酒井泰介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
経済の話というと何となくとっつきにくく、専門家(エコノミスト)の言っていることが唯一の正解と認識してしまうことが多々あった。
本書を読み、そもそも学派がいくつもある(新古典主義派、マルクス学派、行動経済学…)時点で、考え方次第で何とでも言えるし、政治的なものだということがよく理解できた(これも、何となく今までそういう認識がなかった。自分は建物の耐震に関する研究を仕事にしているが、例えば地震による建物の損傷過程について、人によって考え方が違うということはないし、そもそも学派など存在しない)。
経済の話は難しいと敬遠せず、専門家の意見がどういう考え方に基づく理論なのか、よく吟味する癖をつけて -
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用いられているのは欧米の統計なので、どこまで日本社会に当てはめられるか疑問だが、面白い視点を多数得ることができた。
人が結婚やセックスに関わる決断を下す際に、経済的因子による影響を多く受けているという大胆な説に、疑いを持っていたが、読み進めると納得できた。
以下、印象に残った点を記録。
※ネタバレ注意※
○女性は経済で、男性は外見で相手を選ぶ
→魅力的でない男性が女性とデートをするためには
魅力的な男性以上の稼ぎがあることでクリアできるが
魅力的でない女性が男性とデートをするためには
いくら稼いでいてもダメ
→男性は女性の外見を非常に強く気にしていて、
収入はさほど気に -
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Posted by ブクログ
経済学の理論を用いて「SEX」と「恋愛」行動について読み解こうという、野心的な経済学の本。日本では「草食男子」「肉食女子」という概念が定着して久しいが、海の向こうでもそうだったのね。そして、男子に一定の経済力を求めるのも万国共通なのね。私みたいな「中年フリーター」は、読んでいて精神が鬱状態になってしまったわい。恋愛傾向が人種によって大きく違うのは「ああ、やっぱりね」と思ってしまう。経済力が高い階層ほどいい教育を受けられ、低ければ低いほど、まともかつ真っ当な教育を受ける機会が低い現実を、この本でもイヤというほど認識させられる。だが残念ながら、この本では「貧乏な人間が、どうやって恋愛を楽しめばいい
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Posted by ブクログ
様々な理由で失敗した企業(多くはまだ存続している)の失敗とその原因と背景、理由が書かれた本。
アメリカで出版された本だが、その中に雪印の「私は寝てないだ!」と言う有名なせりふが書かれていた。うーん複雑・・・。
もし第2弾が出ればきっと東電、オリンパスもケーススタディとして俎上に乗せられるんだろうなぇって思いながら読んでいた。
今回出てきた企業のCEOは、実はすでに問題点や変化の兆候が分かっていたケースが多かったようだ。しかし、すぐに元通りになるだろう。とか自分の考えは間違ていないという考えや、周りにはCEOに厳しい意見を言う人がいなかった(そういう人は排除されたり、握りつぶされる)などの理由 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一時代を築くほど成功した経営者が失敗した理由が様々に乗せられている。分析というほど事例が多くないので、雑多な印象は受ける。成功するための製品開発力や強力なCEOの統率力など、強みが空転している事例が多い。
アナログ→デジタル、ワープロ→PCなど現場から要望が出ていても、今の事業の成功体験から離れられずに、取り残されると致命的な波に乗れない事例や低軌道衛星電話で顧客を集められなかったモトローラ、成熟している車事業に後参入しようとして失敗したサムスンの事例など、トップが判断を誤ってしまう。
周到な準備をして誤って見方を壊滅させた軍隊の例を挙げ、「ビジネスにおける失敗とはたいていそんなものである。本 -