井上悠宇のレビュー一覧

  • 予言館の殺人

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    幼い頃、目の前で母親を失ったショックで当時の記憶がない主人公は、ある日かつて暮らしていた"予言館"への招待を受ける。
    事件現場である予言館に霊能力者を集め、未解決事件を解く。そんな趣向で集められた主人公と霊能力者たちの前で、たしかに心霊現象が起こり─

    かなり好きなタイプのミステリ!
    本格度が高いかと問われるとそうでもないとは思うけれど、なにをもって真実とするか、なにを真実としたいか、を見定めて解きほぐす過程には確かにロジックがあり、導き出された答えの寂しさも"物語"らしくて良い。
    霊能力者たちのキャラもよく爽やかさがある。
    あと相馬夫婦が好きなタイプの男女夫婦で笑顔になりました。
    井上悠宇は「不実在探偵の推理」もおもしろくてシリーズ化しないかなと思ってるけどこちらもシリーズ化に向いてそう。

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    2026年06月01日
  • 予言館の殺人

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    館ものかつ、現代らしいものを使いながら過去の事件を推理して行く、なおかつ予言や能力をルールとして提示し明かす様は好き

    3143冊
    今年42冊目

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    2026年02月17日
  • 予言館の殺人

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    ネタバレ

    霊能力を前提としたミステリー。
    真相を明らかにしようとしている殺人事件は過去のものであり、また、その過程で起きる現在の出来事も含め、全てが確実な真実として明らかにされるわけではない。だがやはり、最後に辿り着いた真相に最も納得した。
    霊能力を用いて、様々な視点から事件の真相を披露する場面は面白く、一つの出来事にも色々な見方ができてしまうのだなと思った。立証できるものではないが、だからこそ物語して成立するものは真相であるかのようにも思えてしまう。真相に辿り着くまでの過程では、霊能力が本物か否かというより、心理学の凄さを感じた。

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    2026年02月11日
  • 誰も死なないミステリーを君に

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    ネタバレ

    井上悠宇『誰も死なないミステリーを君に』は、ミステリーというジャンルに対する誠実な問いかけから始まる作品だ。人はなぜ謎を解き、なぜ死を描くのか――その根源的な疑問に対し、本作は「誰も死なない」という大胆な前提を掲げることで、静かに、しかし力強く応答してくる。

    死の予兆が見えるという特異な設定は、単なるギミックにとどまらず、登場人物たちの選択と覚悟を浮き彫りにする装置として機能している。事件を“解決する”ことよりも、“誰かを救う”ことに重心を置いた推理は、読者にミステリーの本質を改めて考えさせる。謎が解けた瞬間のカタルシスだけでなく、そこに至る過程の切実さが胸に残る構成だ。

    また、登場人物たちの関係性は丁寧に描かれており、軽妙なやり取りの奥に、互いを思いやる確かな感情が息づいている。だからこそ、物語が進むにつれて読者は「真相」だけでなく、「この結末を迎えてほしい」と自然に願うようになる。その感情の誘導が非常に巧みで、読後には静かな余韻が長く残る。

    本作は、血や死の衝撃に頼らずとも、ミステリーはここまで深く、人の心に迫れるのだと証明してみせる一冊だ。謎を解くことの意味、生き延びることの価値、そして誰かの未来を信じることの尊さ――それらが重なり合い、穏やかでありながら確かな重量をもった読書体験を与えてくれる。
    読み終えたあと、タイトルの言葉が決して綺麗事ではなかったと、静かに実感させられる作品である。

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    2026年01月30日
  • 不実在探偵の推理

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    主人公、現(うつつ)は大学生。
    叔父さんは刑事の百鬼広海(通称オニさん)。オニさんは相棒の女性刑事烏丸とともに事件の捜査に当たる。そこで出会った謎に現は関わっていく。
    章がが4つあるため、比較的読みやすい印象。

    タイトルにもある主人公は透明なダイス。その数字の目で「はい」「いいえ」「分からない」などを答える。今は結構メジャーになった水平思考クイズをいち早く小説に落とし込んだ作品。(あ、でも2023年発行なんでいち早くという程でもないか……)

    トリカブトの服毒死、宗教のモチーフの血涙、そして誘拐と殺人。それらを通して主人公とダイス(命名アリス)について考えさせられるストーリー。
    こうじゃないかと、ミステリー好きなら予想するようなことは烏丸が問いアリスが「いいえ」と言われるようなこともあり、ならどういうことだ?と一緒になって謎解きができる感覚がある。

    まだ調べてないがこのシリーズはこれで終わりなのかな?続きそうな感じなので、また調べて読んでみようと思う

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    2026年01月27日
  • あなたが犯人だったらよかったのに

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    自殺した先輩が残したファイルのパスワードを探すお話

    内海夕凪は生まれつき心臓にあなが空いていて、平静な生活を心がけていた
    そんな中、高校の図書室で人間失格を読んでいて出会った先輩 葛城才華
    「物語に殺されることってあると思う?」と問われた事をきっかけに二人は親友となる
    しかし、夏休み明けに才華は前触れもなく自殺してしまう
    悲嘆に暮れる夕凪の元に、才華からのSDカードが届く
    SDカードカードには「この物語の作者の名前」と「私と彼の罪」というパスワードのかかった2つのファイルが格納されていた
    才華の突然の死と関係があると考えた夕凪は、思い当たる単語を入力するが、パスワードは違う
    パスワードを解くため、才華が所属していた文芸部に話しを聞きにいくが……
    部員たちは曲者揃いで、「読むと死ぬ」と噂される物語を読んだからだと主張する女生徒、パスワードを探す事に協力するので解けたら中身を読ませて欲しいという男子生徒、中身が才華の書いた物語であるならば部誌に掲載したいという部長等々

    人は物語で殺されることがあるのか?
    生前の才華との会話を気に留めながら彼女の死の真相を探る夕凪のお話

    表紙の印象から、ファンタジー要素を含む百合モノかと思ったけど違った
    あくまで現実的な、彼女は何故死んだか?が描かれている

    真相らしき状況は判明するけど、自殺が「そんな理由で?」と思ってしまう
    でも、才華とはそんな人だったのだろうなとも思う

    ジュブナイル小説らしい、思春期の青臭さを感じる
    だが、それがいい
    「あなたが犯人だったらよかったのに」というタイトル
    作中で2度の回収があるけど、やはり解釈としては後半の方なのでしょうね
    確かに、才華が犯人だったらよかったかもね

    読後感もそう悪いものではない
    夕凪の将来に希望が持てる終わり方になってる


    とても良かった事を前提に

    途中で登場する卒業生の作家さん
    意味ありげなこと言っていたので、もっと絡んでくるかと思ったけど、伏線ではなかったようだ
    「呪い」の仕組みはそう
    母親の呪いという匂わせもあったけど、実際に心臓にあながあるのだろうな


    それにしても、そこまで酷い教師が高校にいるか?
    ブチギレて職員室に帰るのは小学生の教師までじゃね?
    いや、むしろ高校だからこそそんな教師も存在し得るのかも?

    夕凪が学内の噂というか情報に疎すぎる
    病弱という設定の影響もあるのだろうけどね


    一番のツッコミどころ
    ローカルファイルのzipパスなんてツールで一発だぜ(笑)
    作中のファイルなら、多分英文字小文字のみだろうし、そう時間もかからなそう
    桁数も少ないしね
    と思ってしまうのは野暮なのでしょうなぁ

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    あなたは殺されたの? 自殺したの?『人間失格』がきっかけで知り合った夕凪と才華の、青春の罪と罰を描いた切なすぎる学園小説
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    2026年01月20日
  • 誰も死なないミステリーを君に

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    ネタバレ

    死が近づいている人間が分かる少女と主人公による、簡潔に言えば人助け。最初に人物紹介代わりの短編と、友人の死に関わっているとされる同級生たちみんなを死なせないように静かに奮闘する中編の2本立て。暗い話にならないように小気味良い会話を挟んでいるのがなかなか良い。もし読者を笑わそうとしているのならあまり成功しているとは言い難いけど。スイスイ読めたし、続きがあったら読みたい。っていうか調べたら2作目があった。読もう。

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    2025年12月25日
  • あなたが犯人だったらよかったのに

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     <誰も死なないミステリーを君に>シリーズの作者が描く青春ミステリー。
     
     女子高生の内海夕凪は、生まれつき心臓に孔があいていて、生活に制約がかけられていた。そして高校に入学後、年上の葛城才華と親友になる。そして突然、才華が自死する。数日後、彼女の元に才華からSDカードが送られてくる。そこには、パスワードでロックがかけられた「この物語の作者の名前」と「私と彼の罪」という二つのファイルがあった。そこに書かれているのは何か?

     これは「罪と罰」の話だ。人の「罪」を暴き立て。「罰」することが正義なのかを問うている

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    2025年08月07日
  • あなたが犯人だったらよかったのに

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    とてもよかったです。
    親友の自死の理由を、交わされた会話の断片や、彼女が所属していた文芸部員との会話から紐解いていく。正義とは何かを問う作品であり、喪失と再出発の物語でもある。独特の緊張感が作品を貫ていて、ラストまで一気に読めてしまう作品でした。

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    2025年07月23日
  • あなたが犯人だったらよかったのに

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    ネタバレ

    やわらかなイラストとは裏腹にドキッとするタイトル。
    最後まで読み終えて、ああ犯人だったら本当によかったのに。そう思いました。
    犯人だったら罪をきちんと償って、才華は生きることができたかもしれない。
    しかし犯人にはなれない。人の命を奪ってしまったのに。自分は人の道を外れてしまった。その心から自殺を選んでしまう。
    その傍ら、夕凪には生きる希望を与えた。
    自らを人間失格だという夕凪へ、あなたが幸せに生きることが望みだと、そう願いを伝えた。
    最初から香坂先生がいなければ、なんて思ってしまうくらい優しさに才華と夕凪の日常をもっとみていたかった。

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    2025年07月10日
  • 不実在探偵の推理

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    不実在探偵による水平思考クイズ

    水平思考クイズということでとっつきやすく、大変読みやすかった。はいといいえで徐々に思考の軌道修正されてゆき、登場人物とともに推理するのが楽しめた。次回作も期待できるかな。

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    2025年03月22日
  • 不実在探偵の推理

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    水平思考ゲームを使ったミステリーで今までにないタイプの小説。
    少し解決するのに無理やりだなと感じるところはあったがとても好みのタイプの話だった。
    続きがありそうな終わり方だったので続きがあれば読みたいと思う。

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    2025年03月03日
  • 誰も死なないミステリーを君に 2

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    ネタバレ

    再読。面白かったです。1に比べて、ミステリー色がかなり強くなり話が二転三転していく様子が読んでいて楽しかったです。現時点では2までしか出ていませんが、続きが出ると良いなと思います。

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    2025年01月29日
  • 誰も死なないミステリーを君に 眠り姫と五人の容疑者

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    ネタバレ

    再読。死線を消す少女と少年の出会いの物語でした。ミュージシャンを志す少女、奏音。その子の友達の白雪は鉄太に殴られて意識不明。本当に鉄太が殴ったのか。その背後にはアップルが絡んでいて、暴力団も関係している。誰が嘘をついていて、誰が白雪を殴ったのか。最後まで楽しく読めました。

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    2025年01月09日
  • 誰も死なないミステリーを君に

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    ネタバレ

    設定が面白いミステリー。寿命以外の死が見える女の子とその女の子を支える男の子のお話。一度に4人に死線が見えてしまい、全員を助けるために観察しやすい無人島に4人を招待するが、死線は増えていくという内容です。最後は綺麗に話が終わるし、伏線回収もあります。すっきりとした感覚で読み終えられました。

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    2025年01月08日
  • 不実在探偵の推理

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    ハイとイイエしか表現できない不実在探偵と、彼女と唯一コンタクトできる青年の元にやってくる事件!
    名探偵が謎を解いた後、皆でその謎を解くというのは初めて出会うタイプでとても面白かった。
    初めはアキネイターかよ!とツッコミをいれてたけど、この発想は天才だと思う。
    少しずつ読むつもりだったのに気づけば一気に読んじゃいましたw
    シリーズ化してくれないかなあ。

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    2024年12月10日
  • 不実在探偵の推理

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    水平思考ゲームとミステリの融合ってありそうでなかったような。設定面白い。
    後半の「安楽椅子探偵ゆえの過ち」っていう話はなるほど。

    登場人物のキャラがたってるので、これは続編あるのかなと期待しています。

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    2023年11月11日
  • 誰も死なないミステリーを君に 眠り姫と五人の容疑者

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    ふたりのプロローグ。
    シリーズものを読むといつも思うのだけれど、読み進めるたびにキャラが好きになっていくよねー。私はいつもそう。
    三作目(3ではないが)を読んで二人が本当に好きだなぁと思った。志緒は、たしかにヒーローだな。佐藤くんがいてこそ、ふたりは名探偵として誰も死なないミステリーを描けた。それと別で、志緒はヒーローだった。そんなヒーローと淡々とした佐藤くんという猫の手コンビがいい。

    そしてリンリン!?えっリンリンなの!?
    まさか会いたかったリンリンに誰死なで会えるとは。

    また二人の誰も死なないミステリーをぜひ。ぜひとも。読みたい。

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    2023年10月11日
  • 誰も死なないミステリーを君に 2

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    シリーズ二作目。佐藤くんがとても好き。
    死線が二転三転(という言い方でいいのだろうか)して、一気に読んだ。散りばめられたあれこれが、少しずつ少しずつつながって、ラストはとてもやさしくてあたたかい。この話がこんなに清々しいラストに辿り着くなんて。読後感がすごくいい。

    りんご飴のように甘いからかもしれない。
    でも、それだけじゃこんなにあたたかな気持ちにはなれないと思う。ひとの裏も表も現実の厳しさや理不尽さを知っているからこそ、自分も人も傷つかないように動ける考えることができる佐藤くんが、とても好き。

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    2023年10月09日
  • 不実在探偵の推理

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    不実在探偵とはそういうことか!と。特殊設定ミステリだけれど、とてもスルッとイメージできて、なおかつ水平思考がとても好きなので、興味深い事件もその解決までの流れも楽しかった。
    ウツツくんのなんかこう人の良さそうな感じが好き。オニさんもいいし、三栖鳥さんも好き。もちろんアリスも、独特な雰囲気が伝わってきて魅力的だった。キャラがみんな、親しみやすいところ好き。
    最後の〝2〟には私も、えっそうなの!?と。
    それ以外にも気になることが残ってるし、アリスちゃんの活躍も見たいので、続きを楽しみに待ちたい。

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    2023年10月04日