小島信夫のレビュー一覧

  • 実感・女性論

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    購入済み

    面白い

    幸か不幸か小職に伴侶はいませんが、
    こりゃあ面白いですね。
    夕方から酒でも飲みながらのどやかに読んでますが、笑いが止まらねえ。
    ドフトエフスキーさんの引用とかもあって、積読してるから読むかねとか思いました。
    ゆるゆる楽しみたいと思います。
    お好みで。

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    2025年12月02日
  • アメリカン・スクール

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    なんの前情報もなしに読んだけど、面白くてびっくりした。特に『小銃』『星』『馬』が好きです。『馬』ではうだつが上がらない男が妻に対して色々思うとこがあり不満などを漏らしてるけど、どうせこんなヘンな世の中なんだから咎めることできないよね~とか言っちゃうあたりがこの男の魅力を最大限引き出してる気がする。
    そう思うと、どの作品の登場人物もみんな特徴的で面白い。

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    2025年01月24日
  • 人間喜劇

    購入済み

    まだ途中までしか読んでいませんが、これは今の世の中に必要な小説だと感じます。毎日一章ずつ読むのが楽しいです。

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    2023年10月18日
  • 抱擁家族

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    『アメリカンスクール』の煮詰まった文体から力が抜け、以降小島信夫の作品を彩るのはのらりくらりと抽象的でどこか滑稽な語り口。
    転換点とも言える本作の、シリアスな内容なのに笑えてしまうギャップが最高に面白い。

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    2022年09月08日
  • アメリカン・スクール

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    文は恐らく綺麗とは言えず、悪文寄りだが“凄み”のある非常に特殊な作家。
    戦後特有の暗い雰囲気に包まれている本作だが、とにかく言語化が難しい魅力がある。
    芥川賞受賞で有名な本作だが、是非他作の魅力も感じて欲しい。

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    2023年08月16日
  • 月光・暮坂 小島信夫後期作品集

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    「ちなみに今長々書いてたのは嘘です。」みたいな感じで締めたりする、ルール無用な一冊。
    読者の事は一切考えていないが、独特の叙情と滑稽さを感じれる個人的小島信夫の良いとこが詰まった名刺的一冊。

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    2022年09月03日
  • アメリカン・スクール

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    昨年5月の不忍ブックストリート『一箱古本市』で、100円で購入した一冊。昭和50年6月発行の十刷。
    王道的なレビューとすれば、「戦後」「アメリカ」「風刺」あたりのキーワードを使うということになるのだろうが、ワタシにはもうとにかく"イタイ"短編集という印象が強烈に。何が"イタイ"って、登場してくる男たちがのきなみイタイ。発言、態度、行動…どれを取っても、思わず「アイタタタ…」と突っ込みたくなるようなものばかり。例えば、このイタイ男たちはひたすら依存する。妻へ、愛人へ、物へ。そして、ブンブン振り回される。
    ただ、思わず笑ってしまうおかしさがあるのは確かなのだ

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    2018年11月18日
  • アメリカン・スクール

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    戦後間も無くの空気感を孕んだ小説は、今と価値観自体が違っていて面白い。
    〝その中〟での情動が面白い。
    いい作品は、それがとても生々しく読める。
    中でも『微笑』が凄い。
    こんなに抉られる小説は他に無い。

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    2018年09月23日
  • アメリカン・スクール

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    2009年2月20日~23日。
     参ったなぁ、といったところか。
     人によっては「下手な文章だなぁ」と思われるかもしれない。
     そんな文章がこれほどに心に響いてくるものとは。
     八篇の短編集。
     そのどれをとっても面白い、どれをとっても胸に迫ってくる、どれをとっても考えさせられる。
     もっと早く知っておくべきだった。

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    2024年11月20日
  • 抱擁家族

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    興味を持つきっかけは、福田の採点本。その後もあちこちで賞賛のコメントを見かけ、これは是非読んどかないと、ってことで。『仮往生~』のことがあったから、読むまではちょっと不安だったけど、こちらは良かったです。家父長たる威厳を示したいけど、だんだんそういう風潮でもなくなってきている父親の葛藤とか、一歩下がって支えたい願望もありながら、米人の乱入とか自身の闘病とかでそれどころじゃなくなった母親とか。あくまで会話分を中心に、そこから色んな情景が浮かび上がってきて、読み心地も良好。なかなかに素敵な読書体験でした。

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    2017年12月11日
  • 抱擁家族

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    主人公がほとんどわけのわからぬ周囲の言説に振り回され、さらに自身の言動に対してすら実感が薄くなる、この愉快な狂気が実に優れている。

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    2017年05月23日
  • アメリカン・スクール

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    微笑が気に入った。外向きには良い父親を演じながら、誰も見ていないところで、何もわからぬ不具の息子への加虐欲求を満たす。根底にあるのは同族嫌悪であり、息子を痛めつけながら、自身の痛みを楽しむ。この気持ちがよくわかるのは自分もそうだから?

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    2017年02月27日
  • アメリカン・スクール

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    表題の「アメリカン・スクール」のほか「汽車の中」「鬼」「微笑」「馬」「小銃」がいいです(てか、ほとんどじゃねぇか)。

    作中の主人公達には閉鎖的な劣等感を宿しています。
    その劣等感は何に対する物なのか?
    敗戦後のあの時代の社会に蔓延した物なのか?
    普遍的な物か、個人的な物か?

    価値観が根底からひっくり返ったあの時代、戦後の日本人が抱えていた不安がヒリヒリと伝わってきます。
    自己の中で囲い込みくすぶり続けた劣等感の解放する術をしらない主人公達は、いったいどこに向かうのでしょうか。

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    2016年08月30日
  • 城壁/星 小島信夫戦争小説集

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    ネタバレ

    どの話もヘンなのです。読んでいてとても居心地が悪いのです。それはおのれの思考の常識からの逸脱を忌避するからであろうか。でも作品はそんなことはお構いなしに、どんどん荒唐無稽の様相を呈してきます。そして作品の不可思議な魅力に私の常識も搦め取られてしまい、読み終えるころには脳に若干のむず痒さを残しながらも小島作品の中毒患者になるのであります。

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    2016年04月02日
  • アメリカン・スクール

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    表題作は、アメリカンスクールに見学に行く英語教師たちの滑稽譚。アメリカ人相手に、英語を話せば日本人でなくなってしまうが、英語を話さなければ、劣等民族のように扱われるという矛盾した立場に彼等は立っている。いくら英語がネイティブのように話せても、日本人は、立小便するし、箸で弁当を食べるし、ハイヒールより裸足が似合う。おそらく教養では、アメリカ人にまさるところもあるのだが、文化的な洗練や、豊かさでは、到底かなわない。英語だけ上手くなって、近代化したと勘違いすることの恥ずかしさが、容赦なくえぐり出されている。

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    2014年11月12日
  • アメリカン・スクール

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    なんとも言い難い読後感。これは明らかに、巻末で作家の保坂が述べているように、その独特の文体によるところが大きい。もちろん、主題も特異だ。しかし、その主題の特異性を醸し出しているものが文体だと言える。そして、さらに言うならば、その文体を生んでいるのは、小島信夫の、世界を分節化する思考法そのものの特異性なのだ。流麗な文章を書く作家はあまたいるが、彼のような語り口を持つ人は稀有だ。読みづらいので引っかかる。腑に落ちないので心に澱む。すごい作家だ。

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    2013年10月23日
  • うるわしき日々

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    今考えると、小島信夫が大手新聞の朝刊にこの小説を連載していたという事実じたいが恐ろしい。『抱擁家族』の続編で、八十歳を越した小説家がアルコール依存症の息子と健忘症の妻との間で右往左往する話だが、例によって物語の結構は「作者であるところの小島信夫」によってぐちゃぐちゃにされている。虚実を隔てるべき門はつねに少しだけ開いていて、そこから魔物が出入りするように、雑多な情報が現れては消えてゆく。その出入り方も不気味だが、すべての情報は「小島信夫」の脳内を通過しているために微妙なずれが生じ、その微妙なずれが波状に重なり合いながらこちらへ押し寄せて来る感じがたまらない。最後はまるで主人公が自分の小説に復讐

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    2014年07月07日
  • アメリカン・スクール

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    どの作品も一貫して主人公は無様だ。
    同情を誘う可愛らしい今風の無様、ではなく、きっと物心ついたときからすでにこういう扱いを受け続けてきたんだろうなと想像できるような無様。そこに戦後の、否が応でも自尊心を意識せざるを得ない流れがやってくるからさらに厄介。
    「アメリカン・スクール」、「汽車の中」、「星」、「微笑」の感想は上記のような感じ。
    どの作品も私好みの奇妙さと哀惜を湛えていて面白く読んだけど突出して良かったのは「馬」かな。
    結局よく読者も主人公もよくわからないまま終わる。真相はおくさんだけが知ってるんだけど。こういう話が一人称で語られるとすごく怖いです。最近見つかった安部公房の未発表作品の「

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    2013年09月06日
  • アメリカン・スクール

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    「どうしてなの。私いや?
     今日は足きれいよ。
     どこかまだよごれているとこある?
     よごれているだけできたなくないの。
     ねえ」


    自分がこの息子の父ではなく、
    隣家のおじさんであって、
    崖の上からでも眺めていて、
    美しい情景を見て、涙を流す立場なあったら
    どんなにいいだろうと。

    (汽車の中/燕京大学部隊/小銃/星/微笑/アメリカン・スクール/馬/鬼)

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    2013年05月24日
  • 抱擁家族

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    ネタバレ

    小島信夫『アメリカン・スクール』(新潮文庫)に収録されている短編『馬』が非常に面白かったため、『馬』を長編小説に発展させた『抱擁家族』(講談社文芸文庫)を読んだ。何かを象徴しているのだろうと思わせる箇所はいくつかあるのだが、それが何を象徴しているのか複雑でひどく難解であった。登場人物も狂っている。だが、その狂いの中には、人間の本質的な事柄が描かれているように感じた。何度も読み返したい本だ。今回は第1回としてサラッと振りかってみる。

    家族の関係性を主題とした小説である。講演、翻訳で生計を立てる主人公の三輪俊介とその妻の時子、息子の良一、娘のノリ子、家政婦のみちよ、三輪家を出入りしているアメリカ

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    2013年03月01日