Posted by ブクログ
2017年05月18日
青木先生のもとだと学校生活が多少は安定するのか
時の流れがとてもはやい巻だった。
主なできごとは
ひな祭りパーティー、美羽ちゃんの登場、トマトの写真撮り、そして沖くんの登場。
花音ちゃんの公園でのお友だち家族に誘われて
よその家での「ひな祭りパーティー」に参加するも
光くんと花音ちゃん、ふたりのお...続きを読む世話でいっぱいいっぱいになり
光くんのお手洗いの要求に幸子がすぐに気づけず
おもらしをしてしまった光くん。
そんな様子を見た友だちの家族は
「花音ちゃんを光くんに託せる」からよかった、という旨の
発言をしてしまい、幸子を傷つけてしまう。
また、4年生になった光くん。
ASDの本田美羽ちゃんが入学してきたり、手つなぎペアの石田くんと
毎日プチトマトの水まきと写真撮影をしていたりしたが
石田くんは毎日のことなので、少しお疲れモードに。
そんな中、ある日、大雨なのに光くんはひとりで畑に行ってしまい
気づいた石田くんがかけつけたときには雷が落ちてきた。
さいわい、雷に打たれることはなく、石田くんも下校するときには
トマトのつぼみを若林先生が発見する。
それを見て、これからも頑張ろうと決意する石田くんと
ぶじに決まった日数の写真を撮り終えた光くんは
学校の発表会であさがお教室のカレー屋さんの発表会に臨む。
光くんも美羽ちゃんも、一所懸命に発表を頑張っていたが
ちょっとしたできごとで、ある男の子(沖くん)が
光くんをからかうヤジをとばし、石田くんが壇上で激怒した。
それでも動じず発表を続けた青木先生だが
一緒に参観にきていたお義母さんが校長先生に少し
きつめに苦情を言ってしまったことを幸子が家で
ふと口にしたことがきっかけで、雅人の機嫌は悪くなる。
こうしたことの積み重ねで、「私の人生っていったい」と
思うほど疲れてしまった幸子だが
ちょっとした笑いの中に癒しがあるのだと気がつき
また毎日を「今日も元気に」頑張り始める。
そして光くんは、遂にひとり登下校にチャレンジするも
あちこちでアクシデントを起こしてしまう。
一方で沖くんは、お母さんに家出され
完全なネグレクトされた状態に陥ってしまう。
沖くんの家に光くんは換気扇を見たくて
ときどき遊びにきていたこともあって、光くんは
沖くんに追いかけてもらうことができたものの、ふいっと
ひとりで電車やバスに乗って、遠くまで行ってしまう。
そんな沖くんを、「障害のある子を連れまわすなんて」という目で
見ていた保護先の人に、迎えに行った雅人や青木先生が
「追いかけてくれたはずです」と説明してくれたことで
沖くんも少しは報われたのかな。
お父さんもお酒の飲みすぎで倒れてしまい、沖くんは
養護施設に行くことになった。
沖くんは光くんが羨ましかったのだと言い残して
施設へと預けられた。
この巻でよかったなぁと思うところは多々あったけれど
2巻で「要求を正しくだす」ということが課題だと言われた光くんが
「ブラシ(ブラッシング)してください」と
言えるようになったところは、わたしもうれしかったな。
成長はゆっくりに見えても、光くんも他の子どもたちも
すくすく育っていく、みんなで育てあっていく
そんな希望がもてるようなエピソードが多い1冊だった。