菊池光のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
10−11
調教師の父親が入院し、素人の息子ニールが、一時的にあとを継がなければならなくなる。マフィアのボスの息子アレサンドロは騎手になりたがるが技量が不足。父親はどんな手を用いても息子の望みをかなえようとする。
アレサンドロは自立の道を選ぶが…
父と息子の葛藤二組。
「「父は、私に、すべてを与えた。」
アレサンドロが父親のことを言った。私なら、自分の父について、なにもあまり与えられなかった、というにちがいない。そして、私は、アレサンドロが愛や憎しみを通じて、一度として彼の父親に感じたことのない感情を、自分の父親に抱いた。
それは……冷淡な無関心であった。」
佳作です。