小笠原慧のレビュー一覧
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DZもでしたが 作者の知識量 情報量が多くて読んでいる間 理解に必死。理解していくのが楽しい。→読んだ次の行で忘れてしまうのですが。
自分に知識と理解力がもっとあればいいのに、『こんなすごい小説を100パーセント理解できないなんてもったいない 』 と 自分を恨めしく思いながら読み進めました。
昆虫 障害児童施設 猟奇 精神医療・・人間を取り巻く驚愕の世界の数々に圧倒。知ってしまうとどれもリアルで悲しい。知らないという事はなんと能天気な事でしょう。ミステリーとしてのプロットよりも 未知の世界の情報量に圧倒されたというのが正直なところです。 -
Posted by ブクログ
小笠原慧の本はこれが初めて、かな、たぶん。
ちょっと大人な感じ(?)。ミステリ+ハードボイルド+SF、みたいな。
雰囲気的には、浦沢直樹のマンガ『Monster』に似てるかも。
いろんな場所でストーリーがそれぞれ進んでいって、次第にそれらが1本のでっかい流れに集約していく、映画みたいなとこも、人の進化を扱ってるところも。
ストーリーは文句なしにおもしろかったです。
でも、この本とは直接関係ないんだけれど、「人の進化」…。みんな、それのどこに興味があるんだろう?
あたしはあまり、種の保存みたいなことには関心がありません。っていうか、自分が死んだ後の話のどこに関心をもっていいのかわからな -
Posted by ブクログ
ネタバレすっごいスケールの大きな小説なので外人が書いたみたいになってます。
のめりこんで気づくと「そうだ、日本人が書いたんだよな~」って思い出すほど。
最初は、シーンの展開が早く、いつの間にかに年月が経ってたりして、「あれ?」と思うとこがあったんだけど、それを乗り越えれば、ぐいぐい読めてしまいます~。
精神病患者とその染色体に関する背景は、まさに精神科医兼医学博士兼作家のなす技で、こんなわたしにもよくわかりました~。説明して箇所は何箇所かあるけど、その説明もしつこすぎず、簡潔にわかりやすく書かれてたので読んでて苦にならなかったし、小説としてもミステリとしてもおもしろく、最後は「あーっ!」と言わせてく -
Posted by ブクログ
ネタバレ本の中で載っている話。
吸血鬼ドラキュラの話しである。心理学や社会学の理論がちりばめられてある。ドラキュラの性各をフロイト的解釈で、十字架とニンニクは男根の象徴。オザリオ(輪)は女性器の象徴。つまり、性的なものを忌避している。ドラキュラが鏡に映らないのはラカンの鏡像段階理論から「幼児は鏡像段階を経て、対象化さあれた自我へと発展する。その場合の鏡とは、幼児の姿を映し返す母の目差しでもある。ドラキュラは鏡に映らない。彼は自己愛を獲とくすることにさえつまずいた」のである。
<悪のポジティブ・フィードバック>理論
犯罪が坂道を転がり落ちるような加速過程に陥りやすい理由として、自己処罰的な無意識の破壊行