浜たかやのレビュー一覧
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八犬士そろって戦う。もっとドラマチックかと思いきや結構普通な感じ。それまでバッサバッサと人を切っていたのに、最後はみな慈悲深く敵の大将も逃がしてやる。未来の和平への道を進むスタートとなる感じで話がまとまる。作者が「あとがき」で八犬伝や滝沢馬琴について解説してくれる。また、本書は原作になるだけ忠実に、でもおよそ7分の1の分量にするために、ストーリーを単純化させたり、エピソードを変えているところがあると。原作には約400もの人が登場するそうで、むー、原作を読んでみたいと思ったけど、なかなか手ごわそう。あとね、やっぱりルビがずうううっとふってあって、本当に読みやすかった。特に人物名、フと気付くと違う
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八犬士全員が登場した。特に今回は智の玉をもつ毛野と、礼の大角。大角は妻の雛衣がうっかり飲み込んでしまった玉がなぜか大きくなり妊娠していると勘違い…、悪霊に乗り移られた大角の父親に、胎児の生肝ほしさに切られてしまう…、それにより玉が大角の手元に戻るという、ものすごいストーリーなんだけど、さすが子ども向けだから、グロくない。あ、私がそう思うだけで子どもが読んだら、やはり怖くて縮みあがってしまうのだろうか?さて、そんなストーリーを読んだ翌朝、姿見に映る自分をみて、たまげた! まるで雛衣のように、玉が私の腹にも入っているようなのだ。ただきっと私の腹の中のは、犬士の玉ではない。だって大きすぎる。犬士の玉
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「ルビとイラストがついていて読みやすい」とあり、イラストはともかく、ルビは確かに読みやすかった。 中学生くらいの頃に『南総里見八犬伝』を夢中になって読み、「すごく面白かった!」という記憶はあるものの、登場人物名はおろか内容も言えなく、 本当によんだのか私?と自分を疑っていた。 今はガッツリ読む気力も体力もないのだけど、この度、ぼんきちさんが 子ども向けだけど良いよと紹介されいるのを見つけ、こりゃいいと読み出した。 いや、本当に読み始めてよかった。 面白い! 面白いし、今で言ったらスピリチュアル系。 そして人として大切なこと「義・忠・孝・信・礼・仁・智・悌」を知り。勧善懲悪(に今後の展開でなって
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最終巻。里見家を守る八犬士が、安房に攻め寄せる敵軍を打ち破り、物語は大団円を迎えます。表題の八百比丘尼は、玉梓の化身の妙椿という名の尼さんのことです。山賊上がりの悪漢に入れ知恵をし、里見家を襲います。ただ、この尼さんは悪漢の死とともに物語から途中退場してしまいます。最後は関東管領・関東公方の大連合軍と里見軍との海上戦となり、こちらの方がクライマックスのように思います。個人的には最後まで玉梓に頑張ってほしかったなぁ。憎たらしいほど&ぞっとするほど執念深くあってこその仇役だと思うので。巻末にかなり突っ込んだ(子ども向けだからと手を抜いた感がない)解説があり、おもしろく読めました。原文からの抜粋もあ
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八犬伝シリーズ三巻目。ブッククラブで送付されるシリーズ物は最初の巻だけ読み聞かせしてやって、後は子どもが勝手に読み進める(または2巻目以降には手を出さない)ことが多いのですが、このシリーズはやや難易度の高い単語が多いせいか、波瀾万丈故に一緒に盛り上がるのが楽しいせいか、ここまでずっと読み聞かせ。残るはあと1冊となりました。本シリーズもわかりやすくまとまっていて悪くはないのですが、どうせ読み聞かせるなら講談調でべべんべんて感じだともっと楽しいのかも。やっぱり原文も覗いてみたいような。玉梓が乗り移った妖婦が犬士たちの行く手を阻みます。表題は妖婦「三人」ですが、冒頭近くで登場する船虫の独壇場です。夏
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第一巻に続いて、二犬士が登場。伏姫のいいなずけであったゝ大(ちゅだい)法師と犬士たちが巡り会い、犬士たちも自らの宿縁を知る。残るは二犬士。敵との激闘をかいくぐり、犬士たちはこもごも運命の地、安房を目指す。前巻に増して血みどろ度全開。極彩色で派手な展開は、どこか、歌舞伎なんかに通じているような気がする。「重畳」「御意」なんていう大時代な言葉が出てくるのも楽しい。昨今、なかなか触れる機会がないし。子どもとの間で流行っているのは「御意」。「これって○○ってことだね?」「御意!」などと言って遊んでおります。「冥助」など、難易度が高くなると簡単な説明がつく。「冥助」は私も知りませんでした。勉強になりまし
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子どものブッククラブの本。
曲亭馬琴の一大スペクタクル。それぞれに不思議な玉を持つ8人の剣士(犬士)が因果に操られて巡り会い、悪と戦う物語。子ども向けに4冊に書き起こされたものの1冊目。そもそもの始まりである玉梓の処刑、伏姫が八房と山に籠もる顛末、8つの玉が飛び散る発端部から、犬士の犬塚信乃と犬飼現八が出会うまで。
第1巻では八犬士のうち、四犬士が登場する。悪人は悪人然とし(名前まで、蟇六だったり左母二郎(=さもしい)だったりわかりやすすぎ!)、善は善であり、また、可憐なものはあくまで可憐で清らか。血みどろの戦いもありで、血湧き肉躍る大冒険談。
*いや懐かしい。自分が子どもの頃、人形劇で