横山茂雄のレビュー一覧
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洗脳・陰謀論・UFOカルト
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試し読み
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Posted by ブクログ
ゾゾゾとするにっぽん昔話風の物語。霊とか呪いとか、「科学」みたいなものの真反対にあるようなものがテーマ。「目には見えない怨念」みたいな話に「何を言ってるの」と笑ってしまうタイプなので、最初の二、三篇は、本当に良くないのだけどゾゾゾともせず、「あー御伽話ね、ハイハイ」と読んでいたのだが、四篇目の『ミス・コーニリアス』から人間の狂気みたいなものが入ってきて面白くなっていった。
私みたいな人間に向けた言葉が『追随者』の冒頭に載っていた。
『「奇蹟はもはや起こらないといわれているし、摩詞不思議で原因が定かでないものも学者たちによって平凡でありふれたものとされる。かくて、わたしたちは恐怖をないがしろにしてしまい、未知の恐怖に身を委ねるべき際に見せかけだけの知識に安住するのだ」(シェイクスピア『終わりよければすべてよし』第二幕第三場) -
Posted by ブクログ
ネタバレ「炎暑」や表題作など、数々のアンソロジーで作品が収録あるいは映像化されてきながら、日本ではこれまでまとまった形で紹介されていなかった英国怪奇作家ハーヴィーの短編集。初訳3編を含む9編収録。
・2人の男のふとした思い付きが偶然の邂逅によって不穏さを呼ぶ、怪奇小説アンソロジーのマスターピースでもある逸品「炎暑」。
・神経衰弱の女性の付添い看護を任された看護師の体験「ミス・アヴェナル」はヴァンパイアものの変奏とも読める。
・先祖の不行跡が怪異を起こす「アンカーダイン家の専用礼拝席」は舞台設定からしてM.R.ジェイムズ風。
・ポルターガイスト現象の解明のはずがサイコホラー色を帯びていく「ミス・コーニリアス」は、タイトルになっている女性はもちろん主人公も含め、登場人物が皆厭な感じ。
・「追随者」はクリエイターの思い付きが現実を侵食してくる点で「炎暑」と共通しているか。老人の1人が語るアジアで発見された貴重な古写本、失われた奥義のあたりは、何やらクトゥルー神話の世界と繋がるような気も。
・盲目の老学者エイドリアンの右手が本人とは別個の意思を持ち、学者の死後切り離されて大暴れする表題作「五本指のけだもの」。怪物ホラーであり、不気味でありつつも黒いユーモアに満ちている点でも、他の収録作品とも趣を異にしている。
怪物化した"右手"は何らかが憑依したと思しいが、エイドリアンの陰の人格が顕在化(ジキルとハイドよろしく)したのか―と考えるのは深読みし過ぎか。
・旅行先で死体を発見するものの、自分の記憶が抜け落ちていることに気付く「道具」、敬虔なクエーカー教徒で人格者の大おばの周囲で起こる異変「セアラ・ベネットの憑依」、殺人で死刑になった男と、彼が罪を犯す前に3度遭遇していた男「ピーター・レヴィシャム」。この3作品は収録作の中でも特に宗教色が強い感を受ける。
またその他の作品も"何かが起きた"ことは描かれていてもその原因や理由までは明確に書かれていない。因果律や"天の配剤"といった考えを超えた―人間の眼には不条理に映ることも全て神の手によるもの―とでもいう、ともすると諦観とすら思えてくるようなところも、作家ハーヴィー自身の宗教観、なんだろうか。 -
Posted by ブクログ
狂気とは決して現実の対立項ではないっていう話。
オカルティズム全般が完全にネガティブな物ではないとはいえ、優生思想や社会ダーウィニズムやフェルキッシュオカルティズムに繋がっていく可能性があるので、オカルト系の取り扱いには充分注意が必要だなー、と。
『ドイツで起こった異常な事態は、一部の狂人の責任に帰せられるものでは決してなく、人間精神に内在する抑圧されてきた欲望と恐怖の噴出に他ならないことは銘記せねばならない。』
『オカルティズムとは公認文化から排斥され深層に抑圧された概念、思想、世界観の表出する舞台であり、敢えて粗雑な言い方をするなら、公認文化を意識とすれば、オカルティズムは無意識なのだ。』