぶん積読になっていた。著者である蔵本由紀先生の本としては2冊目である。数式を使わずに言葉だけで記述しているためか、文章が難しいと感じた。おそらく文章の書き方が私とは違うためだろう。哲学的な議論は若干「言い過ぎ」の感がなきにしもあらずだが、ご専門の物理学の立場から考えるとこのような言い方になるのだろう。たとえば「ロボットは果たして意識(心)を持ちうるか」という議論が二元論だとして懐疑的な意見を述べておられる。これはAI研究者として見た場合、「意識(心)の働きと呼ばれるものを人工的に作りうるか」という意味だと捉えれば、決して二元論だとは思えないのである。

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    2024年05月17日
  • 非線形科学 同期する世界

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    「同期」をキーワードとして,いろいろな自然科学分野の非線形現象を紹介した本.著者自身が提案した蔵本モデルの有効性がわかる.例は多く紹介されているが,もう少し原理的な話題も知りたかったところである.

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    2023年05月26日
  • 非線形科学

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    世界的第一人者による非線形科学の入門書。

    教科書をわかりやすくしたような本。とはいえ、非理系の人には敷居が高いと思われる。一般人向けということで数式を使わないなどの工夫がされているようだが、解説なしに使われている専門用語がそれなりに出てくるので、ある程度の知識がないと厳しい。

    4章の「リズムと同期」は明確で判り易いが、他は、章によって差があるものの、単なる紹介に留まっているところが多く、ピントがぼやけている感じを受けた。

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    2019年01月03日
  • 非線形科学

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    著者の蔵本由紀氏は、国際高等研究所副所長、京都大学名誉教授などを務める物理学者。非線形動力学(非線形科学)の世界的権威で、本書でも取り上げられる「蔵本モデル」(振動子集団の可解模型)を提唱した業績などで、ノーベル賞候補との評価もある。
    本書は、「全体が部分の総和としては理解できない」いわゆる“非線形現象”の典型である“同期現象”について、具体的な現れ方を多くの例を通じて、数式を使わずに紹介・説明しようとしたものである。因みに、「全体が部分の総和として理解できる」現象を“線形現象”といい、従来の数学を基にした数々の手法は、線形現象は説明できるが、非線形現象を説明することは困難であったのだという。

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    2017年07月13日
  • 非線形科学

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    「非線形科学の世界的第一人者による画期的な入門書」だそうだ。

    複雑系の本は、分かったような、分からないような本が多くて、さらにほとんどが翻訳もの。ということで、分かりやすさを求めて、読んでみたが、やっぱり、今、一つ、すっきりしない。

    内容的には、ジェイムズ・グリックの「カオス」やスティーヴン・ストロガッツの「SYNC」あたりとかぶっているのだが、どちらかというとこの本のほうが、分かりにくい気がする。

    で、どうしてだろうと考えると、この本、内容的には、実はかなり分かりやすくコンパクトに書いてあるのだが、コンパクトすぎて著者の研究の苦労話とか、学者の人間模様があまり書かれていないことが

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    2017年05月04日
  • 新しい自然学 ──非線形科学の可能性

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    物理学者である著者が、科学的視点や自然観とは何かを問い直すという、壮大で根源的な問題に取り組んだ書物。
    三部に分かれ、最初と最後の方は比較的平易だが、肝心の「非線形科学」に触れられている第2部が、物理学の素養のない私にはちょっと難しかった。
    「非線形科学」についても、非常に簡潔に述べられており、素人の私には把握しきれない。たぶん本書は、広く一般人のために書かれたというよりも、自然科学をある程度以上学んできた学徒に向けて書かれたものと位置づけるべきだろう。
    リズム現象など興味深いエピソードもあったが、とにかく把握しきれないために頭に残らなかった。残念。

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    2016年08月20日
  • SYNC なぜ自然はシンクロしたがるのか

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    完璧に同期して明滅するタイの密林に群生するホタル。常におなじ面を向けて自転公転する月。生き物であろうとなかろうと自然界にはシンクロすることが多い。人間の体内時計も昼夜にシンクロしている。ブームもある意味シンクロであると考えると、そのメカニズムを理解することはとても重要。ポイントは隣人への影響力であり、弱いネットワークの強い力であり、いかにティッピングポイントを超えるか。

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    2016年05月23日