アリストテレスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
詩作について論じた古代ギリシャの哲学者アリストテレスの著作。文芸論・物語論・演劇論の起源とされている。
本書の特徴として自分が理解したのは、
1.ストーリーの創作論
2.西洋における芸術論の古典
3.アリストテレスの哲学体系の一部をなす著作
→後世の芸術家に与えた影響が絶大
ということなのだが……
正直、難解で大半は理解できなかった。見事に撃沈……。
説明に用いられている古代ギリシア作品は現存しないものも多く、意味が通じにくい。なにぶん古い著作ゆえ、原文の欠損も多い。よくわからないところ、読んでも自分には意味がないと思われるところはかなり読み飛ばした。本書の半分は訳者の解説になっていて、一 -
Posted by ブクログ
政治学の概説書で良く紹介されるアリストテレス。云わく「人間とは政治的動物である」(本書では「人間は自然本性的に国家を形成する動物である」)とか、王制と独裁制、貴族制と寡頭制、共和制と民主制という6つの国制分類など。そうした概説書ベースの紹介でのみ知っていた著書『政治学』をやっと通読した。
ホッブス以降の政治学、また近代国家における国家像をイメージして本書を読むと、これが政治学の本かと違和感を持つかもしれない。
「善く生きること」が最も重要であり、アリストテレスによれば国家とは最高善を目指す共同体であり、人間は国家共同体に関わってのみ人間の自然本性を発揮できるということになる。
「自 -
Posted by ブクログ
「善」とは、単なる信条ではなく実際の行為であり、善いことを行為する事こそが善いことである。そしてその行為は、「性向」として、本人がそれを望むがゆえに積極的な態度で行われる必要がある。善きことを「適当な程度」に望む性向が「徳」。例えば、過剰な勇気は蛮勇であり、過少な勇気は臆病であるように。言ってみれば、徳は中庸と呼べる行き方、態度に関わる性向と言えるか。テキトーにやる、のでなく、適当を見極める、なので、非常に能動的かつ精神を働かせる形ではあるが。
個人的に興味深いのは、キリスト教が支配的になる以前は、こうしたバランスを取る事を良しとする生き方が称賛されていたのだ、ということ。アウレリウスの自省録