野中邦子のレビュー一覧

  • アート・スピリット

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    「美術館のある国が、すなわち芸術的な国というわけではない。だが、芸術の魂があれば、美術館には貴重な作品があふれるだろう。さらによいのは、創作の喜びが生まれることだ。芸術は均衡、秩序、相対的な価値観、成長の法則、簡潔な生活に向かおうとする──それは関係するすべての人びとにとって幸せなことである。  芸術を学ぼうとする人びとの苦労は並大抵のものではない。それに向きあう勇気とスタミナをもつ人はめったにいない。いろいろな意味で、孤立することを覚悟しなければいけない。人は共感を求め、仲間をほしがるものである。一人でいるよりも、仲間といるほうがずっと楽だ。だが、一人になって初めて、人は自分をよく知り、成長

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    2025年06月23日
  • 万博と殺人鬼

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    シカゴ万博が始まる前の状況から実現、開催中、後始末まで、
    建築家バーナムを軸にしながら、多くの人の目線で淡々と描く。
    並行して描かれるのは、期待の殺人鬼、H.H.ホームズの人生。
    強烈な光と陰の移り変わりが印象的。
    大阪万博が開催されている今、万博の本来の意味や価値も考えさせられた。

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    2025年06月03日
  • キッチン・コンフィデンシャル

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    ワイルドな料理人の裏世界。
    精液とドラッグと喧嘩、
    それから今にも香りが漂ってきそうな美味しそうな料理への執着。

    表現が綺麗ではないので好み分かれる作品かと思いますが、僕は好きです。w

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    2023年06月11日
  • キッチン・コンフィデンシャル

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    いつだったかにABCでオススメされていてずっと気になってたキッチン・コンフィデンシャル。爽やかなカバーから想像できない、良い意味で暑苦しくてエネルギッシュな著者の人生と料理人の世界が描かれた本だった。

    物語のような自叙伝のようなルポのようなビジネス書のような啓発本のような…一言で「こういう本!」って言ったりジャンルでまとめるのが難しい。(語彙がないだけ説)
    著者含め料理人たちのはちゃめちゃな生き方働き方が沢山出てくるけど、その中に筋の通った確固たるものが見えて、料理人同士にしか分からない料理への愛情、絆、料理人としての生き方、哲学、世界があるんだろうなと思った。

    読めば読むほど著者の料理や

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    2021年08月21日
  • キッチン・コンフィデンシャル

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    ニューヨークのレストラン事情に精通した、現役のシェフでもある筆者がその内情を暴露したルポルタージュ。また、幼少期から現在に至るまで、筆者自身が魅了されて止まない「食の魔力」を軽妙な筆致で描いていく自伝小説でもある。危険で、妖しくも魅力的な食を巡る物語に、ただただ没入せざるを得ない。

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    2015年08月26日
  • 貧困の終焉

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    ネタバレ

    開発経済に関心のある人には必読だと思います。米国人でこれだけものを分かっている人がいるというのは、一種、救いではあるのではないかと。

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    2015年01月20日
  • アート・スピリット

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    twitterのjackさんの記事に載ってた本。まだ最初の10ページしか見てないけどアツすぎてやばい。

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    2013年12月01日
  • アート・スピリット

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    なぜ一世紀近くも翻訳されなかったのか。ヘンライ氏の文章はまるで読む絵画である。「自分らしさにおいては誰もが巨匠」と説き、表現への情熱が芸術を生む。塊(マッス)という構図において形体や線、色すべては表現欲求を満たすために疎かにされるものではないと力強く語りかける。

    プレゼンの参考のために読んだが、技術を身に付けると表現が巧くなるのではなく、表現したいものがあるからこそ技術を習得するのだ、という言葉はなるほどと思わされた。当たり前だが忘れがちなのはソフトを使いこなしても本当に伝えたいものでなければ何の意味もないということ。

    なお本書はヘンライ氏の手紙や講義を集めたもので、全体を通して多少散漫な

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    2013年02月22日
  • アート・スピリット

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    美術家を志す人の為の自己啓発本。

    すごい、すごいです。私が美術大学浪人時代1年悩み続けた絵画と私のありかたの問題とその答えが、本書では最初の方のほんの数行でまとめられてたりしました。
    もっと早く出会いたかったですが当時の私が本書の言いたいことをどれだけ理解できたかは難しいと思ったり。

    あとがきの話の中にデヴィット・リンチのことが少しだけ入っててそれだけでも一人で大喜びしてしまいました。
    少しでも巨匠と同じものに触れたい気持ちでしょうね。

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    2013年01月30日
  • アート・スピリット

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    パンチラインのツルベ打ち。
    美術の本だけど、もっと普遍的な見方をすれば
    今でも十分通用する。下手な自己啓発よりも濃厚。

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    2012年12月09日
  • アート・スピリット

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    絵画を描くにあたっての、方法や技術を導入として、
    絵画という表現を、
    いかにしてモデルやモチーフを目で見てとり、
    いかにして表現すべき線や球体や色彩を駆使して、
    いかにして自分という媒体を通じて表現するのか、

    技術はもとより、自分の魂や本性さえも
    表現の手段や前提であると気付かされた。

    自分の起こす表現や、そもそもの生き方や
    常日頃の考え方に、何かしらのきっかけが必ず見つかると思う。
    美術や芸術を志す人だけでなく、あらゆる人に読んでほしい。

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    2012年11月05日
  • アート・スピリット

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    たくさんのアーティストを育てたというロバート・ヘンライの言葉を集めた本。本を読むとき心に響いた箇所に付箋を貼り、あとで書きとめたりしているのだが、今回は早々に断念した。付箋を貼る箇所が多すぎる。
    力強い数々の言葉は揺れ動いている若い魂の栄養となり、そのあとの人生をずっと支え続けた事だろう。
    この人から直接教えを受けられた人々は幸運だと思う。けれどこの世には本というものがあり、見ぬ世の人を師とすることも出来るのだ。まことにありがたい。

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    2012年08月10日
  • アート・スピリット

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    画学生への指南書。でもこれは、芸術を志す者すべてに向けられた言葉であると思う。
    芸術は、とても個人的な感性という少しあやふやなところのあるものの上に成り立っている。それは芸術を志す者の心をくじかせる原因ともなる。でも。
    ここで強く、「でも」と言いたい。それでも芸術を志向したい自分がここにいるのだ。そしてこの本は、その勇気をくれる。

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    2012年05月21日
  • アート・スピリット

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    まっとうなことを熱く語ってくれる。
    わかってたはずだけど忘れちゃうこと、揺らいじゃうことを呼び覚ます。
    体系だった本じゃないけどそれゆえの強さがある。

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    2012年04月29日
  • アート・スピリット

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    大分時間がかかったけれど読み終わった。
    美術史は全くわからないし、正直著者も知らなかったりする。
    美術的な技巧に関する記述については、率直に言って素養がないのでわからなかったが、著者の、世界の見方、あるいは"スピリット"というのは、必ずしも画家ではなくても通じるところがあると思う。
    著者自身、「型にはまったものだけが芸術といわれるのはどうか」という疑問を投げかけている。一事が万事、この調子である(笑)
    原書の刊行は、1923年。
    初の邦訳が2011年。
    どうしてこの本が、90年もの間、邦訳で出なかったのか、不思議に感じる。
    美術を学ぶ人にとってどうかは正直わからないけれど、

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    2012年04月14日
  • アート・スピリット

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    美術について特に興味があるわけでも、知識があるわけでも無いので、著者が教え子に語っているスケッチや色の塗り方など技術できなことについては読んでいてもいまいちピンと来なかった。
    しかし、著者が教え子に語る言葉は情熱的で読んでいると少しやる気をもらったような気がした。

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    2011年11月07日
  • アート・スピリット

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    アメリカのアート学生のバイブルとされる本だが、絵画についての構図と構成の重要性、「部分は構成の一部として捉えるべき」といったアドバイスは、アート以外の自分の仕事にも当てはまりそうで興味深く読んだ。
    長らく名著とされているが、それだけメッセージの熱さに普遍的に刺さるものがあるということだろう。
    シンプルな装丁も素晴らしく、まさしく書棚に飾っておきたい1冊。

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    2025年11月06日
  • アート・スピリット

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    デイビッドリンチの本「大きい魚をつかまえよう」にこの本が出てきて、とても影響を受けたとのことで読んだ。

    本人が書いた本ではなく、授業を受けていた生徒とかが書き留めていた彼の言葉集
    なので、具体的に「色彩とは〜」「背景とは〜」と話している時もあるし、一文だけの名言のようなのが並べてあるところもある。

    「あらゆる人間の中に芸術家がいる」ことがもっと広まるべきである/よき絵は良い人生からとれる果実のようなものである/画家が感じ、思っていることは何らかの形で絵筆にあらわれる。世界の何者もそれを妨げられない/独創性は絶対にあるものであり、むしろ振り払おうと思ってもできない/芸術の源流や動機は個人の思

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    2025年04月28日
  • 万博と殺人鬼

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    エリック・ローソン『万博と殺人鬼』ハヤカワ文庫。

    2006年に文藝春秋より単行本で刊行された『悪魔と博覧会』を改題、文庫化。660ページ余りの読み応えのある、エドガー賞犯罪実話部門受賞の犯罪実録ノンフィクション。

    『万博と殺人鬼』という、アメリカの光と影を連想させるタイトルが興味深い。

    シカゴ万博という華やかな大イベントの準備が進められる中、その影で活気に沸くシカゴに仕事を求めてやって来る若い女性たちを巧みに誘い、自身が造った秘密の建物の中で行われる猟奇殺人と遺体の隠蔽を行うシリアルキラー。しかし、彼の残虐な殺人行為は次第に綻びを見せ始める。


    1890年代初頭のシカゴ。建築家ダニエル

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    2024年08月02日
  • キッチン・コンフィデンシャル

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    テンポよく気取らない文体に魅了される。
    料理人どころか、一流の文筆家といったところ。
    海外っぽい装丁も好み。
    キッチンコンフィデンシャルって海外ドラマを見たことがあったけど、これが原作なんだろうか?
    そんな気がする。

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    2020年09月21日