梅本勝博のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
分かりやすく先行研究を説明しながら鋭い批判、そして豊富な事例と丁寧な検証など、学術書としては非常に読みやすく(読みやすいがビジネス書ではない)、楽しめた。
内容としては非常に学際的で、経営学はもちろん、哲学から認知科学、教育学、組織論まで幅広く取扱いながら、企業(特に日本)における知識創造のプロセスを説明する。
丁寧に読めば様々な示唆に富む一冊である。私見だが、興味深くてそして新しいコンセプトを次々と展開しわくわくさせられた。これが第一版から15年以上経っているとは思えない。
色々なジャンルの新書を読む方、学際的な考え方に興味を持つ人にはお勧めの本である。 -
Posted by ブクログ
かなり学術的な表現になっていて、長い時間をかけて読み込んで腹落ちさせないと、オーディブルレベルで流し聞きする程度では意味は薄い本だと思った。トップダウンでもボトムアップでもなくミドルアップダウンマネジメントアプローチとか面白いけど大変だなと思った。国際的な大企業のヒット商品誕生の事例分析は分かりやすかったが、では自社でどう取り込んで実践できるかと考えると、うーんと思ってしまった。初版は四半世紀以上前に出たこともあって、事例も古く、現在の(自分がいるような)IT企業としては国際間の協調とか参考にすべきところもありそうだけど、だいぶ事情も変わっているのでは...と思った。
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Posted by ブクログ
「ワイズ・カンパニー」がでたのにあわせて、新装版がでたので、久しぶりに「知識創造企業」を読みました。20年ぶりくらいかもしれない。。。
最初に読んだときは、前半の理論的部分は難しいし、後半の事例とか、企業へのインプリケーションの部分は、少数の事例しかでてこなくて過度に一般化されている感じがして、今ひとつ、ピンときませんでした。
今回、あらためて読んで、後半部分の事例は、実証的なものではなくて、未来にむかって役に立つかもしれないヒントみたいなものなのだと思い、ちょっとなるほどと思いました。
一方、前半の理論部分は、ちょっと大雑把すぎるというか、この研究の世界的な独自性を強調したいがために、他の理論の問題を批判して、そうした理論と知識創造理論の差を大きめに言い過ぎている印象はあって、やはり今ひとつだと思いました。そして、ここまで難しく書く必要もないと思って、やはり、あまり共感できませんでした。(ちょっと気負い過ぎかな。。。)
そういうなかで、センゲの「学習する組織」に対しても、似ているところはあるとしながら、結構、厳しい批判をしています。主な論点としては、
・「刺激ー反応」という行動主義的コンセプトにとらわれている
・個人としての学習というメタファーを使っている
・組織学習は適応のための受動的変化としている
・ダブルループ学習は外部の専門家の介入を前提としている
といったことをあげていて、いずれも?な感じがします。この辺のところは、旧世代?の行動主義的な組織開発手法への批判をセンゲにもそういうとこあるよね、と強引に当てはめている印象があります。
「知識創造企業」の第2章は、哲学的な認識論からスタートして、経営学の既存の様々なパラダイムを批判的にレビューしているのですが、自分の理論の独自性を伝えようとするあまり、ちょっと言い過ぎているところが多いです。この章はなかったほうが良かったんじゃないかと思いました。
そういう理論的な混乱(笑)をわきにおいて、イノベーションという観点から、純粋にSECIモデル、ミドルアップアンドダウン、ハイパーテキスト組織といったコンセプトだけをみれば、やはりこの本から学べるところはあると思います。
もちろん、この段階では、コンセプトしかない段階で、その後、さまざまな実践がなされ、今、それが「ワイズ・カンパニー」とか、「全員経営」、「共感経営」になっているわけなので、これはこれで、大事な本ですね。
たしかに、アイスブレーキングな本ではあるのでしょうが、現時点で読み返すと、ちょっと辛い感じもあります。 -
Posted by ブクログ
企業における知識そのものではなく、「知識の創造」プロセスに着目した研究が画期的、とのこと。
<目次>
第一章 組織における知識 ――序論
1 競争力の源泉としての知識に関する最近の議論
2 日本的知識創造の特徴
3 暗黙知を形式知に変える
4 知識創造の三つの特徴
5 知識創造の主役
6 ここからの旅路
第二章 知識と経営
1 知識とは何か
2 プラトン vs. アリストテレス ――西洋認識論の基礎
3 デカルト vs. ロック ――大陸合理論 vs. 英国経験論
4 カント、ヘーゲル、マルクス ――統合の試み
5 二〇世紀における「デカルトの分割」への挑戦
6 日本における「知」の伝統
7 経済・経営理論における知識 ――はじめに
8 経済理論における知識
9 経営・組織理論における知識
10 新しい統合を目指して
11 組織的知識創造理論の必要性
第三章 組織的知識創造の理論
1 知識と情報
2 知識創造の二つの次元
3 知識変換 ――暗黙知と形式知の相互作用
4 知識変換の四つのモード
5 知識の内容と知識スパイラル
6 組織的知識創造を促進する要件
7 組織的知識創造のファイブ・フェイズ・モデル
8 まとめ
第四章 知識創造の実例
1 歴史的背景
2 ホームベーカリーの開発をめぐる最初の知識創造スパイラル
3 第二の知識創造スパイラル
4 知識創造を促進する要件の強化
5 まとめと含意
第五章 知識創造のためのマネジメント・プロセス
1 トップダウン・マネジメントとボトムアップ・マネジメント
2 ミドル・アップダウン・マネジメント
3 三つの経営モデルのケース・スタディ
4 ナレッジ・クリエイティング・クルー
第六章 新しい組織構造
1 伝統的な組織構造への批判
2 統合の試み ――軍事組織の事例
3 統合を求めて ――ハイパーテキスト型組織
4 花王 ――ハイパーテキスト型組織へ「移行している」ケース
5 より完璧なハイパーテキスト型組織としてのシャープ
第七章 グローバルな組織的知識創造
1 日産のプリメーラ・プロジェクト
2 新キャタピラー三菱のREGAプロジェクト
第八章 実践的提言と理論的発見
1 主要な発見のまとめ
2 実践上の含意
3 理論上の含意