中澤日菜子のレビュー一覧

  • ニュータウンクロニクル

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    題名を見た時に、自分が未就学児から中学生まで住んでいた団地での、生活、友人関係、町の移り変わり等とダブるのではないか?と思い読み始めました。解説も参考文献も見ず、「わが丘1971」から読み進めるにつれ、モチーフは「多摩ニュータウン」だとわかりました。自分が住んでいたのは多摩ニュータウンではない、都営団地で入居した時期は1971年より早いのですが、ほとんど変わりません。この小説は、年代記としての物語ですが実際、人工都市に住んでいた私には昔を懐かしみもしますが、自分の故郷が人口の減少、建物の経年劣化によって建て替えられることで跡形もなく無くなることに寂しさを感じます。どんな街でも最初は開拓地であり

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    2022年08月29日
  • お父さんと伊藤さん

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    ネタバレ

    映像化されたキャスティングの表紙を見たので、読みながら頭の中で映像が浮かぶ感じでスラスラ読めた。彩のお父さんに対する思いが複雑だけれど共感できた。柿の木や田舎の家が燃えてしまう場面は切なくなった。親子のギスギスした関係に伊藤さんがいい具合に入ってくるのは微笑ましい。20歳差の娘の彼氏というと微妙な想いになるだろうけど人柄は申し分ないのではないか。ラストはお父さんが自分の将来に悲観するでもない決着をつけるけどなんだかやっぱり寂しい。

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    2022年06月22日
  • ニュータウンクロニクル

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    ネタバレ

    あらすじ
    1960年に計画された団地「若葉ニュータウン」に住む人々の歴史をそこに住む様々な家族の視点から描いている小説。団地の第一期の入居が始まった1971年、高校を卒業し若葉町の町役場に勤めたばかりの小島健児の視点から物語は始まる。その後、10年ごとに若葉ニュータウンの中のある地点、ある家族のそれぞれの物語を6つの短編としてまとめている。例えば1971年には、入ったばかりの入居者の生活向上のための集会や、1981年では増えてきた子供に対応する小学校の分校の話などのその年代ごとの環境に影響される家族の姿が描かれる。70年代の高度経済成長から90年代のバブル景気、2011年の震災、そして現代に至

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    2022年02月02日
  • Team383

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    年齢を重ねると、色々な問題があるものだと思うけれど、こんなにお互いの事に一生懸命になれる仲間達がいると心が救われるなーと思った。いつになっても友達は大切な存在。

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    2021年05月23日
  • PTAグランパ!

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    ドラマPTAグランパ!が大好きで、原作小説も読んでみました!

    読む前は、ドラマのままのお話かな?と思ったけど、ドラマにないエピソードもあって楽しく読めた(大筋はドラマと同じですが)。
    ドラマより、父娘問題、キャリアウーマンと主婦問題が深掘りされてた。
    特に父娘問題は、母娘問題ほど取り上げられないけど、私も思い当たる節が多々ある。
    外で働く女性にとって、現役時代の父親へのコンプレックスと許せなさ。
    でも、都が勤を結局許すところも、父娘ならではかな。

    悲しいニュースや出来事も多いので、
    深く考えずに楽しく読めて大円団!なお話も、時には読まないとな。

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    2021年01月22日
  • Team383

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    11老人の仲間達の連作小説。ハートウォーミングで終わりだと思っていたら、しっかり人生や葛藤が描かれていて読み応えある良作だと思う。グランパの印象が強すぎて、失礼しました。

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    2021年01月19日
  • お父さんと伊藤さん

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    父親とは不思議な存在だ。
    何となく逆らってはいけないと感じる一方で、心のどこかではうっすら軽蔑している。
    彩のように父が死んだら泣けないだろうと思う人は意外と多いと思う。
    そういえば私も父の話を聞くのはいつも母親からで、本人の口から何を考えているのか聞いたことがいくらもないということに気づいた。
    家族ではあるがよく知らない他人のようだ、そう思ってしまったことに少し申し訳ない気持ちになった。

    それにしても伊藤さん、良い。
    何にも考えてなさそうでいて実は広い視野で物事を見ることのできる余裕のある人。
    重い話に突入すると苦しい気持ちになったけれど、この人の存在が本当に有り難かった。

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    2020年08月23日
  • Team383

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    70代の老人たち、小田山葉介、坂内菊雄、鈴木比呂海、中原玄、石塚紅子.彼らが繰り広げる愉快な物語が5編.メンバーには紅子の孫娘 本庄桜子も加わってドタバタ劇が始まる.ママチャリカップに挑戦する「Team383」. 菊雄の妻 紀子が結婚式に拘る「438289時間」.だが、「無限」での中原玄 こと久遠寺竜が内に秘めて実力を発揮する話が面白かった.

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    2019年09月17日
  • お父さんと伊藤さん

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    映画版を観てからの原作小説。
    ですが、雰囲気が大きく変わらないのに驚きます。
    いい感じの映画化だったんだなぁと改めて思いました。
    小説の方は、映像や演技からは読み取れない背景部分が
    丁寧に描かれていて、クライマックスから終盤は涙を誘います。
    カンマニワさんいいキャラクターですね。映画版でも見たかったなぁ。

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    2019年05月31日
  • Team383

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    ネタバレ

    運転免許を返納して意気消沈していた葉介が飛び込んだのは、ママチャリレースに参加する平均年齢76歳のチームだった。

    病気が見つかり手術前にどうしても結婚式を挙げたいという妻の願いに翻弄されながらも奮闘する菊雄。

    妻の認知症介護を自分一人で背負う比呂海の心のオアシスと異変に気付いてくれた仲間たち。

    夫を亡くしてこもりがちな友人を励まそうとして空回りしてしまった紅子が学んだこと。

    殺陣師だった玄に再びきた仕事と、若手の俳優の亡き祖父が起こした事故と失った玄の子供の事実の葛藤。

    葉介、菊雄、比呂海、紅子、玄。
    老人たちに立ちはだかる試練。

    年をとるにつれて失うものも、自分が思うように色々う

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    2019年05月17日
  • Team383

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    年齢合計が383になる5人がママチャリレースに臨む。レースの話かと思いきや、チームメンバー夫々の抱える人生話。
    運転免許を返納するくらいの年齢に達している5人には語れば深い話がある。
    その話一話一話も面白かった。
    心にしっとり届いてきた感じがした。

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    2018年08月13日
  • Team383

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    70歳を過ぎて運転免許も返納して、人生の先が見えてきてかと思いきや、自転車レースへの参加がまた新たな目標を彼らに与える…、そんな元気な老人たちが活躍する、登場人物は老年ばかりながらも、これは紛うことなき青春小説。

    青々しさはないけれど、人生紆余曲折を繰り返して、今なお苦境にもがいてもいる彼らだからこそ出せる渋みが、言動や行動に説得力を与える。
    そして、いくつになろうとも、それまで気づかなかったことに気づける瞬間が訪れる。

    年だからそれを気恥ずかしくときに頑固に顔を背けてしまいそうになるけれど、彼らはそれでも前を向いていく、自転車レースに臨んでいく。そう、「生きている限りは時間は無限」なのだ

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    2018年07月12日
  • おまめごとの島

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    無駄にイケメンな主人公は、口下手で人づきあいも苦手で、パニック障害も持つ。東京を離れた彼が身を寄せるのは小豆島。別れた妻の仕事の都合で、しばし彼が預かることになった娘はこれまた超絶美少女。

    イケメンゆえに降りかかる数々の災難。女たちは騒ぎ、男たちは妬む。美男美女に生まれた人の気持ちは残念ながらわからないけれど(笑)、美しく生まれたのは自分のせいじゃないんだから、勝手に騒がれても知らんがなと時には思うのかも。

    「生きるっちゅうんはあんがい単純なもんやで」。「言わなわからん」が持論ですが、何も言わずに抱きしめる、それに救われる人がいる。大人も子どもも。しかし見た人が固まってしまうほどのイケメン

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    2017年10月04日
  • PTAグランパ!

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    気難しい昔気質の祖父が、忙しいシングルマザーの娘に変わり、孫の通う小学校のPTA副会長を務めることに…から始まる、にぎやかで笑えて、かつ切なく涙も誘う、綺麗にまとまったエンタメ小説です。

    こういうテーマだと祖父VSPTAみたいな両極端な図式になりがちですが、そういう対決もありつつも、祖父自身やその家族、PTAたち、そして教師といろんな人々を個性豊かに描いていて、いわばいろんな人が主人公みたいなものでもありました。

    さまざまな人生模様やそれを乗り切ろうと生きていく人々のエネルギーに感動したり心震わされたり、ともかく「人間って時折ワガママでどうしようもないのは確かだけれど、でも捨てたもんじゃな

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    2017年05月17日
  • お父さんと伊藤さん

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    ある意味ステレオタイプの登場人物達の造形ですが、それが見事に噛み合って面白い話になっています。
    著者の中澤さんはもともと劇作家のようで、確かにビジュアル感のあり、映画化には向いているでしょうね。しかし、表紙にドンと出ているリリーフランキーさんがいかにもハマってる感じです。

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    2016年10月20日
  • Team383

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    5人の男女が免許返納を機にママチャリ耐久レースチームを結成。合計年齢が383歳。練習後のご飯会などで家庭の事情などをあーだこーだとお喋りできるのも楽しそう。何かを一緒にする友人がいるのは、こんなにも人生を豊かにしてくれるんだと思った。

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    2025年05月09日
  • シルバー保育園サンバ!

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    大翔の母が子どもの障害を受け止めきれず、葛藤する様が痛かった。誰のための療育?またきょうだい児のことにも触れられていて単なる保育園ものじゃなかったこともよかった。それにしても保育士さんて大変だなあ…

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    2024年12月24日
  • シルバー保育園サンバ!

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    昭和の親父が保育園で働くことを通して考える
    家族とは…

    後悔と後悔と後悔
    覆水盆に返らず

    松平健さんへの当て書きと書いてあったけど
    私の中では國村隼さんだったなぁ

    松平健って
    園児が見ただけで泣くほど怖い顔か?
    昔はイケメン俳優だったよなぁ

    保育園で一緒に働く保育士、園児、保護者
    作中に程よく混ざって
    読みやすい本だった。

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    2024年12月06日
  • 働く女子に明日は来る!

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    頑張れ!自分!
    スーパーポジティブ!
    令和版お仕事小説
    美味しいもの食べて
    乗り越えよっ!
    働く女子の味方!読後元気になれるお仕事小説
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    仕事帰りに立ち寄った書店の新刊コーナーで手に取りました。

    主人公の七菜はTVドラマ制作会社のAP。
    31歳、彼氏もいるが仕事を優先しているような状況、
    押し寄せるトラブルやイレギュラーな出来事、
    困難と責任感に押しつぶされそうになる。

    今でもこんなに過酷な働き方なんでしょうか、
    テレビドラマの制作業界は。
    性別関係なくとてもハードに見えます。

    その分熱

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    2024年09月15日
  • お願いおむらいす

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    お願い「おむらいす」の文字に惹かれて買ってしまいました。もちろん装丁もオムライスです。
    実は、子どもの頃「好きな食べ物は?」と聞かれたら「オムライス」と答えていました。オムライス、好きでした。

    本には五話納められていて、最初の作品「お願いおむらいす」の主人公、太一が就職して働いている現場「ぐるフェス」に゙集う人達の様々な事が描かれていました。
    プロのギタリストを目指す人
    漫画家で癌を患った姉を持つ人
    暖簾分けを目指してラーメン屋で修行する人
    アイドルグループの一員でグループ解散後もアイドルとして活動する人
    50代後半で会社をリストラされて家族のためにアルバイトをする人
    どの話も心優しく温かく

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    2023年09月16日