木村幹のレビュー一覧

  • 韓国愛憎 激変する隣国と私の30年

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    韓国研究の第一人者である著者がその半生を振り返りながら、この約30年の韓国、日韓関係の変貌を語る。
    韓国、日韓関係についての知見を得るだけでなく、政治学の一研究者の個人史としても非常に興味深かった。
    先入観による決めつけを排するといった著者の学問・研究や歴史認識問題への姿勢はとても誠実で、共感を覚えた。

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    2023年01月29日
  • 韓国現代史 大統領たちの栄光と蹉跌

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    ネタバレ

    本作は韓国政治を専門とする木村先生が、韓国の現代史を概説した一冊となる。新書という形式を取っている上にページ数もそれほど多くないため、自分のように韓国史の知識がほとんどない人間でもスラスラと読むことが出来るというの素晴らしい。薄い知識を目一杯引き伸ばしてこの量になったのではなく、豊富な知識の中から読者に向けて適切に切り出したということがよくわかる構成となっている。

    本書の構成がユニークなのは、それぞれの歴史的な出来事に対して、歴代の大統領がどのようにその事件と向かい合ったのか・・ということをまとめて一つの章としていることだ。(今はそういう言い方をしないのかもしれないが・・)歴史を書く時には、

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    2022年07月26日
  • 誤解しないための日韓関係講義

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    p78 他民族支配型植民地 少数の宗主国人が圧倒的多数の現地の先住民を支配する イギリスによるインド支配、オランダによるインドネシア支配

     移住型植民地 宗主国の人々が多く移住した結果、もともと住んでいた先住民が圧倒的少数派に転落した植民地 カナダ、オーストラリア、アメリカ

    p84 16-17世紀のスペイン、ポルトガルの植民地支配と20世紀のそれとは異なる
    我々が植民地支配を考える時、19世紀末から20世紀のことしか考慮しないのに、欧米諸国のそれはを考えるときにはm16世紀や17世紀のことまで含めて十把一絡げに議論してしまう カナダ、オーストラリアを忘れてしまう

    日本は欧米の植民地支配を

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    2022年04月10日
  • 韓国愛憎 激変する隣国と私の30年

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    ここ30年で激変した日韓関係。韓国研究の第一人者の立場から振り返る。

    日韓関係の激変。韓国にとっての重要度が下がると共に日本の位置も低下していく。戦後レジームの見直しなど。

    日本が思っているほど韓国は日本に関心がないし逆もまた然り。

    なので、実は大統領の支持率に日韓関係は影響しないという。

    おそらく戦後最悪の日韓関係。本書にはわずかながら希望があるように思えた。

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    2022年03月21日
  • 誤解しないための日韓関係講義

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    韓国社会の現状についてがわかりやすくまとまっている。日本メディアを通して見る韓国はどうしても曲解されがちで本当の姿を知ることは難しい。だからこそ学術的なソースからもこういった知識は得たい。

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    2022年03月05日
  • 韓国愛憎 激変する隣国と私の30年

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    2022.1.25 中公新書 発売

    中公新書にしては珍しい日記のようなスタイルで、いつもの硬派なイメージとはまた違った印象。
    内容に関しては、海外をまたにかける最前線の研究者が実績や実体験を持って、韓国と日本の関係を紐解く。
    なかでも衝撃だったのは「日本が経済発展していて見習うべき国」から「衰退している国」と烙印を押す・無関心になる人も増えてきていることである。

    日本がインターネットで拾えるいつ・誰が・情報ソースもない韓国を叩いている間に、どんどんと成長していることを学べた。

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    2022年02月16日
  • 韓国愛憎 激変する隣国と私の30年

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    韓国研究の第一人者になった木村幹の30年に及ぶ体験を綴ったもの。その間に韓国は発展途上国から今は日本を抜く先進国となった。それにつれて、対日本への態度も変わってきた。それに日本が上手く対応できていないのか。個人の経験の話は読んでいても面白く、なるほど研究者はそのようにして成長していくのかと思った。

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    2022年01月24日
  • 韓国現代史 大統領たちの栄光と蹉跌

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    戦後の韓国史をあまり知らない人にとっては、通史がコンパクトにわかり便利。各時代を、7人の大統領それぞれの状況の視点から書かれており、それぞれの階層からみたい時代背景のイメージがつかめる。韓国の戦後は、政党が次々と誕生しては消えていくのだけれど、巻末に変遷図も収録されていて、その複雑さが理解しやすい。物足りないのは、政党政治に主眼が置かれていて、経済や社会の変遷の説明が極めて少ない点。それは他の本で補うしかないだろう。

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    2014年03月13日
  • 韓国現代史 大統領たちの栄光と蹉跌

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    第二次世界大戦以後の韓国政治史を
    「大統領に登りつめる人びとの視点を通じて」描いた書。
    計7人の伝記を凝縮したような内容で、
    展開は早くスリリングですらあり、非常に面白い。
    その反面、韓国の国としてとられた政策や外交については
    ほとんど触れられておらず、特に後半は政治劇に終始している。
    群像劇とも言えるスタイルが秀逸だっただけに、
    もっとボリュームのある内容で読んでみたかった。

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    2012年08月30日
  • 韓国現代史 大統領たちの栄光と蹉跌

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    戦争や軍事クーデター、73年には金大中が東京で拉致され、79年には朴大統領の暗殺、80年代後半までは軍事政権が支配、その後の民主化と急な経済成長、う~ん韓国って激しいですね。今まで関心が薄くて知りませんでした。先月韓国に行ったことを機会にこの本を読んでみたんですが、歴代大統領を生い立ちから追いかけていてタイムラインがわかりやすく、関心が深まりました。

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    2011年10月04日
  • 韓国現代史 大統領たちの栄光と蹉跌

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    一般的な通史ではなく、歴代大統領の伝記をインシデントごとに整理。例えば1950年6月25日に各々どのような境遇にあり、どのような行動をとったかなど。現職政権が前職大統領を断罪するのが恒例行事の韓国政治史において、日本人による俯瞰は有用だ

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    2011年06月25日
  • 韓国現代史 大統領たちの栄光と蹉跌

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    一九四八年、日本の植民地から米国の占領を経て、建国した大韓民国。
    六〇年の間に、独裁国家から民主国家、途上国から先進国へと大きく変貌した。
    本書は、歴代大統領の「眼」と「体験」を通し、激変した韓国を描くものである。
    「建国の父」李承晩、軍事クーデタで政権を奪った朴正煕、民主化に大きな役割を果たした金泳三、金大中、そして「ポスト民主化」時代の盧武鉉、李明博。
    大統領たちの証言で織りなす現代史の意欲作。

    [ 目次 ]
    序章 それぞれの「暑い夏」
    第1章 大韓民国建国―一九四五~四九年
    第2章 朝鮮戦争勃発―一九五〇~五三年
    第3章 四月革命への道―一九五四~六〇年
    第4章 五・一六

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    2011年04月01日
  • 韓国現代史 大統領たちの栄光と蹉跌

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    韓国現代史を主題とした本は他にも多々あるが、その中でもユニークな一書。
    歴代大統領の視点から彼らがその時代をどのように生きたかを入れ替わり立ち替わり見ていく韓国現代史。
    なかなか面白いが、彼らが大統領に登りつめた後、どのような政策を展開したかについては触れられていない点が少し残念である。

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    2010年01月29日
  • 韓国現代史 大統領たちの栄光と蹉跌

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    現代韓国史のターニングポイントで、時の大統領や後の大統領がそこで何を考え行動したかという形でまとめられている。その性格上、学習用と言うよりはノンフィクション文学として読まれるべきだろう。

    個人的に一番印象に残ったのは、時の大統領:朴正煕と後の大統領:李明博が面会するシーン。茶番を知りながらも独裁者を演じ続けた朴正煕の心の内を垣間見せるような趣がある。

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    2009年11月26日
  • 国立大学教授のお仕事 ――とある部局長のホンネ

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    予想通りの話とあまり知らなかった話が7:3くらいの割合だった。国立大学の法人化以降の予算減は話には聞いていたが、個人研究費ゼロとか信じられない。大丈夫か?日本の高等教育の未来は?

    趣味も研究のようにやってしまう大学教員の性には微苦笑を禁じ得ないが、確かにそういう人が周りにも多い。

    大学院生の教育の話は自分には経験のない話だったので興味深いものがあった。

    還暦をとうに過ぎてしまった身として、あらためて「大学教員」とは何か? 何だったのか? を問い直す良い契機となった。

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    2025年06月30日
  • 韓国現代史 大統領たちの栄光と蹉跌

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    歴史というより伝記。
    自伝からの引用があるので、事実かどうかわからないところもあるが、
    韓国政治でなにを良しとするか、ということを知ることはできる。

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    2024年04月21日
  • 韓国愛憎 激変する隣国と私の30年

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    歴史問題は昔からあると思っていたが、二国間関係が厳しくなってきたのは韓流ブームが終わった2000年代後半。その原因は韓国における日韓関係の重要性低下にあるという指摘が興味深かった。2015年の慰安婦合意直後、大統領支持率は上昇した。

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    2022年07月18日
  • 韓国愛憎 激変する隣国と私の30年

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    韓国地域研究者の半世紀にわたる自伝。読み物として面白い。韓国との付き合い方、距離の取り方がいかにもノンポリ世代という感じで、淡々と、そして冷静に韓国政治や日韓関係の推移を記述していく。また日韓歴史共同研究の経緯についての記述は後世の史料ともなりえる。
    欲を言えば、(書くのも辛いことかもしれないが)著者が病気で辛い思いをしていたときの状況をもう少し書いて欲しかったのと(体験談を読んで救われる読者もいるかもしれない)、ポリサイ連中とのコミュニケーションのとれなさや彼らから受けた仕打ちについてももう少し書いてほしかった。

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    2022年02月12日
  • 韓国現代史 大統領たちの栄光と蹉跌

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    李承晩から李明博まで、彼らがいかにして韓国政治の頂点に登りつめたか、わかりやすく一般向けに書かれています
    韓国現代政治を知る上できっかけの一冊としてよい本です

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    2013年09月03日
  • 韓国現代史 大統領たちの栄光と蹉跌

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    韓国現代史の通史というより、韓国現代史のターニングポイント(光復時、朝鮮戦争、四月革命、光州事件etc)に当時の大統領やのちに大統領となった人物たちがどのような動きを見せたのか、という記述になっています。今までの韓国現代史が書かれた本とは違った見方ですので、新たな発見があります。例えば、李承晩後の大統領尹●(さんずいに普)善と首相張勉との関係などはこの本を読んですっきりしました。ただ、後書きにも書いてあるとおり朴正煕以後の軍事政権を担った崔圭夏、全斗喚、盧泰愚の3人は当人たちが死刑判決を受けていたということもあり史料の制約があって書かれていません。このあたりの流れも知りたかったのですが・・・。

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    2009年10月04日