井上悠宇のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ高校唯一の居場所の屋上で佐藤はお嬢さま学校の制服を着た、志緒に出会う。
志緒は人と視線を合わせると、相手の顔に死線が見えた。死線の現れた人間は間もなく死ぬ。
大学生になった佐藤と志緒。彼らは、これまで、たくさんの人から死線を消してきた。
そんな中、大学で見かけた死線の出た人々。
2人は彼らの死を回避するために動き出す。
クリスティの名作をなぞる様に進むお話。
話があちこち飛ぶ様で落ち着かなく、2人の思わせぶりな会話も深読みすべきなのかモゾモゾしてしまう。
ミステリ部分はともかく、最後に明かされる佐藤の恩人「ノンシュガー」と志緒の仕掛けにはニヤリとした。 -
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Posted by ブクログ
ライト文芸らしく、モノをバラバラにすることに異常な執着を見せるヒロイン・天使玲夏のキャラクターは抜群に立っており、そんな彼女を抑制しつつ、時に後始末に奔走する主人公との関係性も危うい均衡を保っていて非常に良い。物事をバラバラにする彼女の対比として、主人公の謎を解く行為をバラバラになったものを再度組み立てる=真実を再構築するという見立ても中々のもの。文章は読みやすいながらもいささか淡々とし過ぎているきらいがあり、悪く言えば起伏がない。ただ、異常な彼女の観察日記という体でも読めるため、読み飽きることはなく、普通の人間の視点であるためリーダビリティは高い。しかし個人的には「クビキリサイクル」のいーち