遠藤彩見のレビュー一覧
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キャバクラで働く女性、そして店長や送迎係の物語。
あまりなじみのない世界なので、リアリティの有無についてはわからない。
ただ、煌めく世界と、その世界を保つプライドがあることはわかる。
実際にはもっと黒い気持ちも渦巻くだろうが、あまりドロドロしたものは描かれていない。
『給食のおにいさん』の作者が全く違う世界をどのように書くのか楽しみだった。
『小悪魔ageha』が流行ったことも覚えているし、どこまで「昇天ペガサスMIX盛り」(今はあそこまではではでしくはないらしいが)の世界が見られるかな、という期待があった。
少し厳しく言えば、登場人物それぞれの、特に「嬢」の個性が弱い。
No.1を張り続け -
Posted by ブクログ
ネタバレ「幸せごはん小説」とあるけれど、そんなに幸せな話じゃありません。タイトルどおりブルー、ちょっぴり憂鬱な、食べることにまつわる話が6つ。
摂食障害は知っていても会食障害なるものがあるとは知らなくてビックリ、味覚障害でも食感がイケていれば美味しいと感じられるのだということにもビックリ、キャバクラでアルコールの売り上げを伸ばすために採られる荒技にビックリ。
しかし本書でいちばんビックリしたのは、新潮文庫なのに、KADOKAWAから出版される同著者の最新作が帯で堂々と紹介されていること。「どこのでもええから本読んで!」とでも言いたげ。出版社の一致団結を見た気がして嬉しくなったのでした。 -
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『受験』に続き、同じ女子学院が舞台。
学院内で続いて起こる怪事件、語り継がれてきた”しるし”
シスター入江の過去や、内部・外部生の目に見えない壁。
生涯結婚はしないし、子供も作らないと誓う毛利の生き方も、
それはそれで潔いと思えた。
一番印象的だったのは、シングルマザーの家庭の幼い兄弟。
弟の誕生日にお肉を食べさせてあげたいお兄ちゃんに、
高野豆腐でソイミートの作り方を教えるシーンがすごく温かくて。
かたや「食べられるのに食べない」
かたや「食べたくても食べられない」
その格差がどうにもやりきれなかったです。
近年、問題になっている「フードロス」の4大原因は、
買いすぎ・期限切れ・過 -
Posted by ブクログ
お前ら、口開けて待ってろ!
給食のお兄さんが帰って来た───。
佐々目と子犬顔の毛利に、また会えたのが嬉しくて、わくわくして読み始めた。
でも、さほど引き込まれなかったのはなぜなんだろう…
舞台は白蘭女子学院中学校。
年間給食費15万円、オシャレで豪華なホテル給食を、お嬢様たちは嫌だとおっしゃる。
私にしてみれば、給食を残してもいいというだけで羨ましい限りですが…。
彼女たちに美味しく給食をたべてもらうため、残菜率を少しでも下げるため、奮闘する佐々目と毛利。
愛情ゆえか、指導するシスターの入江は、生徒たちばかりか彼らにも厳しい。
「ダイエット異食症」というものを初めて知りました。
食べ -
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我がままなお嬢様たち相手に、ホテル給食を成功させた宗。やっとホテル勤務に戻れると喜んだ矢先、学院ではガラスが割れたり、池の水が赤くなったりと怪事件が続発する。そのせいか残菜率までアップする始末。犯人は一体誰なのか。怯える生徒らを救うため、宗と栄養教諭の毛利は捜査に乗り出すが……。栄養と愛情いっぱいの大人気シリーズ第五弾。
佐々目さんが、シリーズ1作目と比べて、給食という仕事に誇りを持ち始め、生徒の心の動きにも敏感になっていて、成長している!と思った。
毛利さんも新しい技(今回は変顔)をどんどん身につけているし、前作では冷たかったシスター入江も、今作では給食推進者として力になってくれている。
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いろいろな制約があって自由に調理できるわけではない給食。
大量に、熱いものは熱く、冷たいものは冷たく。
子どもたちの栄養にも配慮して、それでいてコストは低く。
味が二の次三の次になってしまっている現状に、初めて給食と向き合った佐々目は驚く。
コミカルな部分もシリアスな部分も、子どもたちの自由な独特の目線を通すとちょっと変わった風景になる…そんな物語だった。
毛利のブラックぶりがいい。
「給食命!!」みたいな毛利にも、いろいろな裏事情がありそうだ。
給食で明日への命をつないでいる、そんな事情の子どもたちもいる。
少しでも子どもたちの栄養になるように、少しでも子どもたちの健康に役立つように。
味よ -
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色々な人間模様も見えてきて面白かった。
とても大変そうだけど、やりがいのありそうなお仕事。
宗が友達・同僚だったら楽しそう。
文中にあった「セロリとニンジンの残りをスティックにし、たらことサワークリームを混ぜたディップをつけたもの」がとても気になる!
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「味より栄養という制約だらけの給食作りに反発しながらも、やりがいを感じ始めた元一流シェフの宗。そんな時、学校で生徒の居眠りや優等生の登校拒否が問題に。給食で彼らを助けたい! と奮闘する宗に、なぜか栄養士の毛利は君は給食のお兄さんに向いてない」と冷たく言うが……。「おかわり」の声に応えて、人気作が待望のシリーズ化!