中澤日菜子のレビュー一覧
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題名を見た時に、自分が未就学児から中学生まで住んでいた団地での、生活、友人関係、町の移り変わり等とダブるのではないか?と思い読み始めました。解説も参考文献も見ず、「わが丘1971」から読み進めるにつれ、モチーフは「多摩ニュータウン」だとわかりました。自分が住んでいたのは多摩ニュータウンではない、都営団地で入居した時期は1971年より早いのですが、ほとんど変わりません。この小説は、年代記としての物語ですが実際、人工都市に住んでいた私には昔を懐かしみもしますが、自分の故郷が人口の減少、建物の経年劣化によって建て替えられることで跡形もなく無くなることに寂しさを感じます。どんな街でも最初は開拓地であり
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ネタバレあらすじ
1960年に計画された団地「若葉ニュータウン」に住む人々の歴史をそこに住む様々な家族の視点から描いている小説。団地の第一期の入居が始まった1971年、高校を卒業し若葉町の町役場に勤めたばかりの小島健児の視点から物語は始まる。その後、10年ごとに若葉ニュータウンの中のある地点、ある家族のそれぞれの物語を6つの短編としてまとめている。例えば1971年には、入ったばかりの入居者の生活向上のための集会や、1981年では増えてきた子供に対応する小学校の分校の話などのその年代ごとの環境に影響される家族の姿が描かれる。70年代の高度経済成長から90年代のバブル景気、2011年の震災、そして現代に至 -
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ドラマPTAグランパ!が大好きで、原作小説も読んでみました!
読む前は、ドラマのままのお話かな?と思ったけど、ドラマにないエピソードもあって楽しく読めた(大筋はドラマと同じですが)。
ドラマより、父娘問題、キャリアウーマンと主婦問題が深掘りされてた。
特に父娘問題は、母娘問題ほど取り上げられないけど、私も思い当たる節が多々ある。
外で働く女性にとって、現役時代の父親へのコンプレックスと許せなさ。
でも、都が勤を結局許すところも、父娘ならではかな。
悲しいニュースや出来事も多いので、
深く考えずに楽しく読めて大円団!なお話も、時には読まないとな。 -
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父親とは不思議な存在だ。
何となく逆らってはいけないと感じる一方で、心のどこかではうっすら軽蔑している。
彩のように父が死んだら泣けないだろうと思う人は意外と多いと思う。
そういえば私も父の話を聞くのはいつも母親からで、本人の口から何を考えているのか聞いたことがいくらもないということに気づいた。
家族ではあるがよく知らない他人のようだ、そう思ってしまったことに少し申し訳ない気持ちになった。
それにしても伊藤さん、良い。
何にも考えてなさそうでいて実は広い視野で物事を見ることのできる余裕のある人。
重い話に突入すると苦しい気持ちになったけれど、この人の存在が本当に有り難かった。 -
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ネタバレ運転免許を返納して意気消沈していた葉介が飛び込んだのは、ママチャリレースに参加する平均年齢76歳のチームだった。
病気が見つかり手術前にどうしても結婚式を挙げたいという妻の願いに翻弄されながらも奮闘する菊雄。
妻の認知症介護を自分一人で背負う比呂海の心のオアシスと異変に気付いてくれた仲間たち。
夫を亡くしてこもりがちな友人を励まそうとして空回りしてしまった紅子が学んだこと。
殺陣師だった玄に再びきた仕事と、若手の俳優の亡き祖父が起こした事故と失った玄の子供の事実の葛藤。
葉介、菊雄、比呂海、紅子、玄。
老人たちに立ちはだかる試練。
年をとるにつれて失うものも、自分が思うように色々う -
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70歳を過ぎて運転免許も返納して、人生の先が見えてきてかと思いきや、自転車レースへの参加がまた新たな目標を彼らに与える…、そんな元気な老人たちが活躍する、登場人物は老年ばかりながらも、これは紛うことなき青春小説。
青々しさはないけれど、人生紆余曲折を繰り返して、今なお苦境にもがいてもいる彼らだからこそ出せる渋みが、言動や行動に説得力を与える。
そして、いくつになろうとも、それまで気づかなかったことに気づける瞬間が訪れる。
年だからそれを気恥ずかしくときに頑固に顔を背けてしまいそうになるけれど、彼らはそれでも前を向いていく、自転車レースに臨んでいく。そう、「生きている限りは時間は無限」なのだ -
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無駄にイケメンな主人公は、口下手で人づきあいも苦手で、パニック障害も持つ。東京を離れた彼が身を寄せるのは小豆島。別れた妻の仕事の都合で、しばし彼が預かることになった娘はこれまた超絶美少女。
イケメンゆえに降りかかる数々の災難。女たちは騒ぎ、男たちは妬む。美男美女に生まれた人の気持ちは残念ながらわからないけれど(笑)、美しく生まれたのは自分のせいじゃないんだから、勝手に騒がれても知らんがなと時には思うのかも。
「生きるっちゅうんはあんがい単純なもんやで」。「言わなわからん」が持論ですが、何も言わずに抱きしめる、それに救われる人がいる。大人も子どもも。しかし見た人が固まってしまうほどのイケメン -
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気難しい昔気質の祖父が、忙しいシングルマザーの娘に変わり、孫の通う小学校のPTA副会長を務めることに…から始まる、にぎやかで笑えて、かつ切なく涙も誘う、綺麗にまとまったエンタメ小説です。
こういうテーマだと祖父VSPTAみたいな両極端な図式になりがちですが、そういう対決もありつつも、祖父自身やその家族、PTAたち、そして教師といろんな人々を個性豊かに描いていて、いわばいろんな人が主人公みたいなものでもありました。
さまざまな人生模様やそれを乗り切ろうと生きていく人々のエネルギーに感動したり心震わされたり、ともかく「人間って時折ワガママでどうしようもないのは確かだけれど、でも捨てたもんじゃな -
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頑張れ!自分!
スーパーポジティブ!
令和版お仕事小説
美味しいもの食べて
乗り越えよっ!
働く女子の味方!読後元気になれるお仕事小説
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仕事帰りに立ち寄った書店の新刊コーナーで手に取りました。
主人公の七菜はTVドラマ制作会社のAP。
31歳、彼氏もいるが仕事を優先しているような状況、
押し寄せるトラブルやイレギュラーな出来事、
困難と責任感に押しつぶされそうになる。
今でもこんなに過酷な働き方なんでしょうか、
テレビドラマの制作業界は。
性別関係なくとてもハードに見えます。
その分熱 -
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お願い「おむらいす」の文字に惹かれて買ってしまいました。もちろん装丁もオムライスです。
実は、子どもの頃「好きな食べ物は?」と聞かれたら「オムライス」と答えていました。オムライス、好きでした。
本には五話納められていて、最初の作品「お願いおむらいす」の主人公、太一が就職して働いている現場「ぐるフェス」に゙集う人達の様々な事が描かれていました。
プロのギタリストを目指す人
漫画家で癌を患った姉を持つ人
暖簾分けを目指してラーメン屋で修行する人
アイドルグループの一員でグループ解散後もアイドルとして活動する人
50代後半で会社をリストラされて家族のためにアルバイトをする人
どの話も心優しく温かく