藤本有紀のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
ドラマのノベライズ、しかも全五十話を四冊ですから、多少読み物としての物足りなさはあります。
それでも五十話まで読み終えた後は、ドラマ自体の最終回を見た時のような良い感慨に浸れました。
文章媒体の強み、人物の感情の補強や明示的説明、また伏線の示唆も見え、
「ああ、あそこはこういう意味だったのだな」と物語をさらに深く味わうことができました。
一方で「ここは役者さんは違う解釈をしたのかな?」と考察できる部分もあり、
私はそれもまた芝居の味と思う方なので、楽しめました。
またドラマにはない、ドラマにだけある、ドラマとはちょっと違う、といった台詞やシーンもあります。
ドラマ未視聴でどんな物語だったのか -
-
Posted by ブクログ
平清盛 一、
作 藤木有紀
平清盛 幼少期は、平太、元服を受け、平清盛となる。
彼は、養子として平忠盛の元で育つ。
王家の犬と呼ばれた平氏一族は、上皇の指示に伴い、海賊や盗賊を撃退する事が主な仕事であった。その為、血のにおいを体に漂わせることもしばしばあったとされている。
そんな中、海賊父親が殺されたがために、復讐をする息子が現れる。平清盛は、彼を倒し、仲間にする。
ところで、物語は、刃とのやり合いだけでなく、恋物語もある。
当時独特の歌で手紙をやり取りし、歯がゆい気持ちも多々出始めるが、平清盛は、紫式部の一族である明子と結婚をする。一方、平清盛の家臣である佐藤義清は、上皇の一族に恋をし、 -
Posted by ブクログ
2012年NHK大河ドラマ『平清盛』の
公式ノベライズ本の第一弾。
人物の描写が、非常に繊細で秀逸。清盛はもちろん、三上博司さんの鳥羽上皇など各人の葛藤や苦悩が良く伝わってきます。映像で早く観たくなります。
今までに無い新しい『清盛』像を感じられる作品になりそう。
個人的には、中井貴一さんの忠盛のゴッドファーザーぶり、伊東四朗さんの白河院の不気味ぶり、加藤浩次さんの兎丸の海賊ぶりも今から楽しみだ。
■印象に残る部分を以下抜粋
第一章P18
『子どもが遊ぶときは、時のたつのも忘れて、目の前のことに無心になりまする。生きるとは、ほんとはそういうことにござりましょう。うれしいとき、楽しいとき。また -
Posted by ブクログ
平清盛の完結編。
全般的に回想シーンが多いが、すべて清盛と後白河の双六として結びつける仕掛けがら、仕方がないのかもしれない。
鹿ヶ谷の陰謀、後白河幽閉、福原遷都あたりの、ジァイアンのごとく、政に豪腕を振るう清盛に、少しづつ違和感を覚えた。南都焼き討ちにしろ、このへんの印象が悪いので、清盛、平氏が、悪者として認識されてるんだろう。
重盛、宗盛、頼盛、経盛、忠清、時忠、頼政、他、などなど、この作品では、一から完結まで、登場人物の描写が繊細なで、各人に感情移入でき、それぞれの最期のシーンが描かれている部分はグッとくるものがある。
後白河と清盛のバランサーとして苦心していた重盛の不器用ながら誠