梅本勝博のレビュー一覧
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効果的なナレッジマネジメントとは?が分かる本
この本が今から30年近く前に書かれたとは驚きだ。
名著『失敗の本質』の作者、野中郁次郎さんの代表作と知り読み始めた。400ページを超えの分厚さだったが、無駄な話はなく、ぎっしりと中身の詰まった本だった。
知を創造するためには、知をどう扱えば良いのかを、暗黙知を重視する日本企業、形式知を重視する西洋の両側面から検証していく。
著者は、「どちらか」が優れているのではなく、「どちらも」取り入れたSECIサイクルが最善だと結論づける。
また、ただの理論にとどまらず、実際の企業の例(新規開発)を取り上げ、組織の在り方や、マネジメントの在り方も分析し示し -
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SECIモデルとしても有名な知識変換モデルを中心に個人の知識創造をどのようにして組織として増幅し、組織的知識創造を行なっていくのかという理論の提示と実践方法の提案を行っている。
この本を読むと「どのような知識変換に基づく知識創造が行われているのか?」という目線でさまざまなものを見れるので面白い。
一方でいくつか出てくる事例が90年代の日本企業であるため2023年現在から見ると隔世の感がある。ただ、それについても現在世界のトップを走る企業ではどのような知識が創造されているのかという視点で見ればそのような事例はものの見方の具体例ととらえられると思う。
全体のうち4割程度は理論の裏付けのための事例や -
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改めて20年以上前の本を再読、やはり良書はさすがだと思う。 文句なしの★5つである。
この本は僕が会社に内定した際に会社側から提供された本の中の一つで当時あまりに感動して、そのままずっと保持している本である。学生から社会人になる際に「こんな知的な本を読むのか、知識創造とはすごいプロセスだ」とものすごく感動したことを今でもよく覚えているし、それは再読した本日も改めて思った。
野中郁次郎先生は、「失敗の本質」を書かれた共著者であったり、スクラム開発の考え方の根本を提示された方であったり、本当に自分の人生に大きな影響を与えた方ですが、先日読んだ「直観の経営」にもありましたが哲学の話、失敗の本質の -
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今さらながらの野中郁次郎、だけど今だからこその野中郁次郎でした。知っているつもりで積読で放置していたのを解消しました。いつもロナウジーニュやメッシ、そしてネイマールと優れた個を常に迎えつつ、でもチームとして一貫したサッカーに磨きをかけていて、しかもそれが個人の存在感をさらに光らせているバルサこそが組織の理想形か?と憧れているのですが、日本の会社もバルサになりうる、というかもはやバルサになっている組織もあるかも、と希望を持ちました。年末の青色ダイオードのノーベル賞受賞により、イノベーションにおける「個」VS「組織」というテーマにもまた注目が集まっていますが、単純にアメリカ型になるだけではない我々
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組織的知識創造を計画・実行するためにとるべき七つのガイドライン
1.知識ビジョンを創れ
2.ナレッジ・クルーを編成せよ
3.企業最前線の濃密な相互作用の場を作れ
4.新製品開発のプロセスに相乗りせよ
5.ミドル・アップダウン・マネジメントを採用せよ
6.ハイパーテキスト型組織に転換せよ
7.外部世界との知識ネットワークを構築せよ
これらを実現する基礎段階として、総合し、乗り越えなければならない二元論。
1.暗黙的/明示的
2.身体/精神
3.個人/組織
4.トップダウン/ボトムアップ
5.ビュロクラシー/タスクフォース
6.リレー/ラグビー
7.東洋/西洋
具体的ケースが豊富で、最終 -
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年齢,性別,職業,地位を問わずにオススメ.
誰が読んでも得るものは多く,大きいとおもう.
分厚く,400ページもあるがそれほど苦にならずに読める.
内容は,日本企業がなぜここまで強いのかということを理論と実例を使って見事に説明したものである.
そんなものがなぜ年齢や職業を問わずにオススメできるのか?
それはタイトルにもあるようにこの本が「知識を創造する」ダイナミズムを初めて扱った本だから.
従来の自然科学的方法論では扱いきれなかった「暗黙知」に焦点を当て,社会科学的手法を用いて見事に分析していることを私は非常に高く評価したいと思う.
私のいる心理学の世界にも,このような流れは明白で,「拡張によ