松本博文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
藤井聡太さんは、題名の「天才」という表現すら薄っぺらく感じるほど、飛びぬけた、至高の存在なのだなと分かる本。
色々な視点で記事が構成されるので、藤井さんの存在が多様な視点からつかめて楽しい。
・杉本師匠が出会いからプロになり突き進む9年間を語る
・未曽有の29連勝を1局ずつ見開き2ページで振り返る
・同世代の若手棋士たちとの関連
・羽生、渡辺など錚々たる方々の感想
杉本さんのインタビューを読むと本当に心のこもった交流をしているのだなと思う。
それでいて、身内としてベタベタ接するのでもなく、関係性も一定の距離感を持ち、一人の独立した人間として幼いころから藤井さんときちんと接しているのも大事 -
Posted by ブクログ
ネタバレ藤井聡太君のことはもちろん知っていましたがその凄さを全く
理解していなかったことを思い知らされました。
小学校2年生の息子が将棋をしているということもあり
藤井君みたいに育ったら良いなぁと思いながら手に取ったのですが
将棋界のことを一から解説してくれる良書でした。
ただタイトルからはどうしたら藤井君みたいな天才を育てられるのかが
書いてある子育てノウハウ本と勘違いしてしまう方もいるかもしれないので
注意が必要ですね。
それにしても14歳でプロ棋士になったことの何が凄かったのか
連勝記録がいかに桁外れのものであったのかということがよく分かりました。
私は将棋は趣味程度に少し指すくらいでほとん -
Posted by ブクログ
コンピューター将棋のドキュメンタリー。非常に面白かった。ちょっと考えれば分かることだけど、将棋の複雑なルールと指し手をコンピューターに覚えさせてオートで指させるのは難しい事だと思う。結局、プログラムは人間が組み上げるのだから、その人の設計思想が影響するのが面白い。個人的に一番面白いと思ったのが各駒に評価点を付けた事。歩が一番低くて飛車が一番高いのは素人でも分かるけど、各駒にそれぞれどのぐらいの差があって、何枚持っていたら価値が逆転するのかは分からない。そこを明確に点数を付けたのは画期的だと思う。
実は以前、格闘ゲームのキャラ調整をロジカルでうまく相対化して誰でもできるようにならないか、という事 -
Posted by ブクログ
棋士がコンピュータに敗れる日が来たのは、僕の予想より少し早かった。大方の現役棋士も、もう少しあとだと予想していたという。しかしさすがに羽生や森内は早くから、2010年頃には人間が敗れる日がくる、と予想していたというのは、単純に「さすが」と思う。
機械学習の仕掛けを導入した「Bonnanza」がエポックメーキングであった。
羽生、森内、渡辺が真剣勝負で指したらどうなるか、という疑問は、未だ残されてはいる。しかし、その後に何が残るのか、というコンセンサスなしには、将棋連盟もおいそれとは受けられないであろう。今後、将棋という空間の中で、人間の棋士 対 コンピュータ という勝負に意味があるのかどうか、