森山東のレビュー一覧
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【玩具修理者】
ラスト三行で鳥肌がたった。キレのある終わり方がすごく好み。
【D-ブリッジ・テープ】
思わず顔を顰めてしまうシーンはあるけれどホラーよりは愛と復讐の物語という印象。
【白い部屋で月の歌を】
美しく丁寧な文体でありながら要所要所で人間の悍ましさを感じさせる。主人公の正体がなんであろうとこのラストシーンの先には希望が待ち受けていてほしいと願ってしまう。
【お見世出し】
舞妓独特の語り口が徐々にじっとりとした恐怖を引き出していく正統派ホラー。
【余は如何にして服部ヒロシとなりしか】
痛みと性が入り混じる不快な描写に対する生理的嫌悪感を抱えたまま何とか読み切った…。 -
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舞妓・芸の世界を舞台にした三つの怪談
「お見世出し」
2004年第11回日本ホラー小説大賞短編賞
舞台は京都宮川町
お見世出しとは、舞妓デビューのイベント。
「小梅」という舞妓のお見世出しに
彼女にとてもよく似た亡くなった芸妓も呼ぶことにしようとー。
20年前の作品ですが、舞台と京言葉が
もっと古い時代の風情を感じさせる。
ホラー作品となると思いますが、
やはりいつに時代でも恐ろしいのは
嫉妬や僻み。
「お化け」
なんともストレートなタイトル。
この作家さんを知らなかったのですが、
どうも覆面さんで 公務員との二足のわらじ系作家さんみたいですね。
得意分野が 祇園怪談的な京都出身のお方。
こちらも 舞妓さん達が主体の怪談なのですが、貴船から来る鬼がテーマなんです。
貴船といえば、源氏物語の賢木で六条御息所の参拝が思い出されます。
京都に疎いので距離感とか土地感がわからないのですが、昔から多少怪談めいた話が残るのでしょうか。
この話は、まあ怪談なのですが、ラストの舞妓の強さが魅力です。
「呪扇」
100年に一度、国の興亡に関わる時
作る事が許される呪扇。
怖い、痛い、悲しい、その作成方法。
殺人でも倒錯でもない。
呪扇を作るための行為は、神事めいた残酷さに貫かれている。あまりの痛ましさに、モチーフを探してみるも見つからず。これを作者が全て考えたのなら、立派な創作者。
ホラーの部類なんだろうとは思うけど
イメージが離れなくてざわつく。
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Posted by ブクログ
1994年~2011年の間に設けられていた、日本ホラー小説大賞・短編賞を受賞した作品を集めたアンソロジー。(自分にとっての)新しい作家に出会えることを期待して、手に取ってみた。
収録されているのは、以下の5作品。
・小林泰三『玩具修理者』(1995年・第2回)
・沙藤一樹『D-ブリッジ・テープ』(1997年・第4回)
・朱川湊人『白い部屋で月の歌を』(2003年・第10回)
・森山東『お見世出し』(2004年・第11回)
・あせごのまん『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』(2005年・第12回)
『玩具修理者』のみ既読で他4作は初見だったが、一番面白かったのはやはり『玩具修理者』。テキストから滲み出るグロさ、おどろおどろしさ、それだけに終始しないストーリーテリングと衝撃的な展開。間違いなく他よりも頭一つ二つ抜けていた。
『D-ブリッジ~』、『余は如何に~』は生理的嫌悪感に奔り過ぎて物語としての面白さがイマイチで、『白い部屋で~』は設定・展開的に十分に良作となる要素があったように感じたが、うまく魅せることが出来ておらず消化不良な読後感。『お見世出し』は作品としての完成度が高い優等生的作品だが、ちょっと優等生が過ぎたか、インパクトに欠けていた。
「やっぱり小林泰三は面白いな!」という結果に落ち着いてしまい、素敵な出会いは得られなかったが、めげずに次は集成2に当たろう。