スティーヴン・J・ダブナーのレビュー一覧
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#インセンティブ次第でヒトの行動は大きく変わる
名前こそ『ヤバい経済学』だが、カテゴライズするとすれば心理学や行動経済学だと思う。
ヒトは無意識のうちに何かしらの「報酬」を期待して行動していることを再確認できる一冊。 `インセンティブ` とは 「ヒトにいいことをさせ、もっと悪いことをさせないようにする方法」と定義してある。
保育園に遅れてくる親から罰金をもらう話や、相撲の八百長の話。
そして、クラック売りの密売人に迫った臨場感溢れる分析は痺れる。
組織の福利厚生や社会福祉制度にも、もちろんインセンティブが設計されている。
制度を利用させることで、設計者が利用者に望んでいることが垣間見 -
Posted by ブクログ
ネタバレ銃とプール危ないのはどっち?
相撲の力士は八百長なんてしない?
学校の先生はインチキなんてしない?
ヤクの売人がママと住んでいるのはなぜ?
出会い系のサイトの自己紹介はうそ?
ウィキペディアは信頼できる?
アメリカで170万部を売り上げたベストセラー本です。
経済学といえばこの本というくらい有名な本です。
この本の内容の一部に、アメリカの「ティーンエイジャーの殺人の件数の発生率」について少し取り上げていきたいと思います。
これについて詳しく説明すると、ある専門家は10年以内ティーンエイジャーの殺人の件数の発生率は良くて15パーセント、
悪くて100パーセント上がるといわれていま -
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Posted by ブクログ
一言で言うと、人はインセンティブで動く。もう一言付け足すならば、直観に反していたとしても、それは見えなかったインセンティブが働いていたせい。
前著とテーマは変わらずネタが増えただけだが、そのクオリティに劣るところはない。テレビの普及により進む女性の社会進出、女性の社会進出による教師の能力の低下、酔っぱらい運転と酔っぱらい歩きの危険性の比較、売春婦のインセンティブと政策の失敗、テロの経済的効率と統計によるテロリストの見つけ方、選択バイアスを除外した医者の評価方法、地球温暖化とエコ信仰、売春するサル。
どれも一級の面白さであるが、どれか1つを勧めるならば、間違いなく地球温暖化の章を選ぶ。なるほどと -
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Posted by ブクログ
・前作「ヤバイ経済学」の計量経済学(統計分析)のテイストが面白かったですが、今作ではそこに行動経済学テイストが加わり更に楽しめました。
・独裁者ゲームの実験結果に対する「人には思いやりの心(利他性=不合理性)がある」という一般的な解釈に対して、観察者の存在が被験者の行動を歪めている可能性を示唆し、やっぱり「人はインセンティブに反応して行動する(合理性)」という主張は、とても新鮮に思えた。
(この変の話は、「観察(の為の光)が、観察対象の微小な粒子に影響を与えてしまう」という量子力学を彷彿とさせて興味深い)
・腎臓移植の為の臓器売買市場を作るという(経済学者が好みそうな)案はアメリカでは否 -
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Posted by ブクログ
負の外部性の話。
全体として負であることがわかっていても、個々の人間の行動を改めさせることは難しい。
温暖化の話は面白い。
外部性により、一人一人の行動は小さいものでも70億人分のコストとなり重くのしかかる。
また例え温室効果ガスの排出をやめても経済への打撃がすごいだけではなく、即効性がない。
さらに気候には責任の所在をつけにくい。
つまりやめるインセンティブがないに等しい。
一方、温暖化の対処法もありそうで、亜硫酸ガスを成層圏に放出するだけで解決する見込みが高い。
止め方がわからないのではなく、止めたくないから温暖化は進行しているらしい。 -