木下古栗のレビュー一覧

  • グローバライズ GLOBARISE

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    下品で生々しい話ばかりだけど、他の本も読んでみたくなる、何かがあるような。

    エロ、グロ、への持っていき方が唐突で刺激的で、でも描写は細かくて、中毒性がある。

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    2021年04月12日
  • 金を払うから素手で殴らせてくれないか?

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    わかろうとしなくてよい、という意味で、大変読みやすい。
    考えさせられる読書に疲れた時におすすめしたい。

    脈絡がないので文章に改行がなく、ページにみっちりと文字が並ぶ。強烈な内容の割に、読み終わったあとに何も残らない。私は一体何を読んだのだろう?
    執筆にあたり推敲はあったのかと疑わしいし(もちろん推敲されてると思います。思いつくまま吐き出してるかのような書き方、という意味で)、それなりに下品な単語やぶっきらぼうな展開で構成されているので、苦手な部類に入りそうだけども素直に受け入れられたのは、作品の良さなのか私の懐がふかくなったのか笑

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    2021年01月13日
  • 金を払うから素手で殴らせてくれないか?

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    全体的に好みがわかれそうなヘンテコな話ばかりなのに、Twitter文学賞2014年第1位はすごい。個人的にはたいへん好み。ハマりそう。
    「IT業界 心の闇」3…アシンメトリーでアンバランスでとりとめのない不思議な駄話。
    「Tシャツ」5…時間や場所を無視した超圧縮文体の中毒性たるや。
    「金を払うから素手で殴らせてくれないか?」4…失踪した上司を捜索する部下たちの優しき悪ふざけと悪趣味な結末。

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    2017年05月02日
  • 生成不純文学

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    「生物、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え」を知りたければ、『銀河ヒッチハイク・ガイド』を読めば良い。「文学とは何か?」という疑問には本作を読めば良い。

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    2017年04月22日
  • 生成不純文学

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    短編集。不条理とナンセンスのオンパレード。筒井康隆好きなら本書は大好きなはず。
    1本目の「虹色ノート」からして、展開のすごさに心もってかれました。すごい作品と出会えたことに感謝。著者の過去の作品も読んでみることにします。

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    2017年04月15日
  • 金を払うから素手で殴らせてくれないか?

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    ネタバレ

    この小説はなんと表現したら良いのだろう?
    難しいことは私にはわからない。
    ただ、また読みたい。もっとこの木下古栗という人の作品を読んでみたい。
    そう思わせるこの気持ちは、…たぶん…アレ。

    表題作『金を払うから素手で殴らせてくれないか?』を含む、それぞれに個性的な3作品が収められている。

    『IT業界 心の闇』
    「今ではすっかり浮世の荒波に揉まれ(勿論、その間には幾人もの殿方に~)」で、心を掴まれた私は変態かもしれません。
    えぇ~!さ、咲子!そうだったのか!ってか、えっ!えっ!どうした、時江ぇぇ…!

    『Tシャツ』
    …ハワードいつのまにか帰国。

    『金を払うから素手で殴らせてくれないか?』

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    2014年08月20日
  • 金を払うから素手で殴らせてくれないか?

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    やばい…この人はやばい……小説を読んで「やばい」しか感想がない、ってなかなかないことだけど、しかしやばい。
    前から「頭のおかしそうな人いるな」と思って気にはなっていたのですが、やっと読みました。結果、樋口毅宏からかっこよさを抜いたかんじというか。舞城王太郎からさわやかさを抜いたかんじというか。会田誠の再来というか(まだ生きてます)。
    まちがいなく馬鹿なんだけど、これこそが文学かも。とかいって違うかも。ただ、すごいくだらないことを書いてるのに上品なかんじがするのが見どころかなと思う。
    友達が「こんなの書いた」と言ってもしこれを持ってきたなら「うん、いつか大物になる気がする!でもちょっと、店におけ

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    2014年04月30日
  • 金を払うから素手で殴らせてくれないか?

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    全国の書店員を苦笑させた「本屋大将」作家・木下古栗、その新刊。
    今作も全く人間性を感じさせない淡々とした描写を駆使して、IT社会に潜む闇、薄れ行く人々の繋がり、そして消費税増税という現代日本が直面する社会問題に、ギンギンに研ぎ澄まされた言葉のナイフでズカズカと斬り込んでくる。しかし斬り込むだけ斬り込んで切りっぱなしなので、こちらの傷口はもう、膿んで爛れてグッチャグチャである。

    前作から2年半、待った甲斐があったというもの。と言うか、早く全集とか出してくれ。消費税10%でも買うから(多分)。

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    2014年04月04日
  • 金を払うから素手で殴らせてくれないか?

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    饒舌でめくるめく作品世界の毛布を纏える文体かと思えば、ジャン=リュック・ゴダールの編み出した「ジャンプカット」の手法を取り入れたかのような『Tシャツ』まで。読者は著者が描く物語の眩しすぎるほど荒々しく輝く断片を両の目に叩きつけられるように提示され、軽い盲状態に陥るかのよう。しかし目が慣れてきた後に眼前に広がる作品世界に驚きと喜びを持って受け入れるのだ。

    著者の持ち味である不条理な設定と現実の世界とは、もうあまり差異がないように思えてくる。木下古栗が作り出した世界の裂け目はすぐそこにあり、もはや我々読者は裂け目から向こう側へ移住している。救いようのない茫漠たる荒野が広がっていようとも、この本の

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    2014年03月27日
  • サピエンス前戯 長編小説集

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    「もしかしたら、現生人類の意識や文化が高度に発展したのも、前戯のせいかもしれませんよ。」

    「全自動前戯機ペロリーノ」を開発した関ヶ原修治は、脳科学者の茂木山健多郎と意気投合、湯河原へ温泉旅行に行ったのをきっかけに新たなアイディアを思いつく。
    (「サピエンス前戯」)

    短編3作にそれぞれ「その後の展開」を書き下ろした「長編小説集」。

    収録作品は
    「サピエンス前戯」
    「オナニーサンダーバード藤代」
    「酷暑不刊行会」

    どれも下ネタに関する話だが、それぞれAIや意識、村上春樹、文芸界や編集社に対する造詣の深さがうかがえる。

    「オナニーサンダーバード藤代」は村上春樹の文体で下らないことを書いてい

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    2022年09月22日
  • 生成不純文学

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    短編4作収録。

    「虹色ノート」
    「人間性の宝石 茂林健二郎」
    「泡沫の遺伝子」
    「生成不純文学」

    自己啓発書『危険の感覚』の著者、茂林健二郎の思想や経歴を描いた「人間性の宝石~」が特に面白い。(『人間界の諸相』の中心人物、菱野時江も少しだけ登場する)

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    2022年09月22日
  • 人間界の諸相

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    菱野時江を中心に、様々な人物の奇妙な生態を描いた連作短編集。全編とも木下古栗らしい滅茶苦茶さが炸裂している。

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    2022年09月22日
  • 金を払うから素手で殴らせてくれないか?

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    「おい鈴木、米原正和を捜しに行くぞ」とその米原正和が言った──。

    失踪した男をその本人が探しに行く、社長の浮気相手になりすまして謝罪する、新しい挑戦を求めて国内外をかけまわる……

    人を食ったようなストーリーに独特な言葉遣い、意外というより突飛な結末。呆気にとられて笑わずにはいられない。筒井康隆ファンにも刺さりそう。

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    2022年09月21日
  • 人間界の諸相

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    掌編集。1話10分程度で読めるどれも笑えた。長さ的にも内容のしつこさ的にも往年のテキストサイトを読んでいる感覚に近いものを感じた。
    個人的にはオバマがビデ倫に就職する話とビジョナリーの話と電話の話と活字市場の話が面白かった。突如差し込まれる全く本筋に関係のないエピソードだったり会話が相変わらず読ませる

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    2021年06月16日
  • 金を払うから素手で殴らせてくれないか?

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    これが文学的な価値があるものかどうか自分にはよく分からないけど、笑っちゃう。たまにはこういう読書も必要

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    2021年02月04日
  • 金を払うから素手で殴らせてくれないか?

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    Twitter文学賞受賞作ってことで。中編×3編収載。最後に表題作なんだけど、最初の2編はあまりピンとこず。①は、結局男っていうどんでん返しがなんだか受け入れ難かったし、②は、最後の怒涛の繰り返し部分は圧巻とはいえ、意図的に読みづらく書かれた文体から受けるネガティブ印象の方が個人的には勝った。でも、①と②の良いとこどりみたいな表題作は秀逸だった。あ、ひょっとしたら①、②は、だんだんと慣れさせるための策略だったか?としたらまんまと引っかかっちゃいました。

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    2019年12月02日
  • グローバライズ GLOBARISE

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    いいとは聞いてたけど文庫待ってて初古栗。
    血まみれで下品と聞いてたので樋口毅宏みたいな感じを想像してたんやけど、どちらかというと筒井康隆のその線に近い雰囲気。これしかし長編になるとまた感じかわりそうやな。

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    2019年03月27日
  • グローバライズ GLOBARISE

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    ネタバレ

    とんでもなく気持ちがざわつき過ぎて、ちゃんと理解しながら読んではいけない本。
    よく咀嚼して読むには気持ちが悪すぎて。それなのに何故か次が読みたくなる中毒性。

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    2019年03月17日
  • 金を払うから素手で殴らせてくれないか?

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    なにこれ(笑)って感じかな。テレ東のドラマや鳥肌実を楽しく見れる人はきっと楽しい。真面目な人はダメかもしれない。でも、丁度いい感じだと思う。逆に。逆にとはいえいい感じで描けていると思う。どれもスッとグッと一気に読み通せた。とりあえず三作品楽しく読ませてもらったという感じ。

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    2017年12月18日
  • 金を払うから素手で殴らせてくれないか?

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    相変わらずのナンセンス、不条理、アバンギャルドが全編にわたって炸裂だが、他の作品集より読みやすい感じがした。
    収録作「Tシャツ」の「まち子が~」のくだりが最高。
    木下作品も一種の「アール・ブリュット」であると改めて感じた。

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    2017年05月27日