アリストテレスのレビュー一覧

  • 政治学(下)

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     時代的なものを除外しても、よく体系的にまとまっていることに驚いた。人々の幸せにいかに政治が関わっていくか。一部、人権の面で、現代では不適切な部分もあるが、そこも含めて勉強になった。

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    2023年12月11日
  • 政治学(上)

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     平易な訳で読みやすい。時代背景からくるわかりにくいのある部分に関しては、解説において丁寧に説明されているので、理解の助けとなる。解説を先に読むのもいいかもしれない。読後感に関しては、下巻を読み終えてからにしたい。

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    2023年11月12日
  • ニコマコス倫理学(下)

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    上巻では人柄に関す徳の話が続いたが、
    下巻では下記の内容でバラエティに富んでいる。
    6章「知的な徳」7章「欲望の問題」
    8~9章「愛について」10章「幸福論の結論」

    6章では魂自身の性向として
    「技術」「学問的知識」「思慮深さ」「知恵」「知性」
    の五つの性向に分けてそれぞれ解説している。
    正しい行動のためには「思慮深さ」が必要だが、
    「思慮深さ」は全てを支配下に置くわけではなく、
    各々の性向は別物であるという結論を出している。

    7章では抑制のなさと快楽を追及して、
    抑制の無い人の快楽には苦痛が伴うが、
    美しいものを愛したり、立派な行動をしたり、
    という快楽には苦痛が伴わないと結論を出してい

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    2020年06月27日
  • ニコマコス倫理学(上)

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    アリストテレス先生「幸せって何だっけ」の巻

    「幸せとは何か?」というテーマの講義だが、
    早々に「徳に基づいた魂の活動」と結論を出している。

    徳とはある性向における中間性のことであるとし、
    例えば「勇気」なら超過すると「向こう見ず」になり、
    不足すると「臆病」中間が「勇気」であるとしている。

    「向こう見ず」は勇気に似ているが、
    必要の無い時は勇敢に振る舞い、
    本当に恐ろしいものに耐えられない。
    「勇気」は普段は穏やかだが、
    必要な時は恐れるべきものにも立ち向かう。
    「臆病」は恐れる必要の無いものでも恐れる。

    このように様々な性向に関して検証していっている。

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    2020年04月23日
  • ニコマコス倫理学(上)

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    光文社古典新訳文庫でもこれだけ難しいか。哲学を読み解く力が未熟だと感じた。個人的には全てを読む必要はないと感じた。

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    2025年02月08日
  • ニコマコス倫理学(下)

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    アリストテレスの説明の仕方は、当時の文化、価値観に即したものであるが、読んでいくと、「現代と一緒じゃん」となる価値観がほとんどだ。「人は愛するよりも愛されることの方が嬉しいと思っている」とか「友人こそ最も重要である」とか。

    「もっとも」と言う単語を多用しすぎている気がしていて、何が最も(1番)大切なのかが明確になっていない。加えて、少し説明が細かすぎて冗長でもある。本書は哲学本と言うよりは自己啓発本に近いのかなと感じており、もし哲学本だとするならば、相当読みやすいなと感じた。

    「アリストテレスもそう言ってた」という引用の仕方で、自分の主張の正しさを補強するのもありなのかもしれない。

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    2024年06月14日
  • ニコマコス倫理学(上)

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    批判を恐れずにいうならば、この本は「中間」が最も優れていることを丁寧に解説する本である。また、いくつかの徳(アレテー)が紹介されているのだが、その中でも最も素晴らしい徳は、正義の徳(アレテー)であると言う。それは、正義の徳だけが、自分だけでなく、他人に対しても適応されるからである。

    裁判や仲裁においても、その「中間」の美徳は採用されており、片方が一方に損害をもたらしたら、他方も同じ程度の損害を与えられることで、「中間」に戻すということだ。あらゆることがこの「中間」の考え方を適用できるのが興味深いところだった。

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    2024年06月12日
  • ニコマコス倫理学(上)

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    幸せを得る方法や、そのために必要なアレテーについて書かれている。
    この本は道徳の頂点にいると思う。価値観などのエッセンスが全て記載されている。多分、2割くらいしか理解出来ていないが、色々な本を読み進めたり、経験をする事で身になっていくのだろう。

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    2024年05月05日
  • 詩学

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     創作に関する世界最古のハウツー本。本書はアリストテレスが、古代ギリシア悲劇を定義したうえで、ホメロスやギリシア悲劇を分析して、そこから詩作においてポイントとなる要素を抽出する。特に第6章「悲劇とは、真面目の行為の、それも一定の大きさを持ちながら完結した行為の模倣であり、作品の部分ごとに別々の種類の快く響く言葉を用いて、叙述して伝えるのではなく演じる仕方により、憐れみと怖れを通じ、そうした諸感情からカタルシス(浄化)をなし遂げるものである」(p50)は、詩学に限らず、あらゆるストーリーに当てはまる普遍的な要素ではないだろうか。人間とは生まれた時代に関わらず、感情を持つ生き物であり、それを揺さぶ

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    2024年03月02日
  • ニコマコス倫理学(上)

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    ・アリストテレス先生の倫理学の講義を受けている気分になる。
    ・2300年前の人が書いた講義ノートを読み解くってすごい体験だな。
    ・「幸福とは何なのか」ではなくて、「幸福でいるためには何をするべきか」についての本だった。すごく実践的。
    ・ちょうど良いところを維持して、やるべきことをやる暮らしこそが幸福、っていう内容かなー。
    ・第五巻『正義について』が難しかった...。「不正」とかの用語のニュアンスがよく分からない。
    ・下巻もがんばろ。

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    2023年09月23日
  • 詩学

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    芸術を人間の本性的部分からアプローチしている点、働きによる定義付け、苦の感情を通した快楽はいい視点になった。

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    2023年08月29日
  • ニコマコス倫理学(下)

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    幸福(エウダイモニア)に至るための知的なアレテーの解説含めた人柄のアレテーとの関係、そして社会的動物としての人間関係のあり方としての友愛(フィリア)と、人間の欲望を制御するための意志の持ち方をを踏まえたうえで「幸福とはどのような状態を指すのか?」を提示した著作。

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    2021年11月27日
  • ニコマコス倫理学(上)

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    まず驚いたのは、これが紀元前に書かれた?ものであること。そして、倫理観や人生観について、紀元前も現代も大差がないことを実感した。特に第一巻から第三巻については、人格主義の重要性を唱えるコビー博士の7つの習慣の原型を感じた。
    人生におけるアレテー(徳)の重要性と中間性について、その価値観の洞察がすごいと思った。
    第一巻  幸福とは何か
    第二巻  人柄のアレテーの総論
    第三巻  アレテーの観点からみた行為ので構造、および勇気と節制のでアレテー
    第四巻  いくつかの人柄のアレテーの説明
    第五巻  正義について

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    2019年11月29日
  • ニコマコス倫理学(上)

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    昨年末に出たばかりの新訳と知り、興味をひかれ手に取った。翻訳は基本的に新しければ新しいほど良いと思っているが、それにしても本書の訳文は平易な言葉で書かれており、驚くほど読みやすい。訳注も、原語の意味や文脈によるニュアンスの違い、本文での訳し分けなどについて丁寧に解説されており、本文の理解にとても役立つものになっている。

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    2016年06月05日
  • 政治学(上)

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    国制に関する3種2階層の類型化と実際はその中でも様々な形態や中間策の適用があると言うところまでは分かったけど他は中々難解で…自分の勉強不足を感じる。

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    2024年09月15日
  • 政治学(上)

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    ネタバレ

    国家とはどういうもので何を目指しているのか、そして最高の国家とはどういうものか、先人の見解も紹介しつつ考察していく本。
    国家を「人が善く生きることを目指す共同体」と位置付けて、その発生過程や基礎となる家庭の運営について考えるところからはじめ、プラトンなど先人の国家観を検討・批判する。そして国家を構成する市民を「任期の限られない仕方で公職に就ける人々」として細かく検討し、さらに国制を「どのような人々が権力を持つか」に着目して王制・貴族制・共和制・独裁制・寡頭制・民主制の6種類に分ける。当時初期の小規模国家の体制ととらえられていたらしい王政について考察してから、現実的に成立できそうな中での最高の国

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    2024年07月17日
  • ニコマコス倫理学(下)

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    ネタバレ

    上巻は「人柄の徳」の説明で終わったが、下巻はもう一つの徳「知的な徳」の分類と説明から始まる。そして幸福と善に関連して愛や快楽の問題に取り組み、観想的な生活を称揚する結論で終わる。
    「究極の目的はそれぞれの事柄を理論的に考察して認識することではなく、むしろそれらの事柄を実践することなのである」とアリストテレスが述べているとおり、あくまで徳を実践することにこだわった内容になっていてすごく地に足がついている感じ。この印象は下巻でも一貫していた。しかし徳を身につける方法は全くお手軽なものではなく、幼少から習慣にして地道にコツコツ頑張るしかないというもので、自己啓発的な読み方を寄せ付けないところがある。

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    2024年07月09日
  • ニコマコス倫理学(上)

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    ネタバレ

    さすが光文社の古典新訳、とても読みやすくて解説も丁寧で助かった。
    アリストテレスは最高の善=幸福とは何か、と問いを立て、「徳に基づく魂の活動(徳を身につけ、優れた活動を行うこと)」と定義する。さらにそこから、徳とは何か、という問題に入っていくのである。徳を「知的な徳」と「人柄の徳」に二分し、「人柄の徳」を習慣によって身につく「中間性を示す選択を生む性向」であると定義して、実際の個々の徳がどんなふうに「中間性」を示しているのか考察していく(例えば、勇気は臆病と向こう見ずの中間である)ところまでが上巻。
    相変わらずひたすら分類と考察を繰り返していくことに終始していて、アリストテレスって感じがする。

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    2024年06月25日
  • 詩学

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    ネタバレ

    「悲劇(叙事詩)はどのようなもので、どんなストーリーが素晴らしいのか、どう作ればいいのか」を説いたアリストテレスの創作論みたいな話。訳が分かりやすくて、ホメロスやギリシア悲劇全集、プラトンを読んでいたのもあって前に読んだ「心とは何か」より格段に楽な読書だった。さらに解説がものすごく充実していて至れり尽くせりといった感じ。プラトンの詩人追放論との対比や、カタルシスの解釈の解説が特にありがたかった。

    「悲劇とは、真面目な行為の、それも一定の大きさを持ちながら完結した行為の模倣であり、作品の部分事に別々の種類の快く響く言葉を用いて、叙述して伝えるのではなく演じる仕方により、憐れみと恐れを通じ、そう

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    2024年05月25日
  • 詩学

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    のっけから、悲劇や喜劇を作ること(すなわち詩作)は総じて「模倣」である、とくる。模倣?訳注によれば、ストーリーの中で登場人物の行為を描くことは、言葉を駆使して行為を真似ること、すなわち模倣だと。ちなみに絵を描くのもアリストテレスにとっては模倣であるらしい。人は模倣が好きなのだと。言われてみればそんなものかとも思うが、現代人とはすこし違う観念を持ったひとが書いていることがよく分か

    そんな違う観念を持ったアリストテレスであるが、丁寧に理詰めで論じていくので、訳注の助けもあり十分に読み進められる。そのうち、その理詰めぶりがなんだかおかしくなってくる。例えば、大きすぎて視野に収められないような生き物

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    2023年10月15日