木村幹のレビュー一覧
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ネタバレ本作は韓国政治を専門とする木村先生が、韓国の現代史を概説した一冊となる。新書という形式を取っている上にページ数もそれほど多くないため、自分のように韓国史の知識がほとんどない人間でもスラスラと読むことが出来るというの素晴らしい。薄い知識を目一杯引き伸ばしてこの量になったのではなく、豊富な知識の中から読者に向けて適切に切り出したということがよくわかる構成となっている。
本書の構成がユニークなのは、それぞれの歴史的な出来事に対して、歴代の大統領がどのようにその事件と向かい合ったのか・・ということをまとめて一つの章としていることだ。(今はそういう言い方をしないのかもしれないが・・)歴史を書く時には、 -
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p78 他民族支配型植民地 少数の宗主国人が圧倒的多数の現地の先住民を支配する イギリスによるインド支配、オランダによるインドネシア支配
移住型植民地 宗主国の人々が多く移住した結果、もともと住んでいた先住民が圧倒的少数派に転落した植民地 カナダ、オーストラリア、アメリカ
p84 16-17世紀のスペイン、ポルトガルの植民地支配と20世紀のそれとは異なる
我々が植民地支配を考える時、19世紀末から20世紀のことしか考慮しないのに、欧米諸国のそれはを考えるときにはm16世紀や17世紀のことまで含めて十把一絡げに議論してしまう カナダ、オーストラリアを忘れてしまう
日本は欧米の植民地支配を -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
一九四八年、日本の植民地から米国の占領を経て、建国した大韓民国。
六〇年の間に、独裁国家から民主国家、途上国から先進国へと大きく変貌した。
本書は、歴代大統領の「眼」と「体験」を通し、激変した韓国を描くものである。
「建国の父」李承晩、軍事クーデタで政権を奪った朴正煕、民主化に大きな役割を果たした金泳三、金大中、そして「ポスト民主化」時代の盧武鉉、李明博。
大統領たちの証言で織りなす現代史の意欲作。
[ 目次 ]
序章 それぞれの「暑い夏」
第1章 大韓民国建国―一九四五~四九年
第2章 朝鮮戦争勃発―一九五〇~五三年
第3章 四月革命への道―一九五四~六〇年
第4章 五・一六 -
Posted by ブクログ
韓国現代史の通史というより、韓国現代史のターニングポイント(光復時、朝鮮戦争、四月革命、光州事件etc)に当時の大統領やのちに大統領となった人物たちがどのような動きを見せたのか、という記述になっています。今までの韓国現代史が書かれた本とは違った見方ですので、新たな発見があります。例えば、李承晩後の大統領尹●(さんずいに普)善と首相張勉との関係などはこの本を読んですっきりしました。ただ、後書きにも書いてあるとおり朴正煕以後の軍事政権を担った崔圭夏、全斗喚、盧泰愚の3人は当人たちが死刑判決を受けていたということもあり史料の制約があって書かれていません。このあたりの流れも知りたかったのですが・・・。