中川千英子のレビュー一覧
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実際の出来事をもとに制作された映画のノベライズ。本当は映画を観てから読んだ方がいいのだろうけれど、映画が公開されるのは来月(二〇二五年十月現在)なので、こちらを先に読んだ。トランスジェンダー当事者としては、映画の中での扱われ方が非常に腹立たしく尊厳を傷つけられた『ミッドナイトスワン』(二〇二〇年)と、シスジェンダーの俳優ではなくトランスジェンダー女性の俳優を主演に据えて生活や心象を丁寧に描き出した『片袖の魚』(二〇二一年)を、まず思い出す。本作の価値はもちろん映画を観てみなければわからないのだけれど、このノベライズでは「幸せ」が大きなテーマになっていて、私は職場から自宅に戻る途中の通勤電車内
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中川千英子『ブルーボーイ事件』朝日文庫。
2025年11月公開の実話を基にした映画の小説版。文章が極めて簡潔なので読み易い。
様々な考え方があり、自分の考えを持つのことは自由であるはずなのに、今流行りのLGBTQを管理職の必須教育として強制されるものだから頭に来る。
今や世界でもLGBTQなる性的マイノリティの方々への認識は当事者にとって良い方向に変わりつつあるのだ。
個人的にはLGBTQなる性的マイノリティは非常に受け入れ難いことで、嫌いな人物ではあるのだが、米国のトランプ大統領の『世の中には男と女しか居ない』という発言にだけには同意出来る。
昔はゲイとかオカマと呼ばれる方々は日陰 -
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下巻の前半は、苦しい時代。
主人公たちだけが苦しいのではなく、日本そのものが苦しい時代。
歴史を知っている自分たちは、その後の結果を知っている。
それだけに、読んでいて余計に辛いのかもしれない。
一転、後半は、未来への道が続く。
その過程では、またも辛く苦しい時もあるが、みんなそれぞれが未来へと前進をする。
この一冊で、地獄へ堕ちたものたちが大地を見つけ、そこにしっかりと根を張る姿を表していたのかもしれないなー。と、読み終わって思った。
でも、やっぱり残念だなーと思うのは、場面転換のたびに、余韻がぶった斬られてしまうところ。
ドラマという映像をそのまま書き起こしたものだから、仕方がないとは思 -
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朝の連ドラのノベライズ本。主人公のマッサンと妻のエリー、一緒に国産初のウイスキー造りを目指す鴨居の物語。
マッサンは職人気質で日本でスコッチウイスキーを造ろうとした実直な男。一方、鴨居はなにわの商人で日本人に合うウイスキーを造ろうとしたやり手の男。目指すところは同じようであり、違うようであり、そうしたことが描かれている。どちらの考え方も正しいのだろうが、前者が最近の日本では見られなくなってきた。そうした姿を視聴者に示したいというのがNHKの考えか。
エリーのマッサンへの献身的な姿には心打たれるが、章ごとに愛情を確かめ合うというのもベタであり、それでもいい話でもある。 -
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コロナ禍で在宅勤務になり、初めてみた朝ドラ。
コロナ前は、朝ドラを見る時間は全くなく、興味もなかったのだが、在宅勤務で見られること、志村けんさんが出ること。で、見始めたらハマった作品。
この上巻部分は、撮影が遅延した影響で、2回、放送をしていた部分だったので、いろいろな場面を覚えていて、読みながら、俳優さんたちが頭の中でドラマを再現していた感じ。
自分は、早稲田の応援歌を作る件がすごい好きかな。
ただ、ドラマのシナリオを小説にそのまま起こしているためか、場面転換がバッサリと切られている印象。
ドラマを見ていたから、それについていけたけど。。
それが小説としては残念かな。。
なので★3つ。