樋口武志のレビュー一覧
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様々な国の文化的な違いがビジネスにもたらす影響を8つの尺度で分解し、それぞれの尺度ごとの実例と対処法について述べている。
どの尺度においても、絶対的ではなく相対的な考え方をするのが重要だと筆者は説いている。
例えば、「説得」をする際に原理を優先するのか、応用を優先するのかで、オランダは応用優先、ブラジルは原理優先なのでオランダ人からすればブラジル人は「前提や理屈に重きを置く」ように思える。しかし、オランダよりも応用優先な国であるアメリカからすれば、オランダ人にも同様の印象を受ける。
こういった具合に食い違う尺度において、自国の相手国にどれくらい違いがあるかを認識して、適切な対処をするのが重要だ -
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同業の若いキャリアコンサルタントに、「何か読むべき本があったら教えて欲しい」と言われた。
瞬間、頭の中を何冊もの本がワサワサと駆け巡ったけど、照準が合ったのが、とりあえずこの一冊だった。
今流行りの「自己理解」が叫ばれる、ちょっと前の本。
自分を理解するために、ということが書かれているが、面談を仕事にしている私たちが、クライエントのために理解しておくとよい言葉が多く書かれていると思う。
あらゆる悩み事に必要な対処は、基本が、現状把握と自己理解であると私は思っている。
あのコンサルタントはこの本をどう読むか、どんな感想でも楽しみにしている。 -
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ネタバレサッカーファンでデータ分析が好きな人には最高の本。サッカー版の「マネーボール」。著者はケンブリッジ大学で物理学博士号を取得。ポスドクからサッカーデータ分析に進出しつつあったコンサルに転身(トッテナム・ホットスパーのサポート)、その後リバプールでデータ分析からリサーチ部門の責任者に。「マネーボール」と違いリバプールは弱小チームではないが優勝からは遠のいており、そこからデータ分析を用いて過小評価されている選手を移籍で獲得しチーム強化を図っていく。
著者の本書での目的は3つ。
1.フットボールにおける「データ分析の物語」を伝えること~著者自身の経験からデータ分析の進化とリバプールの成功を語ること
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1.
自己認識とは自分自身と他人からどう見られているかを理解しようとする意志とスキル
パターン…あらゆる状況で見られる思考や感情、行動の一貫した傾向
アラームクロックイベント(自分にとって、重要な真実に目を開かせてくれる出来事)
①新しい役割ルール
②激震
③日々のインサイト
ダニングクルーガー効果
自分は平均以上だと思うこと
過去の予測と実際の結果を比較検証する習慣
既によく知っている分野を学び続ける
自分の能力や行動のフィードバックをもらう
2
なぜではなく、何をすれば
日記をつけるのが正しいのではなく、正しく日記を付けることが重要
・ネガティブは検証、ポジティブは考えすぎない
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会社は何のために存在するのか?なぜ働くのか?を考えさせられました。
◾️パーパス(存在意義)とは
・パーパスと人こそが企業再生の鍵
・企業は人であり、従業員がどれぐらいエネルギーを持てるか。それにはパーパスが重要
・企業のパーパスはお金を稼ぐことではない
・金を稼ぐのは必須事項だが、最終目標ではない
・少数の頭の良い幹部が戦略と実行計画を立ててそれを従業員に指示し、インセンティブを使って意欲をかき立てるような古いトップダウン型の経営手法は機能しない
「愛していること」「得意なこと」「世界が必要としていること」「お金を得られること」4つが重なる部分がパーパス
・意味を見いだすと仕事のエンゲージ -
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グローバルビジネスを行う上で、異なる文化的背景を持つ人たちとすれ違いやストレスなく上手くやるにはどうするか。具体的な実例を折り込みながら書かれており、理論がすっと腑に落ちる。
ドイツ人は真っ直ぐに質問や批判をしてきて面食らってしまう。日本人って奥ゆかしくて、でも、控えめすぎて意見がないと思われてる。そんな経験ないだろうか?フィードバック、信頼関係、議論の仕方、時間感覚など各指標でその国の文化がどこに位置し、その相対的な位置関係をみることで関係性やその文化圏の人々から受ける印象を理解する手掛かりとする。
これは異なる文化圏の国を理解するのにも役立つし、応用すれば同じ国同士でも、あの人とはちょっと -
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ネタバレ「NO RULES」の中で言及されており、グローバルにはたらくうえで必読だろうと考えて手に取った。
異なる文化的背景をもつ国の人たちの考え方について学ぼうと思って読み始めたが、日本人の振る舞い、考え方についても理解を深めることができた。自分たちの文化を客観的に捉え、他の文化圏の人からどう認識されるかを前もって理解するのは自分たちでは難しいため、このような本でその点を学べたのもよかった。
結局のところ、相手を理解しようと思う気持ち、対話し、歩み寄ろうとする気持ちというのが、コミュニケーションをとる上で重要だと感じる。本書で学べる、文化間の考え方の傾向というのは、あくまでもそのコミュニケーションを -
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多様性を学ぼうシリーズ第4弾。異文化理解力をビジネスの観点で解説してくれる。この本の面白いのは、ビジネスに必要な8つの要素について、各国の比較をしているところ。8つの要素とは、コミュニケーション、評価、説得、リード、決断、信頼、見解の相違、スケジューリング。一例としてコミュニケーションの指標では、ローコンテクスト(シンプルで明確、額面通り)とハイコンテクスト(繊細で多層的、行間を読む必要がある)の分布があり、日本(ハイコンテクストの最たる事例)から見ると、欧米人は皆同じローコンテクストに見えるが、イタリア人は、アメリカ人が大切なことだからと何度も念を押すことを、子供扱いされていると憤る。もちろ
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「○○人は△△だ」という考え方は主語が大きすぎるし、個人の特性を無視して偏見に繋がる良くない考え方だ。
と思っていましたが、この本での私の一番の気付きは「物の見方・考え方それ自体に、自分が属する文化圏のフィルターが反映されている」という点です。
サブタイトルに「自分の」と含まれているのも、異文化理解において大切なことだと筆者が考えているからでしょう。
自分も相手も色付きのサングラスをかけていることを自覚し、互いの文化と個性を尊重しながらコミュニケーションをとることで、良好な関係とアウトプットを生み出せる。
いつかグローバルなチームを率いる立場になったら、また必ず読み直そうと思える良本で -
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白百合女子大学英語英文学科 上野由佳先生お薦めの一冊です。
~上野先生より~
異文化理解というと、相手の文化を私たちがどれぐらい理解できるか、との点だけに意識を向けていませんか?でも実際にはそれと同じぐらい、あるいはそれ以上に、自分の意見を異なる文化の人に理解してもらうことも必要です。では、そのためにはどうすればいいのでしょう。まずは文化によるコミュニケーションスタイルの違いを把握することが第一歩となります。これをわかりやすく解説したのがこの『異文化理解力』です。文化の差を「カルチャー・マップ」を使って可視化し、文化の見取り図を解説しています。読み進めると、「なるほど!やっぱりそうか」「え