野中邦子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
貧困を終わらせるなんて言葉、よほど頭がお花畑な夢想家しか使わないだろうと思っていた。
国際政治の最前線で貧困国の課題に尽力する人たちの成果も見ないまま、一体何を知った気になっていたのだろう。
2000年に国連総会で宣言されたミレニアム開発目標から15年。世界は大きく前進した。
・1.25ドル未満で暮らす人々の割合は世界全体で36%→12%。開発途上地域では47%→14%
・世界の識字率は83%→91%
・幼児死亡率は1270万人→600万人
・妊婦死亡率は45%減少
・HIVの新たな感染は40%減少
・オゾン層破壊物質は98%が除去
・安全な飲料水にアクセスできない人の割合は9%に減少
・開 -
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Posted by ブクログ
ヘンライ先生白熱教室。
著者はアメリカ19~20世紀の画家、教師。
多くの有名アーチストに影響を与え、アメリカでは今だに読み続けられているバイブルのような本らしい。
内容は具象絵画に関してではあるが、とても具体的、かつ本質的。今でも通用することが多い。
伝えたいことを持っているかどうか、それを表現するための画面構成が重要であることを繰り返し述べているのが印象的。
また、自分自身の表現を徹底して追求せよとも。
アートを学ぼうと思う人にはおススメ。
先生が叱咤激励してくれる。
ただ、このようにな勉強をすれば、アートで食べていけるようになるという話ではなく、先生自身が副業を勧めているのにちょっと笑え -
Posted by ブクログ
デヴィッド・リンチやキース・ヘリングらも愛読したという芸術指南書。原書は1920年代に発行されているというのだから、いままで邦訳されていなかったのが不思議なくらいだ。
肝心の中身はというと、芸術指南書というよりは人生哲学書と言った方が適切かもしれない。絵画だけにとらわれず、彫刻・写真・詩など、あらゆるジャンルの芸術に通じるものがある。見方によっては芸術の枠を飛び出し、仕事や人生一般にも関連する。
いくつかの手紙や講義ノートを寄せ集めて出版された本であるため、ヘンライの述べていることはいくぶん重複するが、その主義主張は一環している。
「芸術を学ぶ者は最初から巨匠であるべきだ。つまり、自分ら -
Posted by ブクログ
芸術指南書として読み継がれている本らしいけど、芸術におけるさまざまな視点から一貫して自己教育について書かれていると感じた。自分自身からの学びが重要であると。個人はどうしたって“私”からでしかありえないのだから、そのスタートはもっともだ。
モチーフ(動機)があってこそ、全体は意味をなす。そして、見ることをおろそかにせず、営みをよく観察すること。それなくして技法ばかりを追い求めても、つまらないものにしかならない。芸術に限らずあらゆることに共通することだろう。
「自分自身の正直な感情を大切にし、見過ごさないこと。」
自らの想像力を信頼してこそ、幸福、叡智に触れることができるのだ。
何度でも読み返した -
Posted by ブクログ
◯ 私たちの世代がなすべきことは、最低ラインにいる人びとが極度の貧困から抜け出して経済開発の梯子を自力で昇れるように手を貸すことである。(76p)
◯それ以来、私は何が必要かという点だけを明瞭にし、「政治的に可能」かどうかは気にしないようにした。(200p)
◯中国の中央集権機構(中略)は、つねに分散し変化してゆく市場経済のダイナミズムとは相容れない(294p)
★著者は学者として成功を収めただけでなく、政府顧問として南米、東欧、ロシア、中国、インドの経済開発でも成果をあげた。しかも冷戦が終結し、共産圏が市場経済へ移行する難しい時代に。そんな著者がアフリカの、そして世界の貧困をなくすため -
Posted by ブクログ
1347年からヨーロッパを襲った黒死病に関する一代絵巻的な書。中世ヨーロッパの終焉を齎らしたとも言われるペスト流行時の状況を、主にイタリア、フランス、イギリスについて、同時代人による年代記や書簡、回想録といった文献資料に拠って、ビビッドに描いていく。
特に、第十章「ユダヤ人大虐殺」の章は、読んでいて苦しくなってきた。人は見えないもの、理解できないものに対して耐えきれず、何かに原因を求めようとする。反ユダヤ感情の下地があったところに、原因が分からない恐怖が火を付けて、ユダヤ人が悪者にされてしまった。コロナ禍の今、幸いなことにそこまでの事態にはなっていないが、心すべきことであろう。
ただ