Posted by ブクログ
2017年07月04日
光くんが自立登校にチャレンジするシーンから始まる8巻。
5年生も終わりになってきて、自立登校ができるようになったり
郡司先生も7巻で発達検査をしてくれた心理士からアドバイスを受けて
光くんや美羽ちゃんとの関わり方、授業の進め方も
ふたりに合わせたものになってきたり
いい方向へとものごとが展開していく...続きを読む巻だった。
それでもやはり問題提起を忘れないのがこのシリーズ。
沖くんという以前登場した、両親からネグレクトされて
施設に行くことになった男の子が再登場する。
光くんが寄り道して帰りにクリスマスツリーを眺めていたら
沖くんはそっと光くんの側に現れた。
幸子が、光くんの帰りが遅いとそこにかけつけたとき
沖くんとも再会するが、どうも様子がおかしいので、病院へ連れていく。
すると、入所先で、年上の男の子たちから暴力を受けているため
肋骨にヒビが入っていることがわかった。
でも、報復が怖い沖くんは、住所もでたらめを書いて
そっと病院から逃げて帰ってしまった。
それをきいた雅人は、仕事の合間におそらくここに沖くんがいるであろうと
見当をつけた施設を訪問する。
そして、沖くんは暴力を受けていることを頑張って告白し
児童相談所の職員を雅人は呼び、沖くんは入院することになった。
沖くんが去ったあと、施設では現場を最も取り仕切っている男性職員が
沖くんに暴力をふるっていた男の子を金属バットで殴るという
虐待を行っていた。
それを見ていた他の女性職員が児相に内部通告して
施設は立ち入り調査が入ることになる。
他はほのぼのとした話が多かったかな。
海七太くんが急に転校することになり、落ちこむ太田さん。
それでも、最後の荷物をとりにきた海七太くんと少し話ができて
ちょっとだけスッキリしたみたいでよかった。
沖くんたちの気持ち、読んでいて本当につらくなった。
なんで自分を産んだのか、こんなにつらいのは自分が悪い子だからなのか。
子どもだから、余計に自分を責めるしか方法がなくなるのだよね。