朝比奈弘治のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
[どうして読もうと思った?]
文章を書きたいけどちょっと弱気になっている私に、読書会の主催者の方がおすすめしてくれたから。
[感想は?]
1つの話をいろいろな方法で書いていてそれはもちろん面白い。
だが、この本をさらに面白くしているのは、海外の本を「翻訳」しているからだ。
訳者の方が、いかに原文(フランス語)の面白さを日本語に置き換えるか、置き換えられない場合は、日本語のどんな特徴を活かせば面白くなるか、という別の部分が、面白さの大半を占めていた。
だから、いろいろな角度から文章を書けるようになりたい人だけでなく、翻訳を志している人或いは今実際にしている人も大変参考になる良書だと思う。
[余談]
訳者の方によると、著者のクノーは、仮原稿の際に、ものすごい数の下ネタを書いていたらしい。それらは削除されて出版されているけれど、それでも一部に「(同じバスに乗っている女性の)お尻が自分に触れることを想像する」というようなフレーズがある。これは当時は許されたかもしれないけれど、現代ではハラスメントにあたる文章だと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった!!!
アイスランド旅行をするにあたり、関連本を調べたらこの本がアイスランドの火山の火口から地球の中心を目指す話と知り購入。
火口に着くまでにもそこそこの分量があり、ややかったるく感じられたが、いざ地下に潜ったあとは、リーデンブロック教授、アクセル、ハンスの掛け合いが面白く、アクセルの危機、次々と現れる衝撃の地下世界、数々の波瀾万丈と、飽きさせずに一気に読ませる。
数々の地学的知識も織り込まれており、どこまで現実でどこからファンタジーなのか戸惑うほど。
解説によれば本作は子ども向け空想的冒険科学小説であるという。
自分の子どもにもぜひ読ませたい。 -
Posted by ブクログ
『地底旅行』というタイトルを見て、高温高圧に耐えられる特殊車両による旅行だと思っていたが、読んでみたら、徒歩によるものであったことにまず驚いた。現代の科学的知見からすると、正しくない部分が見受けられるが、作者が執筆当時に想像力を最大限に働かせて創り出した状況描写や情景描写は興味深く、迫力のあるものであった。
SF小説であるが、冒険的要素の強い作品だと感じた。しかし、徒歩で地球の中心部を目指すという計画はいくら何でも無謀だし、これだけ長期間の食糧をどうやって運んだのかという疑問を持たざるをえなかったが。
何よりも印象に残っているのは、主要な登場人物三人の個性。志をあくまでも貫こうとする強い意志の持ち主であるりーデンブロック教授、優柔不断で受け身の主人公アクセル、何事があっても常に沈着冷静で忠実なハンス。
三人が地上に戻るに至る経緯も面白い。
作者の地底という未知のものに対する想像力、三人の登場人物の際立った個性が、この作品を面白いものにしていると感じた。