中澤日菜子のレビュー一覧
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気難しい昔気質の祖父が、忙しいシングルマザーの娘に変わり、孫の通う小学校のPTA副会長を務めることに…から始まる、にぎやかで笑えて、かつ切なく涙も誘う、綺麗にまとまったエンタメ小説です。
こういうテーマだと祖父VSPTAみたいな両極端な図式になりがちですが、そういう対決もありつつも、祖父自身やその家族、PTAたち、そして教師といろんな人々を個性豊かに描いていて、いわばいろんな人が主人公みたいなものでもありました。
さまざまな人生模様やそれを乗り切ろうと生きていく人々のエネルギーに感動したり心震わされたり、ともかく「人間って時折ワガママでどうしようもないのは確かだけれど、でも捨てたもんじゃないね」って明るく思わせてくれる、そういうパワーを感じたのでした。
祖父のほんとに場の空気を読まない(けれど憎めない)人物造形がとてもイイですが、周りの人たちも単純に悪役・味方、みたいにカテゴライズされてなくて、やっぱりだれもかれも憎めないのが素敵だと思います。
人間賛歌、じゃありませんが、苦しいししんどいし投げ出したくもなるけれど、それでも頑張っていこうじゃないか、と皆で輪になって声をあげたくなる、そういうお話でした。おすすめです。 -
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頑張れ!自分!
スーパーポジティブ!
令和版お仕事小説
美味しいもの食べて
乗り越えよっ!
働く女子の味方!読後元気になれるお仕事小説
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仕事帰りに立ち寄った書店の新刊コーナーで手に取りました。
主人公の七菜はTVドラマ制作会社のAP。
31歳、彼氏もいるが仕事を優先しているような状況、
押し寄せるトラブルやイレギュラーな出来事、
困難と責任感に押しつぶされそうになる。
今でもこんなに過酷な働き方なんでしょうか、
テレビドラマの制作業界は。
性別関係なくとてもハードに見えます。
その分熱い気持ちも伝わってきました。
でも、それって長い目で見ると、
本当は良くないのかなともやもや。苦笑
と思いつつも、
七菜が葛藤している姿に、
目が離せず思わず応援してほろり。
今の私に七菜のような働き方ができるかはわからないけれど、それでも元気をもらえる一冊でした。 -
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お願い「おむらいす」の文字に惹かれて買ってしまいました。もちろん装丁もオムライスです。
実は、子どもの頃「好きな食べ物は?」と聞かれたら「オムライス」と答えていました。オムライス、好きでした。
本には五話納められていて、最初の作品「お願いおむらいす」の主人公、太一が就職して働いている現場「ぐるフェス」に゙集う人達の様々な事が描かれていました。
プロのギタリストを目指す人
漫画家で癌を患った姉を持つ人
暖簾分けを目指してラーメン屋で修行する人
アイドルグループの一員でグループ解散後もアイドルとして活動する人
50代後半で会社をリストラされて家族のためにアルバイトをする人
どの話も心優しく温かく感じました。 -
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34歳、独身で長らくアルバイトで過ごしていた彩は、アルバイトで知り合った20歳年上の伊藤さんと、アパートに同居している。そこへ突然、彩の父親が、小さなダンボール一箱を持って現れた。一緒に住むと言う。
頑固で気難しい、教員出身の父親、ふらふらとなんとかアルバイトで食いつなぐ娘に、同じくアルバイトで生計を立てながら、能天気に生きる伊藤さん。ドラマの配役としては申し分のないキャラクター付である。実際にドラマか映画になったのだろう。読んだ本は、表紙が俳優の写真だ。
長年犬猿の仲だった父と娘の間を、ひょうひょうとすり抜けていく伊藤さんが全般に渡って読者を助けていく。しかし登場人物はそれほど助けられないのが面白い。また、彩の仕事先のカンマニワさんは、そこまででもないにしろ、ストーリーの緩和に役立っている。
一方で、彩の兄、つまりは父の息子に当たる人物、その嫁、叔母さんによって、硬く難しい関係を表現しており、緊張感を維持している部分が、良いコントラストになっていると言える。
大きな事件は1つか2つ程度に抑えられ、難しいながらの日常が本作品の醍醐味である。
ところで、文章はかなりブロークンで、主語がなかったり、突然過去のエピソードが入ったり、事後のことが2行ほど挟まるなど、正直褒められたものではない。まあ、そのあたりは「リズム感が良い」「勢いがあってよい」と評されるものかもしれないが。しかし事件の途中で、突然事後の話になっていたりするのはちょっとどうかと思う。その辺をもう少し整理してあればよかっただろう。
とにかく、本作の一番良いところといえば、タイトルに他ならないわけで、買う際に本棚でつい二度見したもんね。タイトルで買わなきゃと思わせるものがあった。
で、問題は、表紙でリリー・フランキーを見てしまったことなんだよな。伊藤さんだろ。読んでいる最中にリリー・フランキー以外浮かばないんだもの。こういう表紙は考えものだわ…。 -
Posted by ブクログ
彩は34才のアルバイター。元バイト仲間で、今はパートで働く20才年上の恋人・伊藤さんと、気ままな同棲中。
そこに、頑固で気難しい父が、転がり込んできた。兄一家と同居していた父が突然やってきたのは、兄嫁とのトラブルらしいが…
父に対して、はっきりと愛情と呼べるものがない彩と、兄の潔。思いのほかうまく父との同居を受け入れていく伊藤さん。
彩と父、そして彩と伊藤さんの、心の距離感が、ゆっくりと変わってゆく。
読後感が良かった。
崩れすぎず、力の抜けた文体も心地よい。
大きな衝撃を受けるような作品ではないが、心に良いものをぱらっとふりかけてくれるような作品。
おとなになってから、人の領域に踏み込み過ぎない事で、心地よい関係を保つ事が多くなった。
それなのに、家族は、うっかりすると互いに土足で踏み込みまくりで、容赦がない。
あ〜あ、私もそうだなぁ。孝行&きょうだい仲良くしとかないと。
伊藤さんのキャラがいい。
『〇〇は逃げない』という口癖、これから採用しよう。逃げやしないものを、慌てて追いかけてしまう事で、自分で忙しなく苦しくしてる事、多いかもしれない。