【感想・ネタバレ】お願いおむらいすのレビュー

あらすじ

疲れた心に沁みる、美味しい連作短編小説。

★「お願いおむらいす」 音楽への夢を捨てきれないまま、追い詰められて就職した太一。音楽雑誌の出版社に就職したはずが、全然違う仕事に就くハメに。それでも頑張ってしまうマジメな太一が気づく大切なこととは。
★「キャロライナ・リーパー」 久しぶりに会う大好きな姉と疎ましい父親。突然聞かされた姉の悲しいニュースに、心は乱れる。対照的に歩んだ女性の生き方、悩みをホロ苦く描く。
★「老若麺」 ラーメンの名店「紅葉」ぐるフェス店を任された天翔と崇。だが、どうしてもあの味を出せず客は集まらない。そんなとき事件が起こり、ある秘密が解き明かされることに。
★「ミュータントおじや」 美優は自他共に認める崖っぷちアイドル。大ファンだという女子中学生と出会い、行きがかり上その子の面倒をみることに。自分を押し殺して生きてきた美優の思いとは。
★「フチモチの唄」 50代後半にしてまさかのリストラになってしまった浩。大切な家族を守り切れない自分に苛立つ。最愛の母の命が長くないことを知り、彼が下した決断とは……。

秋のある日、「ぐるフェス」に集う人々の人生模様を生き生きと描く。心がほわっと温まる全5編。

※この作品は単行本版『お願いおむらいす』として配信されていた作品の文庫本版です。

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Posted by ブクログ

5話中全てほっこりするエピソードだったが、
私は特に、最後の「浩とお母さん」のエピソードに心を打たれ涙した。
精神的にも相当追い詰められてる浩に立ちはだかる更なる悲劇、それに対しても自ら最適なアンサーを求め必死にもがいている姿がとてもかっこよかった。

本書を通して、
「他人が知らないところで苦しみ、悩み
そして時には絶望に打ちひしがれている」

このような人が身近に多くいる中、相手と関係を築く際にそれに気が付かず、時に相手を勇気づけ、時に傷つけてしまっているのではないか?
ということを考えるきっかけになった1冊だった。
相手のことを100%理解すことは難しいが、相手を傷つけないためにはどうすればよいか 念頭に置いた上でこれからは他者と関わりをもっていきたいと感じた。

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2024年11月07日

Posted by ブクログ

お願い「おむらいす」の文字に惹かれて買ってしまいました。もちろん装丁もオムライスです。
実は、子どもの頃「好きな食べ物は?」と聞かれたら「オムライス」と答えていました。オムライス、好きでした。

本には五話納められていて、最初の作品「お願いおむらいす」の主人公、太一が就職して働いている現場「ぐるフェス」に゙集う人達の様々な事が描かれていました。
プロのギタリストを目指す人
漫画家で癌を患った姉を持つ人
暖簾分けを目指してラーメン屋で修行する人
アイドルグループの一員でグループ解散後もアイドルとして活動する人
50代後半で会社をリストラされて家族のためにアルバイトをする人
どの話も心優しく温かく感じました。

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2023年09月16日

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