木俣冬のレビュー一覧
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リッチマン、プアウーマン
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Posted by ブクログ
少し前にドラマを観た後、ノベライズの存在を知り購入。
ドラマでも特有の典型的な設定や誇張された表現に共感性羞恥を覚えつつ見ていたが、ノベライズでも忠実に再現されていてドラマのシーンが思い浮かんだ。
やはり映像と音声があるドラマと文章だけで伝えるノベライズは領分が違うため、ドラマを観た後だから伝わるものの、観ていないとわかりにくいシーンや表現が所々あった。
悪女、というより自分だけで世界が完成してる視野が狭い人たちという印象が大きい。他人を蹴落として自分がのしあがろうとする野心の表れかもしれないが、他人が自分より先に行くのが許せない足の引っ張り合いという方が正しいかもしれない。そうじゃなくても単純に自尊心ばかりが膨れ上がった人たちの集まりには違いない。
私はドラマを観ている途中から名作映画「プラダを着た悪魔」とどこか似たものを感じ取ったが、ファッション誌という舞台以外は共通点は感じなかった。
主人公ちなみが、最初は健気に懸命に、後半になるにつれて強かに仕事をこなすようになっていった姿を文章で読むことができたのは純粋に嬉しかった。このドラマの中のようなあからさまな人間こそなかなかいないかもしれないが、ストレス社会の中で生き抜いていく様子は観ている人にとって共感を覚えやすくとっつきやすい。
個人的には、ドラマで登場したオフィスやバーの景観が好きだったので、それを文章でどこまで表現されているのか期待していたのだが、やはり主題はヒューマンドラマのためそのへんは省略されていて少し残念。 -
Posted by ブクログ
演出家・蜷川幸雄の晩年のエッセーと談話。
1章は過去に『マグナカルタ』という雑誌に掲載された(おそらく)エッセー。
2, 3章はインタビューや談話。
4章は、木俣冬さんによる蜷川幸雄の人生の振り返り?(ぼくにはちょっと難しく、いまいち内容がわからなかった)。
もっともよかった節は、第1章の「演劇こそが世界をまるごと表現できる」。
そもそも、この本を手に取ったきっかけは、いくつか舞台を見ながら「演劇の本質って身体だよね」と思ったことだった。この本の著者蜷川幸雄も、身体をすごく大事にしているようで、女優宮沢りえのよさも「新しい狂気の身体」との出会いだと表現していたりする。
「絵をやっていた頃のぼくは、自分の生理とタブローが一致せず、どんなにギューッと描きつけても、ただ汚い絵しかできないことに悩んできましたが、演劇だったら、走ったら一発で生理が表現できると思って、演劇に興味を持ちました。」
「演劇は、俳優がいきなり、ウアーッと客席を走り回ったら、それだけで生々しいものが生まれるんです。」
演劇は、俳優の身体を介して〈生〉を表現できる。日本を代表する演出家がそういったことを述べているのを拝見し、少し嬉しくなった次第だ。
あと、蜷川幸雄はやはりいろんな作品を知っていて、話の中にたくさん作品名が出てくるので、それに圧倒されるのもこの本の楽しみ方かもしれない。 -
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