赤井三尋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこの本が映画「スティング」へのオマージュになっていると書いてあるのを、読み終わった後の解説に読む。見れば作者は1955年生まれで、なるほど私らと同年代と知り、今更ながらに納得する。
さて、下巻。手駒も揃い、漸う春日の描いた絵柄に沿い、話が進む。
大きなパズルにひとつずつの小さなピースが嵌められる如くエピソードが連なり、その度に小さなアクシデントが起こっては何とか切り抜ける積み重ね。
最後の結末は予想がつくのが何かと思いながら、それでも場面場面の小さな緊迫感に頁は進む(そのままのテンションで株券を受取りの場面まで進み、最後の大ヤマになり切れなかったのが玉にキズ)。
最後の最後で、私も見事に騙され -
Posted by ブクログ
江戸川乱歩賞の作品は凝っている
本作品は昭和の時代に起きた解決済みの誘拐事件を、20年後の平成の時代に掘り起こし再調査を行う物語。
主人公は新聞社で左遷の憂き目にあっている中年記者。社長命令で過去に起きた誘拐事件を洗い直すことになる・・・
あらすじはこんな所で、それよりも登場人物達が興味深い!
直観像素質という特殊能力を持ち囲碁がプロ間近級に強い新聞社の社長
元基院の↑の奥様
二人称に『お主』を使う元刑事 癖が強い
橋田ドラマに出てきそうな家政婦の千代さん
非常に暖かい家族の焼き鳥屋さん
ストーリーも去ることながら登場人物達の細かな設定が私の中でハマってます。
本作の登場 -
Posted by ブクログ
陰鬱な作品だった。終始暗い影がついて回るような、重い雰囲気に包まれていたのは、私が体調が優れないときに読んだからだろうか。嬰児の誘拐と聞くだけで痛ましいのに、もう出版社とか絡めないでほしい。しかも、登場人物がデフォルメされていないほうのリアルさを湛えているもんだから、判別しにくいわイメージしにくいわでとにかく重苦しかった。やっぱり小説である以上は、多少のデフォルメを読者として求めたいんだな、私は。最後の結末は、意外だった。ただ、その結末を持ってくるなら、もっと「その後」を厚く書けるはずだろ!って感じました。まあ、読みたかったんだよ、私が。
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購入済み
引き込まれます
次の展開を知りたくて、ついつい読んでしまう内容でした。終盤の展開から続編でもあるのか?と思わせるものですが、どうなんでしょう?