小笠原慧のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ私はもともとあまりミステリーは読まないほう。読んだのっていえば
中学時代に読んだ辻真先と山浦弘靖(ミステリーというより少女小説に近いか?)、江戸川乱歩もミステリーに入れていいですよね。。。。ぐらいでした。それら以外でミステリーを読もうと思ったのが、この本。
きっかけは・・・本書の筆者は私が以前勤めていた精神病院のDrなのである。病院主催のフリマでちゃっかり購入し、サインまで頂いてきちゃいました(ちょっと気恥ずかしかったが)。この本、まだ実家にあります。
あらためて思いましたが、ミステリーってこんなに面白いなんて!というのが率直な感想。映像化してほしい作品のひとつなのですが二時間ドラマにされたらイヤだなぁ。。
最初の読みすすめはいつもの私からは信じられないぐらい遅かった(作中に出てくる用語が結構難しいので)のだが、途中からはやめられなくなりました。ミステリー好きには身に覚えのある体験ですな(^^)
ベトナム難民船から救出された妊婦、冷凍庫で凍死していた老夫婦、異常なまでに優れた知能をもつ幼女とその親、医師国家試験を控えた女とアメリカの研究所行きが決まった男のカップル...これらのエピソードがストーリーを読みすすめていくに従ってだんだんとひとつにまとまっていくところが、ジグソーパズルをはめていく感覚ですっきりした読後感だった。まるで映画を見ているかのようなストーリー展開で。映画の構成では「トラフィック」 のような感じかな。
ただ、特に前半は断片的なエピソードがボツボツとあるので、何回もページを戻ったりして確認しながら読みすすめないと内容がわからなくなるのがツライけれど...(^^;)最初のほうは付箋片手にエピソードごとにチェックを入れておくと読みやすいかも?? -
Posted by ブクログ
新米臨床心理士の森田美夢。難航した就活を乗り越え、やっと見つけた個人経営の心療内科。そこは伝説の精神科医が新規開院させたメンタルクリニックだった。
勉強のため院長助手も兼務しながら心理士としてのキャリアをスタートさせた女性の成長物語。
◇
森田美夢は日曜日のショッピングモールを悲壮感漂わせて歩いていた。3月に入り、モールはホワイトデー商戦真っ盛りだ。そんななか美夢は、とあるカフェを目指して急いでいるのだった。
美夢は大学院を卒業したばかり。憧れの臨床心理士の資格も取った。なのに就職先が見つからない。
もともと求人数が少ない職種だからどこも高倍率になる。完全に買い手市場状態で、公的機関や大きな医療施設などは特にそうだ。
こんなときは先輩の多寡が命運を分けるだけに、比較的歴史の浅い大学院出身の美夢は明らかに不利である。いろいろなところにエントリーするのだが書類選考すら通らないことがほとんどで、面接まで進めても採用に漕ぎ着けることはできずにいた。
いたずらに時間だけが過ぎ、求人すら出なくなった2月下旬のこと。ネットの求人サイトでたまたま個人クリニックの求人広告を見つけた美夢は、すぐさまWeb応募した。これを逃せば路頭に迷う。決死の覚悟だった。
数日後、面接に来るよう連絡が来た。リクルートスーツに丁寧にアイロンを当て、決死の覚悟パート2で臨む美夢。
求人を出した奥田クリニックは、新規開院のためのスタッフを追加で採用するということらしい。ただ開院は4月からで建物はまだ建設中のため、カフェで面接を行うことになった。
ところで採用してもらうことで頭がいっぱいの美夢には、ドクター奥田がどのような人物なのか、知る由もなかったのである。( 第1話「CASE 1. ビューティフル・ドリーマー」) ※全4話。
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タイトルに惹かれて手にとりました。最初はラノベの延長のような軽い作品かと思ったら、なかなか専門的でためになる正攻法の作品でした。
人のとる異常行動の多くはSOSのサインだといいます。
心の平衡が取れなくなっている苦しさに耐えかねてサインを出すのですが、そのサインは人によって違います。
記憶が飛んでしまう、万引きなどの犯罪を繰り返す、極端な潔癖症になる、自傷行為に走る、何かへの依存がひどくなるなど、実にさまざまです。
周囲の人は戸惑い引いてしまうほど異常を感じていますが、当人はそれ以上に苦痛を感じて困惑しているのです。
患者はそれら表面に出た異常行動を緩和、できれば抑制してもらおうと来院します。医師は対症療法として安定剤などの投薬も行いますが、実は異常行動に繋がる根本原因を探り当て、そこをケアすることこそもっとも大事なのだということが、切々と伝わってくる内容でした。
主人公は臨床心理士の森野美夢。まだ新人ながら勉強熱心で仕事に一生懸命に取り組むところが評価され、奥田医師の医療助手を任されます。
伝説のメンタルドクターの診察を間近で見られることで美夢は成長を遂げていくというのがメインストーリーなので、読む側も美夢とともに研鑽を積んでいるような気持ちになりました。
物足りない点は2つあります。
1つめは、美夢が関心を持つ「夢占い」のウエイトが、さほど大きくなかったところです。
心理療法の現場で夢分析を前面に押し出すのは無理があるのかも知れませんが、せっかく主人公の名前ともリンクするような設定なので、もう少しうまく使ってほしかったと思いました。
2つめは、美夢がプライベートで抱える問題が曖昧なままで終わったことです。
恐らく父親との関係を乗り越えることが美夢の真の自立に繋がるのだろうと予想できるだけに、そこに蓋をしてラストを迎えてしまったことが、どうにもスッキリしませんでした。 ( 続編で描かれることになっているのならゴメンナサイ。)
ところで、作者の小笠原慧さんは、第1線で活躍なさっている現役の精神科医だそうです。臨床系の医師として現場で治療に携わるとともに、本名の岡田尊司で多くの著書を出してもいらっしゃる方です。
その小笠原さんが紹介する具体的な症例がとても興味深く感じました。
また、治療については経験豊富な腕利きのメンタルドクターが問診をしつつケアしていくのだと思っていた私にとって、予診に当たるカウンセリングがかなり大きなウェイトを占めるのだということも新鮮でした。
通信手段やSNSなどの発達によって、精神的な負担のリスクがますます大きくなっていくことは確実です。並行して心理療法への関心も高まっていくと思われるので、こういった精神医療をテーマにしたわかりやすい作品が増えていって欲しいと思いました。 -
Posted by ブクログ
読み出があるボリュームだぅたが、一気に読んでしまった
精神科医である先生による小説。
ケースワーカーである美知と精神を病んでいる晃。
難しい仕事だが、美知は懸命に彼に向き合おうとする
後半に向かってどう行き着くのかなぁと想像していた 美知の、彼のことをワーカーとしての仕事としてと、男性としての想いと複雑に絡み合って感情が揺れ動く様子がよく表れていて切なくなってしまった
「風の音を聞こえますか」は レッドツェッペリンの「stairway to heaven」の引用のようだが、晃がギターの話を振った時に機嫌が悪くなった理由はどこかに書かれていただろうか