山と溪谷社のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ山小屋という言葉から受けるイメージとはスケール感を異にする北アルプス界隈のメジャーな施設から、たった1人で切り盛りする避難小屋に近しい規模のところまで、各地の小屋を預かる山男・山女たちが見つめ感じてきた日々が、ありのままに綴られている。
山小屋と聞くと、シーズンに幾度も登らないライトなハイカーにとっては、足を踏み入れるのを少し躊躇してしまうような、閉鎖的な面を持つ玄人の場…という印象も強いと思うが、この書の中にはもちろんそういった昔気質の頑固者たちもたくさん登場するし、一方で、旧来の雰囲気を打破すべく、サーヴィスの拡充などに腐心する比較的若い世代の経営者たちがいることも窺い知ることができた。
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Posted by ブクログ
五十五軒の小屋番さんによる山小屋エッセー。
金がなかった学生時代や社会人駆け出しのころは、宿泊代をケチってテント泊に明け暮れていた。
余裕が出てきた最近は山の荷物を減らすのに、積極的に小屋に泊まるようになった。
たまに出会う名物オヤジの話に耳を傾けたり、
その日に泊まった他の登山客と酒を飲みつつ話をしたり。
そういった山小屋の良さに触れるにつれ、小屋泊まりが好きになってきた。
山小屋は宿泊施設ではあるが、旅館やホテルではない。
泊まる側にも一定のマナーが必要だ。
登山者としての立場が必要で、あくまでも客ではないのだということを、読んでいて改めて思った。
小屋の人に迷惑を -
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Posted by ブクログ
山歩きは好きだが、独り歩きは原則しないことにしている。
鉄道カメラマンの山崎友也が、
「朝一番の始発を写すために夜単独行を
して野犬に囲まれたことがある。」
と話していた事がある。
里山歩きでも野犬とか危ない人?と
遭遇リスクはある。
本書ではもっとハイレベルのソロ登山について
書かれている。
例え複数の日帰り登山であっても、非常食、行動食、雨具、ヘッドライト、コンパス、更には68番を含む救急セットは当然携行しなければならない。
私レベルの登山者にとっても役に立つ事が、多く記載されている。
同じ出版社が、スピードハイク入門も出版している。
色々な登山、トレッキングスタイルがあるの -
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Posted by ブクログ
御嶽山が噴火した当初は、マスコミで時々刻々と伝えられる情報に目を奪われた。そして、2ヶ月半の時を経て、あの日に何が起こり、その後どうなったのか、そしてこの災害から何を記憶に留め、何を学ぶべきなのかといった全体像を浮かび上がらせる記録集が出版された。
第1章は、噴火発生から救出までの十日間の記録。
第2章は、生還した登山者達の七つの証言。
第3章は、研究者による科学的考察。
第4章は、救助に当たった関係者の証言。
登山者の証言からは、生きようとする強い意志ととっさの行動、そして運が生還につながったことが分かる。テレビや新聞の報道でも断片的に伝えられてはいたが、極限状態に置かれた中で、 -
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Posted by ブクログ
月刊誌『山と渓谷』や『ワンダーフォーゲル』誌に掲載されてきたソロ登山に関する記事がまとめられた1冊だ。
サイクリングにしろ、山歩きにしろ、一人で出かけることが多く、車両通行が困難な林道や人気のない山道では、小さな事故でも重大な結果を招きかねないと自覚している。本書を手にしたのは、私の山歩きに関しての経験値が少ないため、あらかじめ皆さんの経験を共有させてもらいたかったからだ。工場での安全活動と共通する、KYTの一環として参考にさせてもらった。
遭難事例だけでなく、遭難ヒヤリハット事例は、自分の経験不足を補ってくれる貴重な資料だと思う。40代女性の事例で “変な人についてこられた”という