信仰について否定的な人や、仏教以外のあつく信仰している宗教がある人にはあわない。そもそも、そういう人は手に取らないと思うので問題はないかと思うけど。
テーマという点でももちろん人を選ぶ本なのだが、著者の語り口がけっこうぐいぐい来るので、そういう意味でもちょっと押しつけがましいのが苦手な人には向かな
...続きを読むい。学生時代、「先生、それっておかしいと思います!」と堂々と正義を貫く姿勢を持っていた生徒に、あなたが感じることを、この本を読むと感じると思う。
衝撃だった一言が、「理屈をこねる人にろくな人はいない。理屈をこねる前に信じる」という信仰心の説明。
そもそも、著者が感じた死への恐怖は、理屈では説明のつかない感覚的なことだろうから、信仰との相性がよかったのではないだろうか。
しかし、親を信じるのにも友達を信じるのにも、確かに私たちは理屈をこねない。なので理屈をこねるな理論にも一定の理屈は通っている。
信じてから理屈をこねるのか、理屈をこねてから信じるのか。これはどちらが正しいとかではなく、その人の信仰が尊重されるのと同様に、あらゆる人の信仰心の強弱もやはり尊重されるべきであるから、信仰が違う人同士だけでなく、信仰心が違う人同士でも議論し続けるべき課題のように思う。(どちらかが正しい、説き伏せる、などではなく)
思うに、テストで答えがさっぱりわからない四択があったとして、それを、鉛筆を転がして答えるか、あくまでも問題と向き合って少しでも理屈をつけて答えるか、その違いに近い気がする。人生の答えは誰にもわからない。