遠藤彩見のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
同じ"大人の旅"をテーマにした短編小説で、一人の作家がこんなにも沢山のストーリーを書けることに驚かずにいられない。
どの旅もチクッとする箇所が多かったが、それも含めて面白かった。
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大人の旅は、ほろ苦い。
30歳にして初めての海外、しかも傷心旅行。不安な佳乃子は"お一人様限定ツアー"に参加し、憧れのイタリアの地へ降り立つが……。(「みんなで一人旅」)憂鬱な社員旅行。トラブル続出の一人旅。悪夢のような出張。悩ましい親孝行旅。幸せという目的地に着くための方法は、きっと一つではない──。ままならない旅路の果てに待ち受ける、 -
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食に難を抱えている人たちの短編集って感じでしたー。
食えない女
人前で食事ができない女と昆虫食好きな男の話。
七味さん
食べているときは素が出る。
さじかげん
料理が苦手な妻が努力するけど泥沼にはまる。
味気ない人生
騒音問題がストレス過ぎて味覚をなくした女性。
ままごと
ままごとでの主役は母親役。主役は一人だけ。
キャバクラの台所
華やかなキャバの裏では食べてもらえないフルーツあり。
どの話も、困難があっても、最後は前向きに考えていて、
「えらいなぁー」って思ったよー笑
食べることは生きること。
食を通して生きることについて考えてねーって、
テーマっぽいけど、私は -
Posted by ブクログ
一流の腕を持ちながら不運が重なり、失業中の料理人・佐々目宗。一年限りのつもりで小学校の給食調理人として働くことになるが…
スターシェフとして理想の店を開く夢をあきらめきれない一方で、給食調理という特殊な世界での仕事に少しずつやりがいを見出していくお仕事小説。
プラス、子供たちの問題(食育、アレルギー対応、ネグレクトなどなど)に給食を通してふれあい、何とかして“美味しい”“楽しい”と思わせたいと思うようになる、人としての成長物語。
遠藤彩見さん、初読。
なんとなくタイトルだけ知っていて、なんとなく予想していた展開通りではあったけれど、なるほどこれは人気が出るわな。
だって、部活ものやお勉強 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み進めるのが苦しくなる話だった。
夫のために、良かれと思って食事に一つも二つも工夫を凝らす妻。初めの方は、妻もやりすぎだなとは思うけど、捨てるほど?家に帰りたくなくなるほど?と夫の行動が不思議だった。
しかし、帰り道に何か食べてきたのではないかとキスして夫の口の中の風味(?)を確かめる妻の姿は、なかなか恐怖だった。
だからといって、職場の女の子と浮気しなくてもいいのに…。しかも最後の最後は、その女の子は二人と全然関係ない男性と結婚して寿退社するって。えー!となった。
一番ショックだったのは、最後の夫への復讐として、美味しい料理を作って、あえて既製品のようにカモフラージュして夫に食べさせ -
Posted by ブクログ
学校という使い古された舞台でお仕事小説の幾つかの典型パターンをなぞりながらストーリーを進めていき、「給食のおにいさん」という軽めのタイトルとライトな作風と相まってさらっと読ませるのだが、給食調理の裏側という意表を突いた設定の下、欠食児童やアレルギー代替食などなど現代の学校が抱える諸問題(とりわけ天才子役のエピソードは痛切)を取り上げていてかなり重い内容なので、本格的なドラマにしたら良いものができるのではないかしら。(最新の自動調理器が主役級に活躍するシーンを見たい!)ちなみに別に「おにいさん」でなくても成立する話なので、オシゴトものを得意とする石原さとみ主演で是非(笑笑)。