あらすじ
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大きな判型で、読みやすくわかりやすいヤマケイ登山学校シリーズ。
山に潜むさまざまなリスクを知り、
回避するための知識や遭遇してしまった危険に
対処する方法をわかりやすく紹介します。
第1章 プランニング コースの選び方/登山届け/万一に備える装備/天気予報/山岳保険/探索シズテム
第2章 無積雪期のリスクマネジメント 道迷い/危険箇所の通過/歩き方/熱中症/低体温症/高山病/腰痛・膝痛/悪天候への対処/火山/単独行
第3章 ビバークをする ビバークの決断・タイミング/適した場所/ビバークする
第4章 危険生物に備える クマ/イノシシ/マムシ/スズメバチ/アブ・ブヨ/ダニ
第5章 セルフレスキュー 応急手当の方法 第6章 雪山でのリスクマネジメントとセルフレスキュー
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
こういったタイプの本は何冊か出版されていますが、さすが山と溪谷社といったところ。
少しの応用も含め、基本的なところは網羅されており"山のリスクマネジメント"というジャンルにおいて、まずこの一冊をおすすめしたいです。
もう登山をされている方からすると当たり前のことかと感じますが、改めて読み返してみる価値は充分にあると思います。
Posted by ブクログ
『山のリスクマネジメント全体像が掴める良書』
TJAR選考会対策(ファーストエイド対策)として読む。
イラストも入っていて、分かりやすい&得るものも多く読んで良かった( ̄∇ ̄)
噂通りの良書だと思う。
〈詳細〉
part1、登山のプランニング
4、リスクマネジメントとは「危機管理」のこと、起こりうるリスクを事前に想定し、それが発生したときに損害を最小限に抑えるための対応のこと
7、山の3大危険因子
①人的要因
②気象的要因
③地形的要因
9、山のルート定数、エネルギー消費量&水分量を求めることが可能、ルート定数自体は行動時間、歩行距離、登り標高差、下り標高差から算出されている
9、自分の登るのに見合った山かどうか?は「山のグレーディング」が参考となる、指標とひては体力度、技術的難易度の要素で評価されている
18、気象庁が出している天気予報の内容、また具体的な使い方について書かれている、参考になりそう
21、要注意の天気図
二つ玉低気圧
日本海低気圧
梅雨前線
台風
秋雨前線
台風通過後の冬型
part2、無雪期のリスクマネジメント
26、道迷いは3つの基本が実行されていないことが一番の原因
・現在地を確認しながら行動する
・迷ったら引き返す
・沢を下ってはならない
30、ヤマレコには「みんなの足跡」機能があり、迷いやすいポイントが分かる
34、長野県における山岳ヘルメット着用奨励山域の掲載あり、参考に
38、火山噴火
111、活火山
50、「火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある」として24時間体制の常時観測・監視されている火山
48、噴火警戒レベルが導入されている火山
38、火山に遭遇した場合は、ヘルメットをかぶりマスクを湿らせたタオルで口と鼻を覆って噴火口から離れる方向へ避難する、ザックはプロテクターになるため背負ったまま、噴石や火山灰から身を守るために、近くの山小屋やシェルターへ避難、無ければ大きな岩陰に身を隠し、活動の沈静化と救助を待つ
40、熱中症、1〜3度の分類があり2以上は医療機関への搬送が必要、判断基準としては「意識がしっかりしているかどうか」、予防は通気性のいいウェアを着る、水分&塩分を補う
41、低体温症、熱を奪う現象には下記がある
・対流
・伝導
・蒸発
・放射
また、登山においては上記をもたらす下記3つが低体温症の主要因とされる
・濡れ
・強風
・低温
42、高山病は下記3種類
①急性高山病(山酔い)
標高2700m以上に登ったときに起きやすいが、1200~1800mでも発症することがある。
到達後6~12時間後に発症し、頭痛、倦怠感、虚脱感、食欲不振、吐き気、嘔吐など、二日酔いに似た症状が現われる。
②高地脳浮腫(こうちのうふしゅ)
山酔いが悪化したもので、脳の血管から水が染み出すことによって起こる。
倦怠感がさらに強まり、うまく歩けなくなるなどの運動失調や意識障害が認められるようになる。ただちに高度を下げる必要がある。
③高地肺水症
低酸素状態により肺に水が染み出すことによって起こる。単独で発症するほか、高地脳浮腫といっしょに起きることもある。息切れが激しくなるのが初期症状で、安静時にも息切れが治らない。ただちに高度を下げる必要がある。
対応は
・口すぼめ呼吸
・一気に高度を上げない
・水分を十分に補給
・睡眠不足や疲労の回避
・山小屋到着直後の睡眠は避ける(呼吸が浅くなるため)
46、一般登山においてのロープの使用法は3つ(具体的なにはP64〜69)
①急斜面や岩場などの危険箇所にロープを張り、それを手がかりに登り下りする
②横方向に張ったロープにセルフビレイをとりながらトラバースする
③転落・滑落に備えて登り下りする人をロープで確保する
48〜63、ロープワーク&ハーネスの作り方、後から学んだ方が良さそう、ただどこまで身に付けて良いのかイマイチ分かんないけど…笑
part3、ビバークする
72、ビバークを決断するタイミングは遅くても日没30分前、決断するポイントとしては「その日のうちの下山や山小屋にたどり着くことができない場合」と考える
74、ビバークする場所
適した場所
・沢の場合は一段高いところ
・体を横たえられる、なるべく平坦な場所
・風をしのげる岩陰
・雨風が避けられる樹林帯の中
適さない場所
・雷が落ちそうな大木のそば
・落ち葉で隠れた獣道
・転落、滑落の可能性がある崖の上
・落石の危険がある斜面や崖の下
・増水が懸念される沢沿い
・川の中洲
・雨が降ると浸水しそうな窪地
・風雨をまともに受ける尾根や山頂
76、ツェルトを使わないビバーク、持ち物全てを使って体温低下を抑えることが重要、ちなみに「寝てはいけない」的なシーンが映画、テレビであるがそんなことは無く寝た方が体力が回復するので正解笑
79、ビバーク、寒過ぎる場合は焚き火も視野に入れる、テーピングを着火剤として使用して枝等に着火する
part4、危険生物に備える
86、クマの痕跡のサイン、立木に残った爪痕、木の皮を剥いだ後、足跡、新しい糞、クマ棚、シカなどの動物の死骸など
88、ハチ、遭遇したら姿勢を低くしてごくゆったりとしたスピードで逃げる、一斉に襲われた場合は全力で逃げる、距離は通常は10〜50m、長くても80m、ウェアなどを頭上で振りかざしながら逃げる、刺されたらポイズンリムーバー&流水洗い&ステロイド軟膏、アナフィラキシーの兆候(じんましん、赤み、かゆみなどの「皮膚の症状」。次にくしゃみ、せき、ぜいぜい、息苦しさなどの「呼吸器の症状」と、目のかゆみやむくみ、くちびるの腫れなどの「粘膜の症状」が多い)が出たら、一時的な緩和措置として「エピペン」というアドレナリンの注射がベスト
90、マダニ、単体で刺されるだけなら軽症がほとんど、だたし病原体を持っているマダニに刺された場合は注意が必要です
92、
マムシ
銭形紋様、ハブよりは毒が強い、注入量は少なく死亡事例は少ない
ヤマカガシ
赤斑が混じり首筋は黄色、毒はマムシの3〜4倍ともいわれ死亡例もある
アブ、ブユ
アブ
2〜3cm、活動時期は7〜9月
ブユ
3〜3cm、活動時期は春〜秋
part5、セルフレスキュー
96、救助の流れは参考にする
98、ファーストエイドキットの中身、参考になる
99、登山者がまず覚えておきたいのは
・各種外傷
・心肺蘇生法
・止血法
・低体温症、熱中症、高山病などの応急手当て
・運搬法
99、応急手当てのチェックシート、印刷して参考にする、ネットに原本はある?
★100、創傷(そうしょう)、このページは実技をできるように練習する
・大きな流れとしては「止血」→「傷口の洗浄」→「傷口の保護」が基本となる
・止血は直接圧迫法が基本
・多量の出血の場合は止血帯を使用する
★102、足首の捻挫、このページは実技をできるように練習する
・冷やすこと&拳上で痛み、腫れを多少緩和
・それでも難しければ、伸縮性の無いテーピングで足首固定、鎮痛剤を飲む選択肢もある
・それでも自力で歩けない場合は救助要請
★103、腕の骨折、このページは実技をできるように練習する
・負傷箇所が動かないように固定するのが基本
・副木になるものを当てて三角巾などで前腕と副木を数箇所固定して腕を首から吊る方法がメジャー
・着用ウェアを使う方法もある
104、低体温症、ポイントは
・体を温める
・エネルギー源を確保する
・放射熱を閉じ込める
105、熱中症、ポイントは
・水分を補給する
・体を冷やす
・横になる
★106、やけど、このページは実技をできるように練習する
・患部を水で冷やす(最低でも15〜30分)
・ワセリンを塗り、ビニール袋や食品ラップで患部を多いテープ止め
・3段階あり、2度以上(強い痛みがある場合)は医療機関へ
★106、頭部の外傷、このページは実技をできるように練習する
・大きな流れとしては「止血」→「傷口の洗浄」→「傷口の保護」が基本となる
・直接圧迫法
・滅菌ガーゼで保護して包帯、三角巾を巻く
★108、一時救命処置(BLS)、このページは実技をできるように練習する
・詳細は割愛、本ページで学ぶ
・心肺蘇生法は5年ごとにガイドラインの見直しが入る、最新情報を確認しておくこと
★112、搬送法、このページは実技をできるように練習する
①一次的な搬送法
・ドラッグ法
・スリングを使って背負う
②比較的短い距離を運ぶ
・背負い搬送法
・肩車搬送法
・ザックを使う
・ザックとストックを使う
・雨具を使う
・ヒューマンチェーン
③比較的長い距離を運ぶ
・2ザック担架
・3ザック担架
・ストック担架
・ザックとストックで担架
・雨具とストックで担架
part6、雪山でのリスクマネジメント
126、雪崩に備えてバランチギア(ビーコン、プローブ、スノーショベル)の使い方を習得しておくことが大切
128、凍傷、大きくわけて4段階ある、初期症状は手足の指や耳たぶなどがかゆくなったりジンジンとしびれる、もしなってしまったら第2度以下の場合は患部を温める、急げに温めると悪化するため40〜42℃のお湯で30分以上温浴し、乾燥させた後に軟膏を塗る、第2以上の場合は水疱ができるが破らないこと
130、ルートミス、ホワイトアウトの場合は不用意に行動せず、来た道を引き返すかビバークで天候回復を待つ、不要に動くと雪庇の踏み抜きなどのリスクがある
132、転落・滑落、滑落防止姿勢(セルフアレスト)は身につけておく必要あり
136、雪目、雪面の紫外線反射率はコンクリートの16倍、なってしまったら目を閉じて冷やしたタオルを当てる、下山後はずく病院へ
138、雪崩、種類は2つ
表層雪崩
→表面だけ雪崩になる、スピードが早く予測が難しい、事故の9割はこっち
全層雪崩
→雪の層全ての雪崩、場所や時期が決まっていることが多いため予測しやすい、スピードは遅い
一般的には30〜50度、特に35〜45度が起きやすいとされる
風下側の斜面は雪崩リスクが高いので、常に風を意識して風上側の尾根の上を歩くのが鉄則
142、もし雪崩に巻き込まれたら
仲間が雪崩に巻き込まれたら
・最終目視ポイントを見逃さない
・セルフレスキューを行うか判断する
自分が雪崩に巻き込まれたら
・大声、ホイッスルで仲間に雪崩の発生を伝える
・流れの遅い側縁部への移動を試みる
・できるだけもがいて浮上する努力をする
・完全に止まる前に両手で口や鼻を覆い、呼吸スペースを確保する
144、ビーコンサーチ、プロービング、掘り出し
ビーコンサーチ・手順
①シグナルリサーチ
捜索者がひとりの場合はコの字に動く
捜索者が複数の場合は距離を空けてまっすぐ
30〜40m間隔を意識すること
②コースサーチ
電波曲線に沿って距離10mまで近付く
③ファインサーチ
プロービング・手順
垂直に刺すを繰り返して、先端が埋没者に当たるまで繰り返す
掘り出し・手順
掘り出すときは斜面の下から、ショベルで埋没者を傷つけないように注意
148、雪山のビバーク、積雪が2.5m以上あるなら雪洞を掘ると良いが、北海道や東北、日本海側の山域に限られる
<内容(「BOOK」データベースより)>
大きな判型で、読みやすくわかりやすいヤマケイ登山学校シリーズ。
山に潜むさまざまなリスクを知り、
回避するための知識や遭遇してしまった危険に
対処する方法をわかりやすく紹介します。
第1章 プランニング コースの選び方/登山届け/万一に備える装備/天気予報/山岳保険/探索シズテム
第2章 無積雪期のリスクマネジメント 道迷い/危険箇所の通過/歩き方/熱中症/低体温症/高山病/腰痛・膝痛/悪天候への対処/火山/単独行
第3章 ビバークをする ビバークの決断・タイミング/適した場所/ビバークする
第4章 危険生物に備える クマ/イノシシ/マムシ/スズメバチ/アブ・ブヨ/ダニ
第5章 セルフレスキュー 応急手当の方法 第6章 雪山でのリスクマネジメントとセルフレスキュー