戸部けいこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自閉症の光君が5年生の後半を生きています。6年生への進級,そして一年後に迎える中学校への進学を前にして,小学校入学当時のことをふり返るお母さん。辛かったけれども,父と協力し,まわりの人に助けられてここまで来れたことに感謝しています。
学校内では,相変わらず無理解な保護者もいますが…。それでも前向きに生きようとする母親の姿は心を打ちます。
一方,ネグレクトや養護施設でのいじめも問題として取り上げています。さもありなん,暴力の連鎖が怖いです。
『光とともに…』は,いよいよ最終となりました。小学校6年生を描いて終わりなのかな。それとも,中学校進学までの話になるのでしょうか。大人になった光に会えるのかな。楽しみです。 -
無料版購入済み
考えさせられる
ドラマがとても良かったので原作はどうだろうと読み始めました。
自閉症とは、どのような症状なのかを初めて知ることができた作品です。 -
Posted by ブクログ
光くんが5年生から6年生になるこの巻。
序盤ではすっかり光君や美羽ちゃんたちに理解の深まった郡司先生が
1年生のときの光くんにわざとではないとはいえ
大怪我をさせてしまったことを謝るシーンがあった。
幸子が光くんの焼いたクッキーなどを退職祝い(?)として渡したとき
郡司先生が「光くん、クッキーの型抜き上手なのよね」と
サラリと言って喜んでいて、あんなに対応に苦慮していた郡司先生が
光くんを自然に褒められるまでその立場に立ってくれる先生に
なったのだなぁと、感動した。
春休みは、おひさまハウスで過ごしたり、お父さんのCMで一悶着あったり(笑)
さらには、新しいあさがお教室の担任と顔合わせ。
若い男性の赤松先生というひとだった。
本田さん(美羽ちゃんのお母さん)の第一印象、知識と好奇心が先立っていて
実際の子どもの姿を見られていない
その立場に立つことができていない、というものが
見事に的中してしまったようで(4人の子どもを教えるだけだから楽勝なんて……)
新学期は光くんたちにとってかなり負荷のかかる環境で始まってしまった。
あさがお教室には新しく、(読み書きの)LDのつばさくんと
アスペルガーとADHDを併せ持つと思われる井口くんが編入してきた。
井口くんが物を散らかしたり空想にふけって赤松先生の注意がきこえなくて
赤松先生は井口くんを怒鳴りつけてしまう。
それがもう連日、繰り広げられるものだから、みんなにとってストレス。
保護者会で、赤松先生のいう「子どもたちの問題行動」について
その意味、どう対処してほしいか……を幸子や本田さんが伝えてみても
それはわがままや甘えと一蹴される。
つばさくんのお母さんはLDの知識がまだなく、井口くんのお母さんは
そもそもあさがお教室に入ったことに納得がいっていない。
しかし、つばさくんは、幸子がスーパーで彼のお母さんと偶然に会って
つばさくんの言う「字がおだんごみたいに見える」という言葉から
LDという概念を教わり、確定診断を受けるところまでに至った。
それでも赤松先生はとりつく島なし。
結局つばさくんは、別の読み書きの学習に力を入れているところへ転校した。
赤松先生を見ていると、知識があることと、理解できていることは
本当に全く別のことなのだなぁと痛感させられる。
わかった気になって、知識だけで接して、相手につらい思いをさせていないか。
対人援助職のひとは、特にそこを考えてほしいな。
そしてもうひとつ、今回よかったのが
本田さんのお母さんとしての顔の成長ぶり。
美羽ちゃんのことを(勉強が苦手だった自分より)もっとわけのわからない世界で
生きている、それはどういうことなのだろうと思いをはせたり
授業参観のとき「あさがおを色紙で作りましょう」という赤松先生の課題で
混乱した井口くんに、「真似っこでいいんだよ」と教えてあげたり。
美羽ちゃんのことも、他の子どものことも、大切に接する姿に感動した。
そしてこの巻は、光くんはいまの学区にいちばん近い中学に通う2人組に絡まれ
たまたま通りかかった石田くんに助けられるも、石田君はジュースの缶で殴られて
鼻血を出してしまうという、不穏な終わり方だった。 -
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光くんが自立登校にチャレンジするシーンから始まる8巻。
5年生も終わりになってきて、自立登校ができるようになったり
郡司先生も7巻で発達検査をしてくれた心理士からアドバイスを受けて
光くんや美羽ちゃんとの関わり方、授業の進め方も
ふたりに合わせたものになってきたり
いい方向へとものごとが展開していく巻だった。
それでもやはり問題提起を忘れないのがこのシリーズ。
沖くんという以前登場した、両親からネグレクトされて
施設に行くことになった男の子が再登場する。
光くんが寄り道して帰りにクリスマスツリーを眺めていたら
沖くんはそっと光くんの側に現れた。
幸子が、光くんの帰りが遅いとそこにかけつけたとき
沖くんとも再会するが、どうも様子がおかしいので、病院へ連れていく。
すると、入所先で、年上の男の子たちから暴力を受けているため
肋骨にヒビが入っていることがわかった。
でも、報復が怖い沖くんは、住所もでたらめを書いて
そっと病院から逃げて帰ってしまった。
それをきいた雅人は、仕事の合間におそらくここに沖くんがいるであろうと
見当をつけた施設を訪問する。
そして、沖くんは暴力を受けていることを頑張って告白し
児童相談所の職員を雅人は呼び、沖くんは入院することになった。
沖くんが去ったあと、施設では現場を最も取り仕切っている男性職員が
沖くんに暴力をふるっていた男の子を金属バットで殴るという
虐待を行っていた。
それを見ていた他の女性職員が児相に内部通告して
施設は立ち入り調査が入ることになる。
他はほのぼのとした話が多かったかな。
海七太くんが急に転校することになり、落ちこむ太田さん。
それでも、最後の荷物をとりにきた海七太くんと少し話ができて
ちょっとだけスッキリしたみたいでよかった。
沖くんたちの気持ち、読んでいて本当につらくなった。
なんで自分を産んだのか、こんなにつらいのは自分が悪い子だからなのか。
子どもだから、余計に自分を責めるしか方法がなくなるのだよね。 -
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冬休み、光くんと電車で出かけた先で
偶然結婚式場にいる青木先生と若林先生を見かけた幸子。
ふたりは「光くんがキューピット」と言ってくれ
若林先生が担任しているクラスの子どもたちだけでなく
光くんと美羽ちゃんも、披露宴に招待したいと言ってくれる。
冠婚葬祭に「どうしたら参加できるか」という視点で
(特に夫側の)親族から配慮してもらえなかった幸子は
とてもよろこんで、披露宴への参加を決める。
披露宴当日も、凄腕のボランティアの渋沢さんや
手つなぎペアの石田くんたちが子どもたちの世話をしてくれ
幸子も本田さんも久しぶりにリフレッシュできていた。
ネズミ―マーチを披露宴で子どもたちが踊ったときは
青木先生も男泣きしていた。
いろいろ工夫して、ふたりの子どもたちに関わってきたからこそ
こみあげるものがあったのだろう。
ただ、同じ小学校の教師が結婚となると
当然異動の話が出てくるわけで、青木先生がいなくなるということに
披露宴の帰り、幸子と本田さんは気づく。
そこからふたりは教育委員会にまで押しかけて
青木先生を異動させないでほしいと騒いでしまったりと
しばらくはその事態を受けいれられずにいたが
青木先生が板挟みで苦しむだけだと気づき
また、今の校長先生なら誠意ある対応をしてくれるからと
感謝して見送ろう、という結論に達する。
そして、辞令がおりた終業式後に青木先生は
家までスムーズな引き継ぎのために挨拶にきてくれた。
しかし、校長先生が急病で亡くなってしまい
あさがお教室の先生は郡司先生になり
教室の位置も予告なく変更されてしまう。
郡司先生はASDに関する知識がなく、また子どもたちの特性を
わがままととらえてしまい、光くんも美羽ちゃんも
パニック、問題行動の連続の日々を送ることになる。
それでも、家庭訪問や
手つなぎペアの子たちと交流する姿を見たをきっかけに
郡司先生も、少しずつ考え方が変わっていく。
ある日、疲れた郡司先生が自分で肩を叩いていたら
光くんが先生の肩を叩いてくれ、郡司先生の幸子たちへの態度も軟化する。
長期休みの間、光くんが常同行動を行うことや
こだわりが強くでる場面
変化を受けいれるのが苦手で、幸子にもテレビ番組の変更を
何度も確認する場面などが興味深かった。
落ちつくからといって
ずっとこだわりに寄りかからせるわけにもいかないし
変化したものを戻すことも難しいわけだから
それを受けいれる努力が光くんたちには求められてくる。
その塩梅が難しいなぁと。
それでも変化を受けいれるキーワードを見つけたり
少しずつ「苦手」を克服しようとする光くんの頑張りが印象的だった。 -
Posted by ブクログ
青木先生のもとだと学校生活が多少は安定するのか
時の流れがとてもはやい巻だった。
主なできごとは
ひな祭りパーティー、美羽ちゃんの登場、トマトの写真撮り、そして沖くんの登場。
花音ちゃんの公園でのお友だち家族に誘われて
よその家での「ひな祭りパーティー」に参加するも
光くんと花音ちゃん、ふたりのお世話でいっぱいいっぱいになり
光くんのお手洗いの要求に幸子がすぐに気づけず
おもらしをしてしまった光くん。
そんな様子を見た友だちの家族は
「花音ちゃんを光くんに託せる」からよかった、という旨の
発言をしてしまい、幸子を傷つけてしまう。
また、4年生になった光くん。
ASDの本田美羽ちゃんが入学してきたり、手つなぎペアの石田くんと
毎日プチトマトの水まきと写真撮影をしていたりしたが
石田くんは毎日のことなので、少しお疲れモードに。
そんな中、ある日、大雨なのに光くんはひとりで畑に行ってしまい
気づいた石田くんがかけつけたときには雷が落ちてきた。
さいわい、雷に打たれることはなく、石田くんも下校するときには
トマトのつぼみを若林先生が発見する。
それを見て、これからも頑張ろうと決意する石田くんと
ぶじに決まった日数の写真を撮り終えた光くんは
学校の発表会であさがお教室のカレー屋さんの発表会に臨む。
光くんも美羽ちゃんも、一所懸命に発表を頑張っていたが
ちょっとしたできごとで、ある男の子(沖くん)が
光くんをからかうヤジをとばし、石田くんが壇上で激怒した。
それでも動じず発表を続けた青木先生だが
一緒に参観にきていたお義母さんが校長先生に少し
きつめに苦情を言ってしまったことを幸子が家で
ふと口にしたことがきっかけで、雅人の機嫌は悪くなる。
こうしたことの積み重ねで、「私の人生っていったい」と
思うほど疲れてしまった幸子だが
ちょっとした笑いの中に癒しがあるのだと気がつき
また毎日を「今日も元気に」頑張り始める。
そして光くんは、遂にひとり登下校にチャレンジするも
あちこちでアクシデントを起こしてしまう。
一方で沖くんは、お母さんに家出され
完全なネグレクトされた状態に陥ってしまう。
沖くんの家に光くんは換気扇を見たくて
ときどき遊びにきていたこともあって、光くんは
沖くんに追いかけてもらうことができたものの、ふいっと
ひとりで電車やバスに乗って、遠くまで行ってしまう。
そんな沖くんを、「障害のある子を連れまわすなんて」という目で
見ていた保護先の人に、迎えに行った雅人や青木先生が
「追いかけてくれたはずです」と説明してくれたことで
沖くんも少しは報われたのかな。
お父さんもお酒の飲みすぎで倒れてしまい、沖くんは
養護施設に行くことになった。
沖くんは光くんが羨ましかったのだと言い残して
施設へと預けられた。
この巻でよかったなぁと思うところは多々あったけれど
2巻で「要求を正しくだす」ということが課題だと言われた光くんが
「ブラシ(ブラッシング)してください」と
言えるようになったところは、わたしもうれしかったな。
成長はゆっくりに見えても、光くんも他の子どもたちも
すくすく育っていく、みんなで育てあっていく
そんな希望がもてるようなエピソードが多い1冊だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ8~11巻一気読み。ついに光も中学生に。郡司先生がせっかく慣れたと思ったら、またいけ好かない先生に当たって、ほんと親って大変。子供たちはもっと大変か。自閉症だけじゃなくて、ADHDや学習障害も出てきた。学習障害の子はほんと大変だよな。知的の遅れがない分、誤解されることが多いだろうに。高次脳機能障害まで出てきた。すごいね。しかし、お父さんの作ってるしいたけ・香ちゃんのにおいが光がだめだとは・・・。お父さん残念。就職は違う道になるのか。しかし、11巻の最後は浮気疑惑で夫婦げんかになるんだけど、結局お互い反省して、相手を思いやって、本当に立派な人たちだ。こんな前向きで思いやりのある人たちがいるなんて。昔のお父さんの態度からは信じられないね。