中沢けいのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
機内はまた初物シリーズ、中沢けい。最近の人では無いが読んだこと無かった。最近映画化された「海を感じる時」と、「水平線上にて」の2作。どちらも自伝的小説に思えるぐらいテーマは酷似している。映画のキャッチは官能的だとか少女が女にだとかが目立ったが、文章からそう言うイメージは受けず、内面がこぼれるように著されていた。言葉の選び方が、暗いんだけど美しい。でも僕ももう、思春期の女の子の内面に共感を覚えられる歳では無いらしい。
それより、出てくる舞台が関東出身者としては琴線に触れる。70年代後半から80年代の南房総、金沢八景、伊豆下田。どこも子供の頃の想い出に出てくる場所。主人公が男と出かける初めての旅先 -
Posted by ブクログ
【感想】
「海を感じる時」
作者が18歳の時の作品とのことで、
主人公の繊細な感受性がリアルに伝わってくる。
心が空虚なとき、
それを埋めるかのように、
人の温もりが欲しくなる、という気持ちは分かる。
そして、自分や母の中に「女」というものを見出した時の、同族嫌悪的な話も分かる。
そのドロドロとした部分が「生理の血」で表現されているという、生臭さ。
なんだか、言葉に出来ない自然さと不自然さ。
自分に娘が出来た時、
娘のために
自分はそういった女性的な部分をどうコントロールしたらよいのか。
一度、しっかり考えなければと思った。
「水平線上にて」
自分も理屈っぽいので、
主人公の「性欲を純粋