中澤日菜子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
銀治は長年勤めてきた警備会社を定年退職して、今はシルバー人材センターに登録し家の片付けや草むしりなどの依頼を担っている。
家族のために働いてきたつもりだが、家族を犠牲に仕事中心にしてきたせいで妻と娘とは別れている。
そんな強面大柄銀治が、シルバー仲間の仕事を急遽引き受けなければいけなくなり、保育園の草むしりをすることになったのだが、それがきっかけで家庭とも子供とも向き合ってこなかった銀治が、なぜか子供たちを相手に仕事をするはめに。
あー、家庭を省みず1人ぼっちになったおじさんの再生物語かぁ。と軽い気持ちで読み始めたが、想像以上に良い話だった。
保育園にいる障害児と健常児との問題。
家族 -
Posted by ブクログ
5話中全てほっこりするエピソードだったが、
私は特に、最後の「浩とお母さん」のエピソードに心を打たれ涙した。
精神的にも相当追い詰められてる浩に立ちはだかる更なる悲劇、それに対しても自ら最適なアンサーを求め必死にもがいている姿がとてもかっこよかった。
本書を通して、
「他人が知らないところで苦しみ、悩み
そして時には絶望に打ちひしがれている」
このような人が身近に多くいる中、相手と関係を築く際にそれに気が付かず、時に相手を勇気づけ、時に傷つけてしまっているのではないか?
ということを考えるきっかけになった1冊だった。
相手のことを100%理解すことは難しいが、相手を傷つけないためにはどうす -
Posted by ブクログ
Team383。
後期高齢者の市民スポーツチームだ。そのメンバー5人の葛藤と希望を描く。
5章からなり、5人それぞれが各章の主人公を務める。
* * * * *
タイトルから「ママチャリカップ」出場で生きがいと若やいだ心を取り戻し、練習とチームワークで以て大会で ( できれば ) 結果を出すような、 ( 第2の ) スポーツ青春物語かと思って読んだのですが、案に相違して後期高齢者のヒューマンドラマでした。
話題も、運転免許返納、体力低下、老々介護、婦人病、認知症、ゴミ屋敷と、高齢者問題オンパレード。それをチームプレイで乗り切っていくというストーリーは、痛快さ -
Posted by ブクログ
表紙とタイトルに引かれて、この本を手にとりました。
著者の作品を読むのは初めてです。
「一等星の恋」を読み終わって、短編集という事に気づき、巻末の山崎直子さんの解説を読んですべての作品に宇宙が関係してたんだ、と気づくというくらい、何も考えずに純粋に作品を楽しめました。
私も星や宇宙が好きです。夜、外にでてただ空を見上げる時間、最近はなかなかとれませんが、大切だなと感じました。
一番心に残ったのは七夕の旅です。
車窓からの景色をどんな気持ちで見ていたのか、千代子さんは七夕の笹に小袋を見た時にどんな事を思ったのか、読んだあとの余韻が響きました。
でも、「一等星の恋」というタイトルで素敵な表紙で -
Posted by ブクログ
定年退職後に妻から離婚され、孤独な生活を送っていた銀治は、シルバー人材センターから保育園の草むしりに行くことになる。
女性と子どもが苦手な銀治は、数日だけの我慢と思って行ったのだが、ひょんなことから保育園の嘱託職員となるはめに。
子どもたちと接することや掃除、洗濯、片づけなども徐々にできるようになる。
保育園には発達障害を持つ親の悩みなど、今まで関わったことのない思いをすることもあった。
そんな折、別れた妻から娘の病気のことを聞かされ…。
勇気を持って行動すること、諦めないことなどを保育園で働くことによって気づかされる。
いくつになっても知らないこともあり、発見もあるということはまだ