小林源文のレビュー一覧
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待望の独ソ戦電子書籍版の続刊
小林源文先生の独ソシリーズの第4段です。今回はスターリングラード戦後のドイツ軍の危機〜マンシュタインの反撃〜ハリコフ(ハルキウ)奪回〜ツィタデル作戦の生起、といった所がカバーされています。
文書だと分かり難かった所も先生の漫画で読むとわかり易かったりもします。独ソ戦の流れを把握するには最適の一冊です。しかも大変リーズナブルな価格(クーポンを使えばさらにお得)で読む事が出来るのは大変喜ばしい事です。
このシリーズはパウル・カレル氏の著作(氏の著作物は最近では資料的価値に乏しいとの評価になっていますが)を下敷きにして書かれている事がみてとれますが、冷戦崩壊後に発表された新資料に基づいて描かれている -
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ありえたかもしれない恐怖
左派政権が成立した途端、日本を急襲したソ連軍!それをただ黙認(というか事実上の歓迎)する内閣に対し、勇猛果敢な自衛隊員達はどう出るのか?というお話。
現実や責任に押しつぶされそうな指揮官達とは対照的に、「よくわからんが、やったるで!」と学生ノリな一部隊員たちなど、クスリとさせられる場面もある。
今では突拍子もない話に思えるが、ソ連が絶好調だった冷戦期、もし極左勢力が国政を握っていたら十分起こりえた話であろう。まだ中共は元気だし、これを読んで危機感を持っておくのもいいかも。 -
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貴重な日本産ケモ漫画、ベトナム戦争版鳥獣戯画の最終巻です。
とうとう最終巻なのですが1~3巻を通してスピードというか盛り上がり方がほとんど変わらなかったのが、まるで一種の伝記のようでした。加えてこの巻には様々なあったかもしれない事項(日本の自衛隊派遣、アメリカの小型核使用未遂)が当たり前のように練りこまれていて、注意してみないとそれが本当にあったことのように思えてしまう所がこの漫画の凄いところなのではないでしょうか。漫画でこの表現をするとは…小林先生…侮りがたし!
自分的な見どころは、日本から来た佐藤中尉らの白兵戦のシーンとパッキー達が小型核を配置する任務を途中で放棄するところです。前者は単 -
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日本漫画史上まれにみる全篇ケモノの戦記ものの第二巻です。
相変わらずケモいです。しかも一巻よりみんなかわいくなってます。小林先生流石です。
この巻は内容的に兵士たちの精神的な面が多く描かれる傾向があり、様々な人物の戦う理由が垣間見える場面がチラホラとあります。『戦争と一つにくくったとしてもその中には、思想的な戦いもあれば金目当て・財産を守るための戦いもある。つまり戦争はただの思想のぶつかりあいなどではなく、様々な人間の思惑が交錯する人間ドラマなのである』というのがこの巻のサブテーマなのではないかと思ってしまいました。
特にラッツが帰省した話では、アメリカ軍人たちの切なさがにじみ出てきていて、 -
Posted by ブクログ
戦争系の漫画に定評のある小林源文先生が送り出した全篇ケモノだらけの鳥獣戯画的戦記漫画。この漫画では登場人物たちを動物(アメリカ人…兎 ベトナム人…猫 ロシア人…熊 日本人…猿 など)になぞらえており一見するとファンシーでコミカルな印象を受けますが、中身はベトナム戦争そのまんまの戦記もの。可愛い顔してやってることは人間の生々しさ丸だしという所にセンスと皮肉が光る秀逸な作品だと思います。
アメリカ軍偵察チーム「cat shit one」のリーダー、たれ耳ウサギのパッキーが渋くて可愛くてかっこいいです!もうモフモフしたい!下膨れの黒ウサギ、ボタスキーも人間くさくてヘタレで可愛い!ラッツも真っ白なあ -
Posted by ブクログ
キャラクターがウザギや猫ですが、かなりリアルな劇画戦争漫画です。
冷戦中、ベトナム戦争下。
アメリカ軍非公式斥候部隊の隊長:パッキーをはじめ、ラッツ、ボタスキー(ここまでウサギ)、そしてアメリカに協力している、現地の少数民族出身の傭兵:チコ(猫)の戦いの日々が描かれています。
キャラクターは可愛いけど、色々考えさせられますね。
チコのような傭兵は、【表向きには】存在していなかったそうです。まあ戦時下の軍隊なんかそんなもんだと思いますが。
そして今でもその爪痕は残っているし、アメリカに加担した少数民族は迫害の対象になっているんですよね。
言葉は悪いですが、使い捨て、みたいな感じですよ;ω; -
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渋い面白さ。
現在、Vol.2まで買いました。各99ページ。テーマを大東亜戦争に絞った読み物です。
メインコンテンツは、文字量の多さから漫画というよりは「挿絵付き戦記」という趣。ガッツリとした読み応えがあります。文章ばっかり追わず、絵もちゃんと見ようね。
その他、号によって多少変わるようですが、軍装についての写真入りコラム、小林氏の過去作、その他のコラム、合間合間に猫の四コマなどを連載しているようです。
お値段はそこそこしますが、氏の根気・情熱、そして膨大な作業量を考えれば、十分お安いのでは? -
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戦争記として良
戦争はメディアを通して体制も反体制も美化されますが、これは良い意味で美化されてます。
作者もこだわって遠近感を表現する作画をしていますが、スキャニングが粗く欄外の脚注が読みにくい。
それが残念。
でも読む価値はあり。