小島信夫のレビュー一覧
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購入済み
面白い
幸か不幸か小職に伴侶はいませんが、
こりゃあ面白いですね。
夕方から酒でも飲みながらのどやかに読んでますが、笑いが止まらねえ。
ドフトエフスキーさんの引用とかもあって、積読してるから読むかねとか思いました。
ゆるゆる楽しみたいと思います。
お好みで。 -
Posted by ブクログ
昨年5月の不忍ブックストリート『一箱古本市』で、100円で購入した一冊。昭和50年6月発行の十刷。
王道的なレビューとすれば、「戦後」「アメリカ」「風刺」あたりのキーワードを使うということになるのだろうが、ワタシにはもうとにかく"イタイ"短編集という印象が強烈に。何が"イタイ"って、登場してくる男たちがのきなみイタイ。発言、態度、行動…どれを取っても、思わず「アイタタタ…」と突っ込みたくなるようなものばかり。例えば、このイタイ男たちはひたすら依存する。妻へ、愛人へ、物へ。そして、ブンブン振り回される。
ただ、思わず笑ってしまうおかしさがあるのは確かなのだ -
Posted by ブクログ
今考えると、小島信夫が大手新聞の朝刊にこの小説を連載していたという事実じたいが恐ろしい。『抱擁家族』の続編で、八十歳を越した小説家がアルコール依存症の息子と健忘症の妻との間で右往左往する話だが、例によって物語の結構は「作者であるところの小島信夫」によってぐちゃぐちゃにされている。虚実を隔てるべき門はつねに少しだけ開いていて、そこから魔物が出入りするように、雑多な情報が現れては消えてゆく。その出入り方も不気味だが、すべての情報は「小島信夫」の脳内を通過しているために微妙なずれが生じ、その微妙なずれが波状に重なり合いながらこちらへ押し寄せて来る感じがたまらない。最後はまるで主人公が自分の小説に復讐
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Posted by ブクログ
どの作品も一貫して主人公は無様だ。
同情を誘う可愛らしい今風の無様、ではなく、きっと物心ついたときからすでにこういう扱いを受け続けてきたんだろうなと想像できるような無様。そこに戦後の、否が応でも自尊心を意識せざるを得ない流れがやってくるからさらに厄介。
「アメリカン・スクール」、「汽車の中」、「星」、「微笑」の感想は上記のような感じ。
どの作品も私好みの奇妙さと哀惜を湛えていて面白く読んだけど突出して良かったのは「馬」かな。
結局よく読者も主人公もよくわからないまま終わる。真相はおくさんだけが知ってるんだけど。こういう話が一人称で語られるとすごく怖いです。最近見つかった安部公房の未発表作品の「 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小島信夫『アメリカン・スクール』(新潮文庫)に収録されている短編『馬』が非常に面白かったため、『馬』を長編小説に発展させた『抱擁家族』(講談社文芸文庫)を読んだ。何かを象徴しているのだろうと思わせる箇所はいくつかあるのだが、それが何を象徴しているのか複雑でひどく難解であった。登場人物も狂っている。だが、その狂いの中には、人間の本質的な事柄が描かれているように感じた。何度も読み返したい本だ。今回は第1回としてサラッと振りかってみる。
家族の関係性を主題とした小説である。講演、翻訳で生計を立てる主人公の三輪俊介とその妻の時子、息子の良一、娘のノリ子、家政婦のみちよ、三輪家を出入りしているアメリカ