輪島裕介のレビュー一覧
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キーワード集という体裁をとっているところが軽やかで良い。各論の内容は専門家には物足りないかもしれないが、あまり充実させすぎると百科事典みたいな本になってしまう。ソフトカバーで厚さ一・五センチ程度というこの親しみやすさが良い。
というのも、“はじめに”の中に「体系化したテキストをつくるには障壁になってしまうポピュラー音楽研究ならではの学際性・多様性をむしろポジティブに引き受け」とあるように、この幅広さがこの分野の楽しくも難しくもあるところなのだと思う。どんなテーマで研究する人も、この本に挙げられているどのキーワードに対しても「全く無関係」という態度ではいられないだろう。勉強することが多くて大 -
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ネタバレいわゆる「演歌」は日本の心である、という現代の人たちにほぼ疑いなく浸透している意識に対し、本当にそうなのか?という疑問を持った筆者の力作。
徹底的に資料を読み込み、豊富な実例を挙げながら、「演歌=日本の心」となっていく過程について丁寧に語っている。
そもそも演歌は演説歌の略称であったはずなのに、一体いつからそのような認識が広まっていったのか、一体誰がそれを作り上げたのか。
それは、左翼的文化人と、レコードを売りたいレコード会社と、そしてマスコミによる意識的/無意識的な絡まりあいであった、と理解しました。
目から鱗のことばかりで、読んでいてとても刺激的でした。 -
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そもそも「演歌の定義は?」と言われると、私も前からはっきりしないなと思っていた。
例1:河島英五の「酒と泪と男と女」は演歌なのか?
演歌の歌詞の要素として誰からも異論は出ないだろう「酒」「泪」「男と女」が凝縮され、タイトルから見たらこれこそ「ザ・演歌」なのに、この歌を「演歌」に分類するのにおさまりの悪さを感じる人は多いはず。
例2:「川の流れのように」は演歌?ならば「雨の西麻布」は?
本書P269でも言及されてるけど、同じ作詞・秋元康、作曲・見岳章のコンビ作で、いわゆる兄弟関係にある作品なのに、「川の流れ~」は「日本の名曲」で「雨の~」は全然そう言えないってのもなんだかおかしくない?だって、も -
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昭和歌謡を学術的に解き明かしたマジメな本。
音楽を踊れない、踊れる、に分けて芸術音楽と大衆音楽に分ける考え方は面白い。
いささか強引かな、とも思うけど。
戦前の西洋音楽の輸入からサンバ、ボサノヴァ、果ては日本独自のドドンパ、世界を席巻したツイスト、そしてアイドル歌謡、現在はユーロビートまで、日本で流行した「歌謡」を考察する。
大変面白い読み物でした。
今はYouTubeが有るからホントに便利。気になった音楽は、その場で確認出来る。
「ブルースブラザーズ」は凄く面白そう。
アイジョージの、ドドンパは私が作った、との後追い説明も時代を感じて興味深い。今なら通用しない言い訳ばかり。
全編通じて飽きさ -
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笠置シヅ子と服部良一の戦前からの活躍とその音楽の魅力を、
多くの資料や文献、楽譜等を駆使し、解き明かしてゆく。
・前口上 「近代音曲史の野望」
第一章 「歌う女優」誕生~大阪時代の笠置シヅ子
第二章 服部良一と「道頓堀ジャズ」
第三章 レコード・ラジオと「国民歌謡」
第四章 スウィングのクイーン&キング~松竹楽劇団時代
第五章 関西興行資本の東京進出~松竹・東宝・吉本
第六章 時代のアイコン「ブギの女王」
第七章 服部は「ブギウギ」をどう捉えていたか
第八章 リズム音曲の画期としての「買い物ブギー」
・謝辞
朝ドラ「ブギウギ」が史実に沿って描かれていることが
改めて分かる内容で、実に多くの資 -
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