木村幹のレビュー一覧
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「国立大学教授って〇〇でしょう」
とよくいう人がいるが、それはどこから得た情報なのか、という問いに対する答えの本。
どの仕事もやってみないと、なってみないとわからない部分は大いにあると改めて思わされた。
一言で言うと、大学教授は非常に多忙。
教授の本来の仕事である研究まで手が回らないのでは、と思われるほど(実際手が回っていないのかも)
業務量が多すぎ。
これは今、話題になっている教員の多忙化とも通じるところがあると思った。
2004年の独立行政法人化により、
人件費・研究費の予算が削減され、
大学組織としての仕事(〇〇委員会とかが多すぎる!)
さらに学歴と授業の厳格化が求められて
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Posted by ブクログ
本書は、主に国立大学での大学教員の仕事・業務を詳らかに紹介する一冊。この本の著者経歴によると、作者は現在、神戸大学大学院国際協力研究科という部局で、比較政治学・朝鮮半島地域研究を専門的に探究されている教授とのこと。本書で紹介されている、より詳細なアカデミックキャリアとしては、京都大学の大学院博士課程で学んだ後、すぐに愛媛大学で助手→専任講師のポストを得て、その後に神戸大に助教授(今だと准教授)として迎えられ、順調に今の地位に就いたという経歴の持ち主。
この「大学教員の仕事/大学の裏側」を明かす趣旨の本は、意外と数が少ない。というのも、そもそも世間の人が一番興味を持つであろう「大学入試」の裏側に -
Posted by ブクログ
韓国が好きで興味・関心がある身として、かの国の歴史、とりわけ激動の近現代史をひととおり知っておきたいと思っている。何冊か関連した本も読んだけど、なかなか頭のなかで年表や出来事の相関図が描けずにいた。そんな折にふと手に取り読んでみたこの本、1945年以後の韓国現代史を李承晩から李明博までの歴代の大統領を軸に紹介していく。大統領として何をしたかというだけでなく、たとえば朴正煕が大統領だったとき、李明博青年はどうしていたかといった感じ。各人の色合いが強く出るかと思いきや、無個性に通史を並べた本よりも出来事と出来事の関係性が結びつけやすく、将来大統領になる人物が何をしていたかという、いわばサイドストー
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Posted by ブクログ
ネタバレ【72冊目】最近、自分の中で遅ればせながら韓流ブームが来たので読んでみました。「解放」後の歴代大統領の視点を通じて学ぶ韓国史。
非常に興味深かった。
最初は、個々人ごとに章立てするのではなく、年代ごとに章立てして個々の大統領を並行して取り上げていく書き方は分かりづらそうだなって思ったけど、これが結構良かった。大統領の並べ方も前後とつながりのある合理的な並べ方で、この章立ては成功だと思う。
ただ、なにより、この本が面白かったのは。韓国現代史という観察対象の面白さによるところが大きい。
「韓国は最近まで政情不安定な国で、今では韓流ブームとか言っているのが信じられない」とはここ最近の韓国しか知ら -
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自分自身、2年前まで地方国立大学で教員をしていたので、本書で書かれていることは痛いほど理解できる。ただ、著者が勤務している大学は国立大の中でも大規模であり、予算規模も大きいはずなのだが、それでもこのような状況であることには驚いた。自分の前任校もそうだったが、より小規模な地方国立大はもっと苦しい。
自分が地方国立から関東の私大へ移籍したのと同じタイミングで、関東のとある有力国立大の一部局の教員が一気に複数名、私大へ転出したことを耳にした。その分野では国内でも最高レベルの大学の1つであるため、ちょっと耳を疑ったが、本書を読むとそれも納得がいく。