横山茂雄のレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「炎暑」や表題作など、数々のアンソロジーで作品が収録あるいは映像化されてきながら、日本ではこれまでまとまった形で紹介されていなかった英国怪奇作家ハーヴィーの短編集。初訳3編を含む9編収録。
・2人の男のふとした思い付きが偶然の邂逅によって不穏さを呼ぶ、怪奇小説アンソロジーのマスターピースでもある逸品「炎暑」。
・神経衰弱の女性の付添い看護を任された看護師の体験「ミス・アヴェナル」はヴァンパイアものの変奏とも読める。
・先祖の不行跡が怪異を起こす「アンカーダイン家の専用礼拝席」は舞台設定からしてM.R.ジェイムズ風。
・ポルターガイスト現象の解明のはずがサイコホラー色を帯びていく「ミス・コーニリ -
-
-
-
Posted by ブクログ
狂気とは決して現実の対立項ではないっていう話。
オカルティズム全般が完全にネガティブな物ではないとはいえ、優生思想や社会ダーウィニズムやフェルキッシュオカルティズムに繋がっていく可能性があるので、オカルト系の取り扱いには充分注意が必要だなー、と。
『ドイツで起こった異常な事態は、一部の狂人の責任に帰せられるものでは決してなく、人間精神に内在する抑圧されてきた欲望と恐怖の噴出に他ならないことは銘記せねばならない。』
『オカルティズムとは公認文化から排斥され深層に抑圧された概念、思想、世界観の表出する舞台であり、敢えて粗雑な言い方をするなら、公認文化を意識とすれば、オカルティズムは無意識な