鳴海四郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ポアロシリーズはメロドラマ的なスタートから始まる事が多いが、今作でも元女優の美しい女性とスポーツマンでとても美青年が物語の主軸になる。
舞台となる美しいリゾートホテルは描写だけでも煌びやかで、お金持ちが宿泊する。評判のホテルだ。ポアロは休暇で訪れていたが、案の定、事件を呼び寄せてしまう(笑)ホテルに宿泊する人達は個性豊かな人達が多く、こんなコミュニケーションが求められるのは嫌だなぁと現代的に感じてしまう。一癖、二癖と持っている登場人物達は、ある意味で冒頭からミスリードを誘う様な描き方もされており、結末で結局は良い人だった、悪い人だったが当然ある訳だが、少々大袈裟だろうと苦笑いしてしまった。
ポアロと宿泊客達は漠然としているがどこと無くこのホテル内で「悪」の存在を意識しており、おかしな牧師は悪魔について語る様な有様だ。ただし間違い無く異様な空気は漂っており、冒頭、それはあらゆる男性を虜にしてしまう(タコの様だと言われており笑ってしまった。当時の人達の悪口はシリーズ通して辛辣なんだ(笑))元女優に向けられているが、彼女の死をきっかけに本当の「悪」が炙り出される。
ポアロの彼らしさは普段より少ないかも知れないが、今回の細かい、何気ない事柄が真相に繋がっていく様はまさしく作中で述べられている様にジグソーパズルのピースの様な役割だ。彼の作品は事件が何度も起きる、第二、第三の事件が発生する事もしばしばあるが、今作では様々な部分がまとまっており、とても読みやすい作品だった。
16歳の少女が登場人物として役割を与えられているが、当時ではこの年齢はまだまだ子供の部分が強いのだと感じた。現在の中学生くらいのイメージが受け入れやすい。感受性豊かな世代であり、事件にも関わるが、最後、一人にしてはいかんだろうと思ってしまった。こういう部分も踏まえて読者を欺こうとするのは良いが、今作はやりすぎている様で、登場人物達とポアロ達がコミュニケーションを取る場合に、全員が何かしらおかしな事をしており(笑)。少し狙いすぎだと思う。
(今作の空気感には合っている感じだ。)
まあ、何だかんだ面白い事には変わりない。フーダニットに関しては流石のクリスティだった。 -
購入済み
面白かった
謎とはいえないような
細かな疑問点が提示されて
最後にカチッとはまるのが、
とても面白かった。
なんというか、被害者がとてもかわいそうだなと思った。 -
Posted by ブクログ
僕が最初に触れたミステリは、『シャーロック・ホームズ』と、『そして誰もいなくなった』だと思う。
ミステリ界の巨人と言えば、コナン・ドイルとアガサ・クリスティ。
そのクリスティの傑作戯曲と言えば、なんといっても、『検察側の証人』でしょう。
ぐいぐい見るものの興味を引きつけ、一瞬たりとも目が離せなく、二転三転していくラストは、圧巻の一言。
「エルキュール・ポワロ」シリーズや、「ミス・マープル」シリーズなどで、小説ばかりがどうしても目立ちますが、戯曲もけっこう書いていて、その中でも、ロングランを誇る作品として知られるのが、この、『ねすみとり』。
実は、ミステリというのは、芝居にはしにくいんですね。
なぜと言うに、単純な話、「殺人事件を扱った場合、殺される役の人は、その後、出番がない(もしくは極端に少なくなる)」ので、出番の少ない役者が不満に思う可能性があるのですね。
まあ、気にしなきゃいいだけの話かもしれませんが、そこはそれ、僕は気にする性格なので。
ついでに、昨今のミステリだと、いわゆる「叙述トリック」というのが人気だと思いますが、これもまた、生身の役者がそこに存在する芝居ではなかなかうまくいくことがまれであり。
さてそんな芝居で、ロングランになり得るだけの傑作をものせるクリスティには、もはや脱帽と言うしかないわけで。
戯曲なので、小説に慣れ親しんだ人にはちょっと読みにくく感じるかもしれませんが、舞台写真や舞台配置図などの図版もありますので、いろいろと想像しながらお楽しみいただければ良いのではないかなと思います。
いつか生の舞台で観てみたいものです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ気をつけなさい、そこに悪魔がいる。
ポアロが滞在するホテルには様々な人が集まっている。平穏な休暇はある女性の死によって終わりを告げた。女性に敵が多かった、男を引きつける元女優の死。首を絞められるという死因から、犯人は女ではなく男と思われたが、夫にはアリバイがある。ポアロが見つけた悪魔とは——。
怪しい男にはアリバイがあり、女たちでは絞殺できない。洞窟から麻薬が出てきたり、呪いを実行する娘がいたり、偶然再会する幼馴染がいたり、込み入った犯人当てではあったが、最初のシーンのポアロのセリフが犯人を示していたとは。なるほどとしか言えない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ少し物足りなかった。面白い話ではあるんだろうけど。
クリスティーの旅行先での話はある種、様式美のようだと思う。人間関係も緻密に構成されていて、今回は元女優で男性たちが惹かれずにはいられない美貌の持ち主、アリーナ・マーシャルを中心に恋愛模様が絡み合っていく。そして、このアリーナ・マーシャルが今回の被害者なのだ。
あまり心が動かなかったのはどうしてなんだろうと考えてみたが、犯人たちが殺人を犯す動悸があまりにもありふれていて、そのへんのネットニュースにでも出てきそうだったからかもしれない。クリスティーにはどうもドラマチックさを求めてしまう。
物語の落としどころも、まあそうなるよねといった感じになっていて、クリスティー作品をぽつぽつと読んできて初めて(!)古さを感じた。普遍的ゆえの古さみたいなものを。
最後のリンダとポアロの会話なんかは味わい深かったし、ガードナー夫婦もとても面白かったんだけど、やっぱりちょっと驚きが少なかったかな。 -
Posted by ブクログ
久々のポアロさんです。
新訳が出たのでそちらをと思ったのですが、本屋さんで手に取ったらなんと1800円+税……!
さすがに躊躇ってしまい、旧訳の方で読みました。本も高くなったなぁ。。
以前、ドラマで「砂に書いた三角形」を視聴しており、その短編を発展させたものがこの『白昼の悪魔』だと耳にしました。
なので、あのお話と似た結末なのかな〜と先入観ありまくりで読んでしまい、結果的に犯人にはすっかり驚かされることに。
まあ私が勝手に騙された話は置いておいて、今作は非常にシンプルなフーダニットであり、途中で疑問点が整理されるなど、なんだか久しぶりに王道なミステリーを読んだ気がしました。
『エッジウェア卿の死』同様やはり訳に古さは感じたものの、これはこれで。「ノウタリン」とか、新訳ではどうなってるんでしょう。「おばかさん」くらい?
……いやでも、犯人の行動があまりに忙しすぎてちょっと笑ってしまいましたが( ̄▽ ̄;)
”クリスティーあるある”なラブロマンスも、「自慢のお店じゃないんかい!」とツッコミたくなる気持ちもありますが、当人が幸せならまぁいいか。笑
ちなみに今作のドラマ版は、この後レギュラー組の出番がめっきりなくなるそうで、こちらもしっかりと見届けたいなと思う次第です〜。