酒井泰介のレビュー一覧
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リード『同僚に知られずにこっそり出世する方法』(2015、ダイヤモンド社)を読む。
トロント在住の経営コンサルが組織の力学を語ったもの。なぜ無能な幹部が多いのか、という一見シニカルな問いから出発し、「そんな無能でも幹部になれた、その技法とは?」という実用主義的なアプローチで組織の力学に迫っております。
わが社でも、ピュアハートな若者が「俺を使ってくれるところで頑張りたい」(聞いていて胸焼けがします)などとのたもう(そしてお局にいじめられて心身を病む)一方、戦略のある者は独自の道を切り開き…
【本文より】
○大した手腕も情熱もない、無能な上司が成功の果実をあらかたもぎ取ってしまうー誰も -
購入済み
複雑な問題を単純に切り開く
期待効果。これを金銭に換算し、統計を用いてブラックボックス化して恋愛の機微のアウトラインを浮き彫りにしている。
驚くべき異世界。でも腑に落ちて、面白い。 -
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リーマンショックによる大恐慌を改善方向にした国々で何が起きていたかというと,反緊縮財政を唱える政党を国民が勝利させていたという事実。つまり,国民が政治を変えた国。政治家が政治を担うのだけど,国民が任せっぱなしにしない国。
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歴史を学べばそんな失敗を絶対に避けられるとは言わないが,暮らしに関わるような政策を立案する前に,そこから教訓を汲む努力をするべきである。(p.45)
経済学の議論に臨む際には,古の政治家/雄弁家キケロが残した問い―「誰が得をするのか」―を考えなければならない。(pp.415-416)
時には,あからさまに一部の集団を利するような疑わしい仮定に基づいている -
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データサイエンス、ビッグデータによって社会科学は真の科学になる(366頁)。本書の主張を一言で表せばそういうことになるだろうか。
ビッグデータには4つの独特な力があるとする。
第1は、ポルノに関するデータのような新種のデータをもたらしてくれること。これにより夢判断や錯誤に性的願望が現れるとするフロイト理論が偽であるとされる。
第2は、Google検索の匿名性が守られるところでは、正直なデータがもたらされること。
第3は、データが膨大な規模で入手可能となったので、小さな部分集合に絞り込むことができること。
第4は、手軽に無作為抽出比較対照試験、A/Bテストができて、単なる相関関係では -
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ネタバレイノベーションに関する名著
メモ
⭐️戦略的イノベーションを推し進めるのは戦略的実験事業。以下10の特徴が共通する。
・非常に高い売上の伸びが期待できる
・異質な変化により生じた新興市場ないしは範囲が曖昧な市場を狙う
・他社に先駆けて収益モデルも確立していないうちに立ち上げた事業
・既存事業の進め方や今後とはかけ離れている
・資本だけでなく、社内の資産や能力を活かしたもの
・新たなナレッジや能力開発を伴う
・確立した分野での効率改善でなく、全く新しい事業に乗り出す
・多くの面で様々な不確実性を伴う
・数四半期は利益が出ない。チャンスは一度しかない
・評価が難しい
■差を生むのはアイデアで -
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この内容で、1800円プラス税はお買い得です。
経済学の入門書としてもバランスよく、簡潔明瞭にまとめる筆さばきには、筆者の学識の高さがうかがえます。
特に、第1部の「習うより慣れろ」では経済学を9つに分けた比較一覧表は必見です。また、あえて多数の経済学派を紹介した目的の1つとして、一般人が「他に選択の余地はない」という権力者に、きちんと反論できるためだそうですが、世の中に唯一正しい経済理論が存在しない以上、その判断はかなり困難を伴いそうです。むしろあとがきでも触れていますが、「ハンマーを持つ者には何でも釘に見える=特定の理論的視点から物事を見ようとすると視野狭窄になる」ようにならないための教養 -
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114経済学の95%はただの常識に過ぎない
・資本主義:自家消費や政治的義務(社会主義)のためにではなく、利潤を追求して生産が整う経済
・様々な経済理論を正しく理解するためには、資本主義がどう発展してきたかを知る必要がある←経済理論の有効性は時と場合による
@cpa_1992
・先進資本主義経済が最も急成長していたのは、規制が多く重税が課されていた1950年代から1970年代だった→経済成長のために減税と行政改革は必要?
→事実は空想よりも強し
@cpa_1992
・19世紀の西欧諸国による資本主義の発展とその派生物は、自由貿易と自由市場の拡大のおかげではない、保護主義政策のおかげ?
・ト -
Posted by ブクログ
恋愛や性交渉を経済学的の対象として分析した例は多くない。それゆえに示唆にと読む一冊であった。
経済分析をするためには必ずデータを基本としないといけないが、そのデータ(実験結果)をふんだんに盛り込んで検証している。
たとえば、自分がアジア人だとして、白人女性を射止めるためには、白人男性と比較してどの程度金銭的なアドバンテージがあればよいのか、または若ければよいのか。
(ちなみに答えは黒人の場合は+1200万円、アジア人の場合は+2500万円だったような・・・。。。絶望的な値だ)
すこし気になったのが、本書に出てくるデータのほとんどがアメリカまたはヨーロッパで実施されたデータをもとに議論され -
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クレイトン・クリステンセンらと並ぶイノベーションの大家であり、「リバース・イノベーション」や「イノベーションを実行する」で知られる著者の「原点」ともいえるイノベーション実践論。
大企業が全く新たな事業で成功するためには、既存コア事業で成功しているビジネスモデルを良い意味で「忘却」して組織的DNAの独立性は担保しつつ、既存事業との間で最低限の接点を持つことで重要なリソースを「借用」するとともに、不確実性の高い新規事業の特性から、既存事業にような目標必達型マネジメントではなく、仮説・検証・修正を短期で繰り返すことで得られる「学習」に重点を置くマネジメントが必要と説く。
カリスマ的リーダーや、素 -
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ネタバレ結婚は唯一無二の相手との恋愛の延長にあり、他とは比べられない、全くの非経済的な行為である。と思っていたのだが、どうやらそうではないらしい。
本書は、女性の高学歴化、高収入化、多産化・少子化、妊性の高低、各年代毎の性行為など考えられる相当な状況での性行為や結婚・離婚のコストと実際の統計を分析している。
勿論、恋愛・結婚は唯一無二の関係なのだが、前提条件があるわけで。その前提条件こそが、「経済的なコスト」なのだ。相性が大事、共通の価値観が大事、これらは我々が意識するかしないかのレベルで既に計算済みの経済的なコストの上に成り立っている。 -
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大企業でどうやって新規事業を起こすのか?
が具体的に書かれている本。
新規事業というと、スタートアップやベンチャーがどうやってそれを立ち上げたか、みたいな形で語られる本が多いと思いますが、本書では、大企業がどうやって新規事業を起こすのかが、事細かに書かれています。
チェックリストがあったり、理論方計画法(TFP)で計画を立てるやり方がかかれていたりして、超具体的で逆についていけないところもあります(笑)
しかし、本書で伝えていることはシンプルで、対応すべきは3つの課題です
・忘却の課題
・借用の課題
・学習の課題
とはいうものの、とてもじゃないけど簡単には対応できない!
・忘却の課題 -
Posted by ブクログ
ネタバレ書評でみて。経済学を「やる」ことや、「恋愛」「結婚」から説く。様々な研究者の論文などから引用して、マジメに、説明している。大学生、結婚、不倫、老人、それぞれの事情について、経済的にはどのように評価されるのか、統計の比較で、わかりやすく解説。高校の先生に、今の高校生の性の現状について聞いたことがあるが、高校生、大学生がこれから、どのような人を選ぶべきか、なぜ、今、勉強が必要なのかも経済論理から説明していて、きっと役に立つと思う。いや、今、恋愛している人、結婚しようとしている人、不倫をしている人、いろいろと楽しもうとしている人、みんなが読んで参考になる。この本を読みながらピケティを意識した(読んで