ヤン・チップチェイスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初めて訪れた土地では、現地の人々にとっては常識で気に留めないようなことでも、新鮮に感じることがある。新商品のデザインに必要なのは、このように物事を先入観に囚われずに「見る」ことであり、そのための手法や要諦を「デザインリサーチ」のプロが解説した一冊。
人々があるニーズを満たす際には「最低満足度」と「最高満足度」という二つの境界線に囲まれた「快適ゾーン」があり、これを「境界線マップ」として描くことで、新製品に対する受容度が予測できる。ここで重要なのは、境界線マップは人々が暮らす社会環境によって大きく異なることであり、それを知るために著者はリサーチのたびに現地で生活し、実体験から多くの知見を得てきたという。
ちょっとした所持品や日用品でも、「なぜ、それを持つのか」「なぜ、そのような使い方なのか」を問えば、人々の価値観に及ぼす社会からの影響がわかり、それらをさらに探求することで、商品やサービスの「本質」が見えてくる。成功するデザインに必要なのは、自分自身の「境界線」を客観的に認識し、それを越える勇気を持つことでもある。グローバルに活躍する著者ならではの経験値が詰まった良書。 -
Posted by ブクログ
今月のハーバードビジネスレビューの特集が「行動観察xビッグデータ」だが、その「行動観察」のプロが、日常見ているなにげないことから、ニーズをつかむ、まさに原題は『Hidden in plain sight』。日本に住み、行動観察していたとことで、事例でも京王線に乗っている人の一日の事例など、日本人の行動観察も多数。自分のなにげない行動が、世界の常識とは違うし、そこにチャンスがあるかもしれないと、思った。様々な国で観察しているからその違いに気がつくということもあるだろうが、私たちも、ちょっとニュートラルに観察してみると何気ない行動から、意外な発見があるかもしれない。
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Posted by ブクログ
原題は”Hidden in Plain Sight"。原題の方が内容に合っていると思われる。
世界各地域において行動観察を行うことにより、どんな状況においてもビジネスチャンスがある事を示唆している。
行動観察と言っても、他の人と同じ視点で観ていてはいけない。問題意識を持って物事を見る事により、疑問が生まれ、ニーズに結びつけることができる。
クリステンセンが「イノベーションのジレンマ」の中で、お客様が片付けたがっている”用事”に着目すべきと言っているが、本書の指摘はこれに近いものがある。どちらがより深いニーズに辿り着けるのか、あるいはどちらが取り組み易いのかを考え直してみたい。
何れにしても、シャーロックホームズも言っている様に、漫然と見ているだけでは駄目で、ちゃんと観察をしなければならない。すべては見ることから始まる。 -
Posted by ブクログ
様々な分野のプロたちが綴る、問題解決をテーマにしたインタビュー本。面白いなと思ったのは、ヤン・チップチェイスの話で、あるルワンダの女性が電気が通ってからというもの自分の家にはアイロンがあるということを魅せつけるために、外出の頻度が高くなったというもの。表面的に見栄えのするものを消費者は買い、自分の社会的地位を高めているのだ。企業側は消費者の内面を知り、純粋な動機や欲に焦点を当てて商品を生み出すべきだ、と彼は語る。政治や流通など、様々なものはトップダウン方式で一般人に還元されるので、我々が”バカ”であればあるほどトップ側は得をするという現状を改めて知り、純粋に怖いと思った。
また、アニタ・エルバースの話では、スターバックスがコーヒー1杯に4ドル払うことを普通だと感じるよう消費者を訓練した一方、音源1つに彼らは1ドルかけることに抵抗を感じていることを例に取り、顧客が「もう少し安くあるべき」と感じる産業は、その産業自体が危機にあると見なければならないとしている。スターバックスが消費者を訓練したという表現が新鮮である一方、的を得ていると感じた。1企業が消費者の価値観を変えうるという非常に興味深い事実である。
全体を通して、インタビュアーの質問は的確で、彼ら(?)の知性をのぞかせている。おそらく、この原版は韓国のものであり、日本とズレた質問や例が散見された。ウォンを日本円に換算するぐらいはしてもいいのでは?と思った。