山と溪谷社のレビュー一覧
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日々、仕事に忙殺され、理不尽な目に遭い何のために働いているんだろう・・と仕事に疲れてしまった時に、ふと山の雑誌に掲載されていたので買って読んでみた。なんと心が洗われる思いのした事か。心がすーと癒された事か。
山を自然を人をこよなく愛し、人生を山に捧げた山小屋の小屋版の方々。人が大勢押し寄せるアルプスの小屋もあるし数日に一度のみという地方も様々。共通しているのは自然に対する畏敬の念や謙虚な心と山に来た人を暖かく迎えてくれる心。自然の事を気遣いどうしたらエコにできるか、設備をどう維持していくか、おいしい料理をどうするか、冬の間どうメンテナンスするか。いろいろ思い悩む様子などが簡潔にエッセイとしてま -
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ネタバレ昨年秋の「御嶽山噴火」にまつわる証言を『様々な方向』から集めた一冊。
『様々な方向から』と強調したのは、いい意味でも悪い意味でも。地学的な目線から見れば「規模の割には多くの目撃者と被害者のいた自然災害」ですがその割にはその災害の詳細は語られない。一方、にわか登山家の端くれとしてその「語りたくない気持ち」も少なからず理解できる。
その中で、あえて語って下さる人からの証言を、記憶の風化しないうちに記録した。それは非常に価値のあることで、そこで語られていることにどこか統一性というか方向性に欠けることもある意味では利点だとも言える。「こうしておけばよかった」という結論がなかった、少なくとも半年やそ -
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ネタバレタイトル通り。感情的になることなく、淡々と起こったことを記録している第一章「ドキュメント 御嶽山の十日間」から始まり、「七つの証言」「科学的考察」「救助現場からの報告」の四章で構成されていて、読みごたえあり。何かと言うと犯人探しやスケープゴートを探しがちな報道とは違い、まさに知りたいことをまとめてくれた本だった。生死を分けたのは「運」なんだなー。誰に降りかかるかはわからない。科学的考察の「防災学から考える」で平山教授が書いていた「登山者には登る山の歴史を紐解いてみることをお勧めしたい」はすべての防災に繋がる言葉だなと読み終えてしみじみ感じた。最後にサバイバーズ・ギルトについての対処法まで掲載さ
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「天災は忘れた頃にやって来る」とはよく言ったもの。しかしここ数年、忘れない、傷が癒えないうちに大規模災害が立て続けに起きている印象がある。東日本大震災以降、神経過敏になっているのだろうか。
御嶽山の噴火災害、実は少し前から火山性微動が観測されていたのだが、それを結果的に兆候と捉えることができなかった。東日本大震災の時も、本震の数日前から津波注意報を含む海底地震が頻発していた。もっとも、自然の世界で規定外の数値が観測されても、それが前兆なのか収束するのかは非常にシビアな判断を求められる。折しも観光シーズン、山への立ち入りを制限し、結果何も起きなかったら観光地としての打撃は大きい。
噴石 -
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昨年9月27日に起こった戦後最大の火山噴火災害となった御嶽山の噴火。それから3ヵ月以内に、このような貴重な記録が出版されたことに、大いなる敬意を抱く。
本書の構成は以下のとおり。
①発災後の事象や対応の時系列(いわゆるクロノロ)
②被災者の体験談
③科学的解説
④救助現場からの声
このうち①や②(や④)がメインと考えてよく、大変に意義深い。災害対応に携わりうる者としても、大変に意義深く、是非よく読んで考察すべき。
どういう対応があり得るのか(あったのか)、どんな危険があり、何が生死を分けたのか、といったことが生々しく(そして①ではとても淡々と)語られ、これらを感じ取ることで糧に出来る部分が -
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『山のリスクマネジメント全体像が掴める良書』
TJAR選考会対策(ファーストエイド対策)として読む。
イラストも入っていて、分かりやすい&得るものも多く読んで良かった( ̄∇ ̄)
噂通りの良書だと思う。
〈詳細〉
part1、登山のプランニング
4、リスクマネジメントとは「危機管理」のこと、起こりうるリスクを事前に想定し、それが発生したときに損害を最小限に抑えるための対応のこと
7、山の3大危険因子
①人的要因
②気象的要因
③地形的要因
9、山のルート定数、エネルギー消費量&水分量を求めることが可能、ルート定数自体は行動時間、歩行距離、登り標高差、下り標高差から算出されている -
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日本各地の山小屋の小屋番によるエッセイ、全53話。
第一章 山小屋の仕事十二カ月 第一話~第二十話
第二章 新しいわが家をつくる 第二十一話~第二十八話
第三章 山小屋に入り、山を見つめる 第二十九話~第四十一話
第四章 山小屋をめぐる人々 第四十二話~第五十三話
・本書に登場した山と山小屋
[寄稿]山小屋を持続的に運営できる環境とは
花谷泰広(甲斐駒ヶ岳七丈小屋)
やまとけいこ/著「黒部源流山小屋暮らし」の読後、
では他の山小屋は?と考えての、読書。
2008年刊行の本を2021年に再編集して文庫化。
2020年の各山小屋の状況も掲載されています。
本書には、日本各 -