戸部けいこのレビュー一覧
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ネタバレ本巻が最終刊。だが,話は光くんの中学校2年生の夏休み明けで終わってしまう。それは,作者の戸部けいこさんが,連載途中で亡くなってしまったからだ。享年52歳。あまりにも若すぎる死である。
第29話と30話(最終話)は,「ネーム」(ペン入れ前の構想ノート)が紹介されている。そして30話で完結するような展開になっている。さすがプロ魂だ。病床でここまで描き上げたことに脱帽するだけだ。
母親幸子の最後の心の言葉がジーンとくる。御法度だが,ここに書き写しておく。
光がわたしに教えてくれたこと
それは起こってしまったことは変えられないけど
自分と明日は変えられるってこと
自分が変われば
相手も変わるか -
Posted by ブクログ
少し離れた中学校に進学した自閉症の光くん。登校には,小学校のときには経験していないバスに乗るので,しばらくの間,お母さんと一緒に登校をする。母親は,就学前と比べられないくらい余裕をもって,この新しい環境への適応のための方法を考え出している。なにげなくやっていることだけど。
が,しかし,妹も我が子。子ども2人を抱え,家事,そして仕事もしながらの生活が続くと,だんだんとストレスがたまってくる。そういう時に限って,日ごろのモヤモヤが言葉となってほとばしることもある。後悔先に立たず。夫もしっかり一緒に子育てしているんだけどね。
それにしても,人って,こうして成長していくんだよなあ。さまざまな大人 -
Posted by ブクログ
家には9巻までしかなかったので,てっきり9巻で終わりかと思っていたら,なんとも中途半端。そこでググってみると,なんと15巻まで出ているではないか。神さんが昔読んだ本だということで,途中で読むのを止めたらしい。仕方ないので,15巻まで手に入れることにした。で,10巻目。
光くんは,いよいよ6年生になる。当然,次は中学校。どこの中学校に進学するのか,またまたご両親はいろいろと悩み,奮闘する。
新しい担任は,若い元気な男性。やる気満々なのだが,それが空回りすることが多い。教師としてのプライドもあり,若い教師が陥りがちな姿をうまく描いているように思う。
いつの時代にも,事なかれ主義の意見が強く -
Posted by ブクログ
自閉症の光君が5年生の後半を生きています。6年生への進級,そして一年後に迎える中学校への進学を前にして,小学校入学当時のことをふり返るお母さん。辛かったけれども,父と協力し,まわりの人に助けられてここまで来れたことに感謝しています。
学校内では,相変わらず無理解な保護者もいますが…。それでも前向きに生きようとする母親の姿は心を打ちます。
一方,ネグレクトや養護施設でのいじめも問題として取り上げています。さもありなん,暴力の連鎖が怖いです。
『光とともに…』は,いよいよ最終となりました。小学校6年生を描いて終わりなのかな。それとも,中学校進学までの話になるのでしょうか。大人になった光に会